JAL、787航空機で決断=長距離LCCのために

当分析はCAPAが2018年8月1日に発表した  

  

Japan Airlines to decide on 787 aircraft for long haul LCC

   

をJAMRが全文翻訳したものです。

                                     2018年8月28日 

JAL、787航空機で決断=長距離LCCのために 

01- Aug-2018


2108年の夏、JALは同社の新しい低コスト長距離エアラインの、2020年中ごろの営業開始のために、事業登録を開始しようとして居る。多くの重要な決断が行く手に待ち構える;社名の他にも、JALは航空機の計画に結論を出そうとして居る。
 

 

多分、普通ではなく、そして、大手エアライン系列か、独立系かに限らず、過去の長距離LCCとは対照的に、JALは、過去のLCC各社が古い機材か新造機かを比較検討して来たのに対し、新世代航空機を使用すると約束して居る。 

 

JAL内の論争は、新エアラインにJALの注文リストの中から787-8を与えるのか、現有のJAL機材に、LCC分野に相応しい改修を施すのかという点にある。CAPA保有機データベースに依れば、JALは現在、4機の787-8を、また7機の-9を発注済である。 

 

多少、納入時期の調整は必要かも知れないが、ボーイングとしては、真新しいエアラインには、工場直送の新機材を提供したいに違いない。JALが保有して居る787は古い商品装備であるだけでなく低密度の機内仕様になって居る。JAL は何れにせよこれらの機材を改修するだろうから、逆に、新LCCに、飽くまでも新世代機だが、古い機材を与える可能性もある。新造機と比べるといくらか効率性が低く、整備コストが高くなるだろう。 

 

Summary

 

      JALは長距離LCCを787-8で開業するつもりである。 

      JALは新エアラインに、改修した、現役機材を使わせるのか、又は、JALのボーイングへの発注済み機材リストから一機を受け取る事にするのか決断しようとして居る。 

      JALは、長距離LCCの787-8は、300席を超えるものとする予定だ。787-8に300席以上を装着して居るのは、たった2社で、共にアジア太平洋のLCCである、ジェットスターとスクートだけだ。

      JALは、長距離LCCの787-8に2種類の座席を計画して居る。 

 

JALは787を11機発注済、その内4機が-8 

 

JALの主流はA350に焦点を移して居るが、未だに11機の787が発注済である。その内、7機が-9で、4機が-8である。 

 

JALの保有機群概要:2018年7月16日現在

 

Aircraft

In service

In storage

On order

(confirmed)

On order

(unconfirmed)

Airbus A350-1000XWB

0

0

13

0

Airbus A350-900XWB

0

0

18

0

Boeing 737-800

50

0

0

0

Boeing 767-300

6

0

0

0

Boeing 767-300ER

29

0

0

0

Boeing 777-200

12

0

0

0

Boeing 777-200ER

11

0

0

0

Boeing 777-300

4

0

0

0

Boeing 777-300ER

13

0

0

0

Boeing 787-8

25

0

4

0

Boeing 787-9

13

0

7

0

Embraer ERJ190-100 STD

0

0

1

0

Mitsubishi MRJ90

0

0

32

0

Total:

163

0

75

0

 

Source: CAPA Fleet Database 

発注数には、運航会社から直接、及び運航会社に指名されたリース会社からのものを含む。2018年7月16日以降。 

 

4機の787-8は、納入期日が2019年前半から後半のもので、可能性としては、JALの予定する営業開始時期に、或は納入時期を幾らか遅らせれば、丁度良くなる。 

 

JALの、OEMから購入、或は新機材発注ルートのリース会社からのリースによる機材の計画納入時期:2018年7月16日現在

 Source: CAPA Fleet Database  

発注数は、運航会社から直接されたもの、或は運航会社に指名されたリース会社によるものを含む。2018年7月16日以降。 

 

JALは、何れにせよ787を改修せねばならない 

 

JALは、現有787保有機群の改修を検討して居る。JALの当初の787は、旧ビジネスクラス座席が装着されて納入されて居る。これらの航空機はサンディエゴなど、副次的な都市に投入されて居る。 

 

JAL787 E01 のLOPA:2018年7月 

(*LOPA:Layout of Passenger Accommodation:客室仕様レイアウト)

Source: JAL. 

 

ビジネスクラス商品をアップデートしたい事以外にも、JALにとって、これらの航空機を改修する理由はいくらもあるだろう。JALの経営計画は、不特定の機材について、プレミアムとそれ以外の座席のバランスを調整する様に求めて居る。これは、広いカテゴリーの問題で、エコノミークラスでの高密度化(横9席配置の導入や、ピッチの短縮などにより)、ビジネスクラスでの低密度化(新ビジネスクラス座席/新商品)、そして、最終的には、各客室の床面積を調整する事になるだろう。

  

機材の改修を明示するJALの経営計画:2018年

Source: JAL. 

