ブロックチェーン・テクノロジー:データの可視性と共通性=航空業界のMROに役立つ可能性あり

当分析はCAPAが2017年12月15日に発表した  

 

Blockchain technology: potential to improve data visibility & commonality could benefit aviation MRO

  

をJAMRが全文翻訳したものです。

ブロックチェーン・テクノロジー:データの可視性と共通性=航空業界のMROに役立つ可能性あり

 

15-Dec-2017

 

ブロックチェーンは、永久に処理の履歴を記録し、安全確実な方法で証明できる、開かれた、配布される台帳である。とても広い範囲の有り得べきアプリケーションで、データの可視性と共通性を改善する可能性を提供する。航空機の整備、修理そしてオーバーホール(MRO)の領域で、これらの品質は大変重要である。

 

ブロックチェーンは、一基のエンジンやその他の部品に関する全てのデータが、常に最新で確実に関連する当事者たち、例えば製造者、エアライン、MROサービスの提供者、そしてリース会社などの間で共有される事を確実にするのを助けられる。これは整備計画とエアラインの供給スケジュールの効率を改善してくれる筈だ。

 

11月27日のCAPAレポートは、ブロックチェーンが航空界に与える潜在能力について幅広く検証した。今回のレポートはMROに使用した場合に焦点を絞って見る。

 

関連記事参照Blockchain: potentially transformative technology that could help rebalance the aviation value chain

 

概要

   「唯一の真実の源」は、複数の関係者が同じデータに明確なアクセスを必要とするMROに重要

   ブロックチェーンは、MROのコストを低減し、収入創出に、より多くの時間を割けるようにする可能性がある。

   参加者は、規則と基準に合意し、管理当局とMROにブロックチェーンを使用することの承認を得る必要があるだろう。

   業界の参加者の一部はMROにブロックチェーンを使用する事を熱心に探って居り、その変化のペースは速い可能性がある。

「唯一の真実の源」はMROには重要である

 

ブロックチェーン・テクノロジーは、構成データの、デザインの段階からアフターマーケット;即ちスタッフの訓練と資格取得に関するデータを記録したり、就航中の機体、エンジン、各種部品の稼働状況を記録したりする事、までの一貫性を確保するために使用する事が可能だろう。

 

ブロックチェーンは、MROには大変重要な事である「唯一の真実の源」の提供にも良く適応出来る。

従って、例えば航空機部品の記録(ブロックと呼ばれる)は、その源泉、その利用者、使用時間、使用履歴、不具合や修理歴(どんな整備や修理を誰が実施したかを含む)などを明示する事が出来る。

 

ひとたび、ブロックチェーンに収められると、記録は全ての参加者の間で共有され、全員の合意の下で無ければ改変出来ない。ブロックチェーンの暗号化された性質から情報は非常に安全に守られる。

 

ブロックチェーンはMROコストを低減し、より多くの時間を収入の創出に向けられる

 

部品や資産の、完全で信頼できる履歴を創り出し、維持できる能力は、修理や交換の決断を助け、偽物の部品を取り付ける危険を防いでくれる。

 

ブロックチェーンが、業界がこれを効果的に徹底して実現する事を助けてくれるとしたら、整備の計画や実行を、より効率良くしてくれると思われる。その結果、エアラインの座席供給を可能な限り効率良くスケジュールする能力を高めてくれるだろう。

 

徹底して、効果的に適用すれば、ブロックチェーン・テクノロジーは、またコストを削減し、収入創出の為の経営に、より多くの時間を創ってくれるだろう。

 

民間航空業界では、航空機の運航会社間移転に年間10億ドルもかかって居る

 

一例として、民間航空業界では、航空機を運航会社間で移転するだけで、毎年凡そ10億ドルの費用がかかると見られて居る。この殆どのコストは、作成し、保管し、維持し、移管されねばならない、安全や価値に関わる航空機や部品の膨大なデータの所為であり、それら記録を認証するための時間の所為である。

 

紙による記録は未だに広く普及して居り、完全なディジタル化がブロックチェーン・テクノロジーを採用するのに必要な大前提である。MROに於いては、秘密の整備データ、特に価格に関するものを共有する事に躊躇いがあり得て、これがディジタル化をなかなか前に進ませないのかも知れない。

 

然し、ブロックチェーンの使用を、安全な航空機の移管を円滑にするため、営業上デリケートな情報でない、整備データだけに限る事も可能だろう。ブロックチェーンの暗号の使用が、また処理の過程で電子署名の安全性を確保する事になるだろう。

 

そもそも、ブロックチェーンは、正確なデータの入力を確保することは出来ない

 

ブロックチェーン・テクノロジーを使用する事はチェーンの中でのデータの統合性を確保するが、データが正確に入力されて居るかについては、何の影響力も持たない。この点で、ブロックチェーンは、現在使われて居る、紙を基本とする、或はディジタルの記録システムと何ら違いは無い。

