ユナイテッド航空とエクスペディア:ユナイテッドの大詰めは不明

当分析はCAPAが2019年4月23日に発表した 

 

 

United Airlines and Expedia: United’s endgame is unclear

 

をJAMRが全文翻訳したものです。

2019年5月5日

 

 

ユナイテッド航空とエクスペディア:ユナイテッドの大詰めは不明 

 

23-Apr-2019 

 

エアラインの流通の姿は、エアラインが、第三者航空券販売業者に対し、より有利な取引条件を得るために、しばしば攻撃的な手段をとり、過去10年間で大きく変化して来た。2010年と2014年両年の特定期間、エアラインが、オンライン販売代理店から、在庫を取り上げる挙に出るという、極めて高いレベルでの諍いの一つが、アメリカン航空とオービッツの間に起こった。

 

現在、ユナイテッドとエクスペディアは、激しい契約交渉と法的乱闘の結果、提携を断ち切る方向に進んで居る様である。

 

ユナイテッドのエクスペディアとの関係は、これまで常に心地良いものでは無かったが、現在のエアラインと第三者販売業者の間の小競り合いは、在庫を流通させる規則の書き直しをしようとするエアライン側の最も新しい企てである。

 

 

Summary概要 

    アメリカン航空は過去に第三者販売業者と小競り合いの経験があるが、最終的にはそれら流通業者と合意に至って居る。

 

    ユナイテッドは自社の直接流通経路を通じて、エクスペディア同様の自社の最安値の運賃を販売出来ると考えて居る。

 

    より最近には、エアライン各社は、GDSサーチャージから、代理店に対する直接予約への奨励金に至るまで、幾つかの戦略を採って、第三者との契約を変更しようとして居る

 

  

エクスペディアとの抗争は、エアラインとOTA間の最新の駆け引き

 

2019年早い時期に、エクスペディアは、同社が、OTAとの契約を破ったとしてユナイテッドに対し訴訟を起こし、2019年10月1日以降、ユナイテッドが、その顧客に対し、エクスペディアが働きかける能力に介入することを禁ずる仮処分を求めた。

 

2018年遅くに、ユナイテッドは、エクスペディアに対し、2019年9月以降OTAのユナイテッドの便に対するアクセスを切断すると述べて居る。ユナイテッドの動きは、エクスペディアから、エアラインと第三者流通業者の間で、過去10年間繰り返されて来たテーマである、より良い条件を引き出そうとする努力、に根ざしたものだ。

 

アメリカンが、2010年と2014年、その在庫を、オービッツから引き上げたのは、同エアラインが、契約条件が好ましく無いとの結論に至ったからである。

 

2014年、アメリカンの当時の社長、スコット・カービーは、同社がコストを抑え、低コストエアラインと対抗出来る経済条件の合意に至れる様に、オービッツと飽くことない交渉を行ったと述べて居る。最終的には、両社は論争を解決して居る

  

 

ユナイテッドは、エクスペディアと同様に、最安値運賃を自社で売ることが出来ると考えて居る

 

今や、カービー氏は、ユナイテッドの社長であり、同エアラインは、エクスペディアと、より好ましい条件での契約を得る交渉は不可能と判断した後、エクスペディアとその提携社であるオービッツ、トラベロシティ、ホットワイア、そしてチープティケッツへの在庫提供を、2019年10月1日から取りやめる計画である。

 

ユナイテッドのCCOアンドリュー・ノセラは、最近、アナリスト及び投資家に対して、同社が自社ウェッブサイトとアプリケーションのコスト効率をより高めるように投資して居り、エクスペディアが歴史的な最安値運賃の販売に好成績を挙げて居るのに対し、「ごく正直に言って、我々も、全く同様に自社の最安値運賃を売る事が出来ると考えて居る。それが我々の立場である。」と語って居る。

 

運賃の細分化は全米のエアライン業界に行き渡り、今や最安値運賃は最大規模の全米エアライン(サウスウエスト航空を除く)が提供して居るベーシックエコノミーである。

 

それらの運賃を自社でも同様に売る事が出来ると言うユナイテッドの判断は、多分、部分的には、顧客をより高い価格の運賃系列に誘導する能力にかかって居るのだろう。米国の3大グローバルエアラインはベーシックエコノミーから、より高い運賃への誘導率は50%から60%であると言及して居る。

  

 

疑問は「ユナイテッドの大詰めはどんなものになるか」である

 

最近のユナイテッドとエクスペディア間の論争には、答えが出て居ない多くの疑問が残ったままである。ユナイテッドは単に良い契約条件を手に入れるために厳しい球を投げて居るのか、或は同社は本当にエクスペディア同様に、自社の最安値運賃の航空券を売れると考えて居るのだろうか。

 

トラベルウイークリーが指摘した様に、2016年、エクスペディアとユナイテッドは彼らの契約を破棄する瀬戸際まで行ったが、時間切れ2日前になって契約を延長して居る。

 

もしユナイテッドが最終的にエクスペディアとの関係を終わらせるとすれば、他のエアラインは追従するのだろうか?全てのエアラインは、自社の商品を流通させてくれる第三者との間に、より良い契約条件を欲しがるものだが、アメリカンそして今やユナイテッドは、米国内で契約条件の改善を手に入れるために、劇的な行動をとる事に最も積極的だった。

 

欧州ではIAGのエアラインである英国航空とイベリア、そしてエアフランス-KLMが、グローバルディストリビューションシステム(GDS)を通じた予約から料金を徴収することで、ルフトハンザグループに追従して居る。然し、エクスペディアはエアフランス-KLMとは料金徴収を避ける事、そしてまた、エアフランス-KLMそして同エアライングループのGDS提携社と、IATAの新たな流通機能(NDC)で統合する事に協力を約束して居る。