 

JALのLCC 787は300席超を装着するだろう 

 

JALは、同社のLCCは、787-8に300超の座席を装着する計画だと言って来た。787-8の具体的な最多席数は、その機体の出口扉に収納するのが、単列スライドか、2列スライドかによる。 

 

全ての787の扉は、2列スライドを収納できる為、低い方の最多席数証明を持つ、787-8は(単列スライドは、重量を節約出来るので、JALでも有り得る。)、より大きなスライドを装着する、比較的に平易な手続きで、より高い方の承認を得られる可能性がある。これは、ある扉は、物理的に大型だったり、小型だったりするA330の様な航空機と対照的で、これが最多席数の認可に影響する。 

 

現在300席以上の787を持って居るのはたった2社である。その両方とも、アジア太平洋を本拠とする長距離LCCであって、ジェットスターの335席と、スクートの持つ335席及び329席(329席の仕様には、JALの長距離LCCが欧州、北米に飛ぶつもりである事から、必要と考えられるクルーバンクが含まれる)である。 

 

787-8に290席以上装着して居るのは3社で、LCCのノルウェーエア(291)、レジャーエアラインのTUI(291)、そして、スペインのエアヨーロッパ(296)である。291席の次は、、271席(ロイヤルジョーダニアン)に密度が落ちる。全787-8の平均は、245席である。

  

運航会社別、787-8のLOPA:2018年4月 

(*LOPA:Layout of Passenger Accommodation:客室仕様レイアウト)

Source: CAPA Fleet Database. 

 

LOPAの密度は比較の問題で、コストベースの個差の大部分を構成して居る。 

 

JALの長距離787-8の仕様は、遥かにこの平均を下回って居り、実際に最少は、161席である。JAL版の第2位の座席数は186席でANA(169席)に次いで3番目に低密度の席数である。 

 

JALの787-8の床面積のほぼ半分は、ビジネスクラス用であり、他社よりも多い。更に、JALのビジネスクラスは低密度である。JALはまた、プレミアムエコノミー席が大きい、この部分がやはり他社より広いのだ。 

 

JALの長距離LCCは、プレミアム客室の実収単価の優位性よりも、全体としての収入規模を追及しようとして居る。然し、JALとLCCの重なる幾つかの市場では、LCCの方が利益を上げる可能性もある。

  

JALの787 E11のLOPA:2018年7月

Source: JAL. 

 

JALのLCCは2種類の客席を持つ予定だ 

 

JALは長距離LCCに、まだ「客室」と言う用語は使って居ないが、2種類の客席を装着する計画である。ほとんどの長距離LCCにはプレミアム席の小さなセクションがある。特筆すべき例外は、自社の市場の商機にはその方が適して居ると考え、A330に唯一種類のエコノミー席を装着した、セブパシフィックとライオンエアである。 

 

ジェットスター、ノルウエーエア、そしてスクートは全て、各社ブランド名は異なるものの、2-3-2の実質プレミアム席を着けた、プレミアム客室の仕様として居る。エアアジアXは自社のA330にライ・フラットのベッドを搭載した。ジェットスターとスクートは、その787-8のプレミアムセクションに21席、ノルウエーエアは32席として居る。 

 

展望:客席密度の優位性が牽引するのはただ一部のCASKの違いのみ。企業文化も重要である 

 

機材の客席密度や稼働率は、長距離LCCとフルサービスエアラインの間のCASK(ASK当たりコスト)の違いの大きな部分を導き出すものだ。JALはその点、高密度の客室仕様を選んで、正しい方向に向かって居る様であり、今のところ、高い稼働率に優先順位をつけるために、同一路線に、曜日によって異なった便数を飛ばす計画である(エアアジアXが当初これをやったが、その後スケジュールを一定にするメリットを見出して居る)。 

 

ついで、焦点は、そして多分懸念も、JALはどの様に長距離LCCを経営するかに移っていく。高密度の機材を持つことは重要で、正しいスタートであるが、それが成功やそれに似たものを保証してくれる訳では無い。 

 

これから、このLCCの将来を左右する、大小取り混ぜた、更に無数の決断をせねばならないだろう。JAL本体は、この計画に如何に絡んで行くのか、そして、もし仮にJALが大々的に絡むのであれば、同社のプレミアムに関する方針を捨てられるかどうか、緊密に監視しなくてはならない事だろう。JALは最もプレミアムなエアラインの一つと言えるだろうが、それには、コストの高い日本の中でも更に費用がかかって居る。JALの新LCCは、開業当初から、低コスト低価格の市場で競争力を持てるかどうか、コスト文化を正して行かなくてはならない。 

 

以上

海外事情

海外事情12月9日号

 

 