然し、より透明性が高く、後から、誤って記入されたと判明したものも含め、あらゆるデータの起源を追跡するのがより容易になる。

 

MROの為のブロックチェーンは、参加者の為の規則が必要

 

ブロックチェーンの最も知られたアプリ、暗号通貨のビットコインは、公開された、匿名の、共同の台帳(「非許可型」として知られて居る)で、それをMROに使うと、より私的で、広く知られない、正体の明らかな参加者によるもの(「許可型」)である事が必要になりそうだ。

 

このテクノロジーは、その様なアプローチにも対応可能だが、利用者たちはメンバーシップ、参加の水準、暗号と規則の変え方についての規則などの事柄に合意する必要があるだろう。データの確認の速度に影響を与えるブロックの規模や、規模の小さなコンピューターの参加可能性など技術的な詳細も、合意を必要とするだろう。更に挑まねばならない問題は、伝統的システムがブロックチェーン台帳とコミュニケートできる方法についてだろう。

 

標準を創り出す事に加えて、管理当局の認可については、探り、交渉し、合意する事が必要となるだろう。

 

 

業界の一部参加者は、MROのためのブロックチェーンの研究を熱心に進めて居る

 

航空業界は、未だブロックチェーンを基本とするMROのデータ管理を開始する準備が出来ては居ないが、業界の一部参加者たちはその研究を熱心に進めて居る。

 

ルフトハンザ・インダストリー・ソリューションズ(同グループのコンサルタント部門)は、航空業界のテクノロジーに考え得るアプリを研究するために「航空のためのブロックチェーン」(BC4A)を発足させた。ソフトウエア開発者、機体製造業者、エンジン製造業者、MROサービス提供者、ロジスティック会社、リース業者そして管理当局を一堂に集めようとするものだ。

 

エアフランス-KLMも、整備の工程を改善するために、このテクノロジーを使う可能性を研究して居る。GEはアフターサービスなどの分野のためにブロックチェーンの評価検証をして居る。

 

SITAの様な、その他の航空業界からの参加者も、また、IFS、ラムコシステムズ、IBMそしてマイクロソフトの様なIT企業も、航空業界のブロックチェーンアプリを検討して居る。コンサルティング企業のアクセンチュアは、航空業界に於けるブロックチェーンの可能性についての文書を発表して居る。

 

変化は速いかも知れない

 

MROでのブロックチェーンの利用は、未だに幅広く確立されては居ないが、そうなるまでは、時間の問題だと言う一致した見方が、どんどん広がって居る様に見える。変化のペースを、そしてMROがいつ大きくブロックチェーンを基盤とするようになるかを予言するのは、危険である。

近い時期には起こりそうに無いが、ひとたび勢いを得たら、変化は速いかも知れない。

 

 

Blockchain technology: potential to improve data visibility & commonality could benefit aviation MRO

 

 

■4月5日 NEW!

 

日本や世界の航空事業について諸々のデータから読み解く「マラソン講座」

の掲載を開始致します。

どうぞご期待ください。 

 

TD(旅行流通)勉強会

旅行流通に関する世界のニュース

 

■4月16日  NEW!

 

 

「オフラインの世界に戻る Part 4(最終回)ハイテック対ハイタッチ ホテル」が、H.I.S.の「変なホテル」とForbes 5つ「Boston Harbor Hotel」の極端な2つのケースを比較していて面白い。宿泊業界は、ハイテックで割安なホテルと、高価であるがそれに見合う人的サービスを提供するホテルの2つのセグメントに別れるのだろう。航空業界におけるLCCFSAの違いと似通った話なのかもしれない。それにしても、Boston Harborの徹底したCRMは物凄い。

 

しかし宿泊施設では、これにホームシェアー(private lodgingとかalternative lodging facilityとも呼ばれている)の新経済が加わる。

 

 

Google 民泊拡大」は、GoogleHotel Searchにバケーションレンタル施設を加えたと報じている。

 

Expedia Groupなどの提携サイトの掲載施設をリストすると言う。これはバケーションレンタルのメタサーチ?Googleの旅行市場への参入はとどまるところを知らない。そのGoogleが、先々週、欧州委員会から独禁違反で14.9億ユーロの制裁金支払いを命じられた。これでGoogleの独禁違反は3回目となる。中核事業(特に個人情報集約)の先行きを案じて旅行業を含む事業の多角化を目指していると勘ぐる。

 

 

「エアビー5億人利用」によれば、民泊本家のAirbnbが累計で5億人の利用者獲得を達成し、600万軒の代替宿泊施設をリストしている。Booking.com570万軒を上回ったと言っているが、即予約(インスタント・ブッキング)できる施設数ではBooking.comが追い抜いていると理解している。Airbnbは、OTAHotelTonightを買収したと思ったら、今度はインドのOYO$150M~$200Mを投資したらしい。年内上場を睨んで、Airbnbの事業拡大戦略が継続している。

            (編集人)