 

過去数年間アメリカンはその流通システム戦略中のある局面で、異なる取り組みをして来て居る。2017年、アメリカンは同エアラインの承認したNDCコネクションを通じた旅行代理店の予約に対し2ドルのコミッションを提供し始めた。

  

 

エアラインはより良い条件を求め、ごり押しを続けるだろう

 

ユナイテッドとエクスペディアの最新の衝突は、多くの注目を集めて居り、幾つかのエアラインが第三者流通業者とのより良い契約を獲得するため交渉する中で示して居る冷酷さの水準を反映して居る。

 

エアラインの在庫にとって、世界的な流通(グローバルディストリビューション)の姿は大きな変化を遂げようとして居て、最も目覚ましいのはIATAのNDCの採用と登場、そしてエアラインがその付帯サービス商品を如何に売るか、新たな科学技術的標準が変貌を可能にするやりかたである。

 

GDS各社も考え直して、NDCが流通の世界で演じる役割について受け容れて居る。

 

然し、ユナイテッドとエクスペディア間の最近の争いは、第三者流通業者との間でエアラインが考える、より良い契約条件を確保するための努力は強まるばかりである事を示して居る。

 

ユナイテッドの戦術の一つは、ユナイテッド側にとって、改善した、より安価な選択肢を提示するまで、エクスペディアに圧力をかけ続ける事なのは疑うべくも無いだろう;然し、エアラインが最終的に核となる解決策を受け容れ、コスト面での妥協点に線を引くかどうかは、多分2019年9月の遅くまで分からないだろう。

 

以上  

 

United Airlines and Expedia: United’s endgame is unclear

海外事情

 

今週号では、「7. アゴダの多角化戦略」、「8. ブッキング、民泊の新戦略」、「13.ブッキング、法人旅行テックプロバイダー買収」、「15. ブッキング、配車アプリのグラブと提携促進」と、BKNGの関連ニュースが4つもあった。BKNGの「Connected Travel」戦略の遂行が進んでいる。BKNGの場合は、Internet of Things (IoT)が、Internet of Travel (IoT)と読み替えているように感じられる? 

 

それよりも、3つの記事が印象深い。「10. 本当のディスラプション」、「22. ソーシャルメディアと旅行」、「24. 東南アジア市場の2つの問題、OYOとインスタ」の3つだ。

 

10. 本当のディスラプション」では、ディスラプティブのプロダクトは、必ずしも既存企業よりも良いわけではなく、今まで既存企業が不経済なために手を出さなかったサービスのニーズに取り組んだか、以前は特定できなかったニーズのいずれかであると説いている。そして、ディスラプティブを起こしているのは、テクノロジーでなくて、創造性を発揮したクリエイティブなモデルであることを再確認させてくれた。

 

22. ソーシャルメディアと旅行」は、旅行とソーシャルメディアの相性が抜群に良く、旅行業界がソーシャルメディアを誰よりもうまく使っていると言っている。ソーシャルメディは、人と人の繋がりをインターネットで補完するコミュニーケーションサービスなのだから、顧客とのエンゲージメントに優れているのは当たり前だ。これを上手に使っていないとすれば問題だ。

24. 東南アジアの2つの問題、OYOとインスタ」は、この地区における観光公害の実態を報告している。オンライン旅行ガイドTravelfishStuart McDonaldが、過去15年間で悪化している観光公害の実態を、歯に衣着せずのタッチで断罪している。(編集人)

海外事情12月9日号 

 

2つのIATA NDC標準に関する記事「4. NDC進捗状況」、「16. 航空会社の3つのテクノロジートレンド」が有った。4.の記事は、NDCは安定的に進展しているものの、乗り越えなければならないハードルがまだまだ存在すると述べている。その反対に16.の記事は、開発進展状況は計画通り順調だと述べている。後者は、IATAが主催した航空会社リテーリングシンポジウムに関する記事のため、多分にIATA寄りになっていると思われる。4.がより正確に実態を表しているのだろう。「技術的な問題よりも“人と金と政治”(people, money, politics)の問題が進展を阻んでいる」と言っている。NDC APIで接続して流通経費をできるだけ削減したい航空会社と、反対していたNDC に今では積極的に対応して、新たに登場したアグレゲータとの競争に勝利するためと、航空会社に“中抜き”させないための両方で頑張っているGDSとの、これからのせめぎわいが激しくなるだろう。 

 

グロバールOTAの第3四半期決算で、EXPE22%大幅減益となった「9. エクスペディア 3Q 減益」。その反対にBKNG10%増益した「15. ブッキング3Q、増収増益達成」。どちらもnet incomeベースだ。EXPEの減益は、GoogleSEOに関するアルゴリズム変更が影響しているという。BKNGは、このチャネル規模がそんなに大きくなく影響が軽微であったという。TRIP3Qも減収減益となった「12. トリアド、トリップ・コムと中国合弁設立」。TripAdvisorブランドホテル収入が、Google自身のホテルプロダクト検索増加が原因で14%減少したのだ。Googleの旅行領域参入がますます本格化しているようだ。

 

117日、3社の株価は、EXPE27%BKNG8%TRIP22%、と値を下げた。市場は、オンライン旅行市場におけるOTAの今後の競争力維持を懸念しているのだろうか。OTAは、サプライヤー直販拡大はもとより、Airbnbなどの新たな販売モデルの台頭やGoogleなどのグローバルプラットフォーマーとの競争激化に直面している。(編集人)