2つのIATA NDC標準に関する記事「4. NDC進捗状況」、「16. 航空会社の3つのテクノロジートレンド」が有った。4.の記事は、NDCは安定的に進展しているものの、乗り越えなければならないハードルがまだまだ存在すると述べている。その反対に16.の記事は、開発進展状況は計画通り順調だと述べている。後者は、IATAが主催した航空会社リテーリングシンポジウムに関する記事のため、多分にIATA寄りになっていると思われる。4.がより正確に実態を表しているのだろう。「技術的な問題よりも“人と金と政治”(people, money, politics)の問題が進展を阻んでいる」と言っている。NDC APIで接続して流通経費をできるだけ削減したい航空会社と、反対していたNDC に今では積極的に対応して、新たに登場したアグレゲータとの競争に勝利するためと、航空会社に“中抜き”させないための両方で頑張っているGDSとの、これからのせめぎわいが激しくなるだろう。

 

 

 

グロバールOTAの第3四半期決算で、EXPE22%大幅減益となった「9. エクスペディア 3Q 減益」。その反対にBKNG10%増益した「15. ブッキング3Q、増収増益達成」。どちらもnet incomeベースだ。EXPEの減益は、GoogleSEOに関するアルゴリズム変更が影響しているという。BKNGは、このチャネル規模がそんなに大きくなく影響が軽微であったという。TRIP3Qも減収減益となった「12. トリアド、トリップ・コムと中国合弁設立」。TripAdvisorブランドホテル収入が、Google自身のホテルプロダクト検索増加が原因で14%減少したのだ。Googleの旅行領域参入がますます本格化しているようだ。

 

117日、3社の株価は、EXPE27%BKNG8%TRIP22%、と値を下げた。市場は、オンライン旅行市場におけるOTAの今後の競争力維持を懸念しているのだろうか。OTAは、サプライヤー直販拡大はもとより、Airbnbなどの新たな販売モデルの台頭やGoogleなどのグローバルプラットフォーマーとの競争激化に直面している。(編集人)

5. (TJ) オヨ、15億ドル追加調達」と「14. スタートアップに200億ドル注入」の2つの記事から、今までOYOは累計で20億ドルほどの資金を調達し、その規模は過去10年間の世界の旅行領域スタートアップ総投資額200億ドル(約22兆円)のほとんど10%を構成していることが分かる。この多額の資金調達を支えている主要投資家には、ソフトバンクのビジョンファンドが含まれる。ソフトバンクは、最近、上場延期を余儀無くされた米WeWorkに(支援策として)50億ドルを出資することを決定した。(ビジョンファンドは、すでに累計100億ドル=約1.1兆円)をWeWorkに投資している。)出資しているUberの株価も上場時より25%も下がっている。まさかOYOWeWorkの二の舞なんてことには・・・? ビジョンファンドの主要投資先には、旅行関連では、OYO, Uberに加えライドシェアのGrab(シンガポール)と滴滴出行(中国)がある。 

 

15. トーマスクックと中小旅行会社」と「16. トーマスクック倒産の教訓:流通ミックス重要」は、トーマスクック(TCG)の倒産原因が、アイデンティティー(企業の独自性)・リダーシップチーム・市場のトレンド・テクノロジー戦略、の5つに重大な問題(瑕疵)が存在したためだと解説している。そして、近代のトラベルテックが進化した市場では、API、オープンシステム、提携(後述再掲)の方法によって、中小旅行会社と雖もTCGと変わらない在庫にアクセスすることが可能であると説いている。むしろ中小旅行会社の方が、小回りがきいて、経営環境の変化に迅速に対応し、社内のコミュニケーションにも優れていると書いている。また、大手ツアオペに送客をべったり依存するのではなくて、複数のデジタルチャネルを利用するチャネル管理が極めて重要だと教えている。 

 

10. テクノロジー・コンバージェンス」は、スタンドアローンの複数のシステムを繋げば(コンバージェンス/融合すれば)、より優れたアウトプットが生まれると言っている。恥ずかしながら、この言葉を初めて聞く者には即ピンと来ないが、その一例として記されている、Disney+ABS+Pixar+MarvelViacom+Paramount Studio+CBSM&Aによる企業の混ぜ合わせを見ると少しは理解が進む。要すれば何から何までの自前主義は(あるいは個別システムの独立させたままの寄せ集めでは)もはや通用しないので、これからはテクノロジー・コンバージェンスをよく理解して、自分に相応しいパートナーとの提携戦略(あるいは個別システムの繋ぎ合わせ)が必要だと言っていると解釈した。DisneyViacomの場合はM&Aによりそれを実現している訳であるが、M&Aだって提携の究極的な形である。トラベル・エコシステムの発展も、ここ辺りにそのレゾンデートルがあるのかもしれない。観光MaaSだって企業間提携をベースにしている。そう言えば、TCG倒産ニュースでも提携について触れている。また「1. (TJ)ブッキング、航空便予約開始」で、Booking Holdings CEOConnected Tripと言っている。コンバージェンス、コネクテッド、融合、繋ぐが重要なキーワードとなりつつあるようだ。インターネット社会のIoTが進んでいる訳だ。(編集人)