ブロックチェーン:変身可能なテクノロジー=航空業界の価値連鎖の調整を助ける

当分析はCAPAが2017年11月27日に発表した  

 

Blockchain: potentially transformative technology that could help rebalance the aviation value chain 

  

をJAMRが全文翻訳したものです。

 

ブロックチェーン:変身可能なテクノロジー=航空業界の価値連鎖の調整を助ける

 

27-Nov-2017

 

IATAの財務、流通担当役員、アレックス・ポポビックによると、IATAの財務決済システムは、金融機関に77億米ドル(世界のエアライン業界の2016年の推定純利益の22%)を料金として支払って居る。金融機関は、航空業界の価値連鎖の中の、多くの仲介者の一つに過ぎず、そのそれぞれが分け前を取って居る。 

 

IATA、エアライン、そして、その他の航空関係組織は、当然のことながら、ブロックチェーン・テクノロジーの可能性について研究して居る。それは、エアラインの仲介者への依存を弱め、コストを削減し、工程のスリム化を助けてくれる。 

 

最もよく知られたブロックチェーンのアプリは、仮想通貨ビットコインで、その支払い時のメリットは決済のスピード、クレジットカードに比べてコストが安いこと、詐欺のリスクの低さ、そして国境を越えた性格にある。ビットコインによる支払いにはクレジットカードも銀行口座さえも不要な事から、顧客層の拡大の可能性も秘めて居る。 

 

然し、ブロックチェーンは仮想通貨よりも更に先に、巨大な変身の可能性を持って居る。半永久的で、証明可能な数々の処理を記録する、公開された、配布された台帳であるブロックチェーンは、人々の間で金銭、データそして契約を、第3者が介在する事なく交換する事が出来る。それは、合意された条件が満たされると、自動的に行動を起こさせる「スマート契約」を可能にする。 

 

航空業界でブロックチェーンの使われる可能性としては、旅客や運航のデータ、常顧客プログラム、バゲージ追跡、MRO(整備、修理、オーバーホール)、セキュリティ、そして流通システムなどの分野が考えられる。 

 

概要

 

l    IATAの財務決済システムは、年間77億米ドルの料金を金融機関に渡して居る;理論的にはブロックチェーンはこの額を減らす事ができる。 

l    ブロックチェーンは、公開された、配布される台帳であり半永久的に、証明可能な数々の処理を確かな方法で記録するものである。それは「スマート契約」を可能にする。 

l    ブロックチェーン・テクノロジーとしては、ビットコインが最初で、最もよく知られたアプリである。直接ビットコインを使えるエアラインはまだ数少ないが、幾つかの仲介業者では使える。 

l    ビットコインの先に、航空業界のアプリとしては、旅客や運航のデータ、常顧客プログラム、バゲージ追跡、MRO(整備、修理、オーバーホール)、セキュリティそして流通システムを取り込める可能性がある。 

l    ブロックチェーンの完全な変身の能力が利用できるまでには、まだ何年もかかるだろうが、幾つかのエアラインや業界が既にその使用について調査を始めて居る。 

 

ブロックチェーンは、公開された、配布される台帳 

 

ブロックチェーンの主要な要素は、半永久的に、証明可能な、数々の処理を記録できる、公開された、配布される台帳であるというものだ。情報は一つ一つがその履歴(チェーン)を収納した、ブロックの中に貯蔵され、全ての参加者に対して、真偽が証明され、目で見る事の出来るものだ。

 

中央にデータベースや台帳や処理の記録が存在するのでは無く、ブロックチェーン上の全ての人が、全ての記録とデータベースの完全な履歴にアクセスする事が出来るのだ。 

参加者一人一人が、仲介者や「信頼できる第3者」の介在無しで、集合的に処理の真偽を証明出来る。

 

コミュニケーションは、中央の結節点(node)を通じてでは無く、ネットワーク上の当事者間で直接行われ、全ての処理はシステムにアクセスできる全ての人の目に見える。

 

それは安全確実である。。。

 

各ユーザーは独自の英数字のIDを持ち、匿名のままでも良いし(より正確には、ほぼ匿名)、又自分の氏素性を明示する事も可能。

 

データベースに記入された処理は、全て直前の処理の繋がりに結びつけられるので、書き変える事が出来ない。演算上の問題が起きたら、全ての参加者が、一つ一つの処理を確認する事で解決しなくてはならないので、システムが極めて安全確実で、ハッキングされる危険が低くなる。.

 

..そして、「スマート契約」が可能になる

 

ブロックチェーン・テクノロジーの、更に重要な特長は、当事者間で合意された内容に従い、台帳を自動的に処理する引き金を引く様に設計する事が可能な事だ。 

 

これは、合意された条件が充たされた後に、ある行為が自動的に始動する、所謂「スマート契約」の基礎になるものだ。例えば、商品やサービスに対する支払いは、第3者が確認したり、催促したりする必要無しに、顧客に届くと同時に、自動的に処理の引き金が引かれる様にする事も可能である。

 

ビットコインは、最初で、最も知られたブロックチェーンテクノロジーのアプリである

 

ブロックチェーンの最初のアプリは、既に 2009年から取引されて居る、仮想ディジタル通貨、又は暗号通貨、ビットコインである。それは、2008年10月にこれに関する文書を発表した、サトシ・ナカモトと言う、無名の人物或はグループにより創り出された。 

 

従来の伝統的な通貨と違い、ビットコインは、それを発行する、中心となる権威が有る訳でなく、資金の移動や、処理を確認するのに、銀行の様な第3者に頼る必要が無い。 

 

ビットコインを使った処理の量から言えば、世界の伝統的な通貨に比べ、まだ小さいが、急速に成長して居る。2017年、ビットコインによる取引と暗号通貨の価値は特に目覚ましく増加し、多くの人がバブルが発生して、遠からずはじけるだろうと示唆して居る。この不安定さから、最終的にはシステムの構成単位としては不適当とされるかも知れない。 

 

「ブロックチェーン」と言う会社が、ビットコイン財布の新生企業で、ベンチャーキャピタル企業のレークスター及び、リチャードブランソン卿とグーグルの投資部門であるGVなどの他の投資家に支援されて居る。 

 

「ブロックチェーン社」に依れば、ビットコイン通貨の価格は2016年12月31日の960米ドルから、2017年11月22日に8,268米ドルへと、761%上昇した。この同じ期間の毎日のビットコイン取引の推定週間平均米ドル価格は567%伸びて、19億米ドルとなった。次いで翌週にビットコインの価格は更に1,000米ドル上昇した。

 

現在、1,900万以上のビットコイン財布が存在し、毎日の処理回数は32万5,000回になって居る。ビットコインの時価総額は1,380億米ドル以上となった。 

 

毎日のビットコインの処理額(米ドル、推定値)=黒線とビットコインの価格(米ドル)=青線:2013年~2017年

 

Source: CAPA - Centre for Aviation, Blockchain.

  

ビットコインを直接受け取るエアラインは未だ僅か

 

エアバルティックは、2014年7月に世界で最初にビットコインを受け付けるエアラインとなった。このラトビアのハイブリッドLCCは受け取ったビットコインを中心相場の為替レートで、毎日ユーロに変え、事実上為替リスクを避けながら、顧客に対しては、ユーロか、自国通貨でリファンドをして居る。

  

エアバルティックのCEOは、最近CAPAに対して、同社はこの決断をした時に、大きな国際的メディア露出があった事から恩恵を得たと語って居る。彼は、同社のビットコインの収入は「とても少ない」事を認めたが、「機能して居るし、いつでも他の暗号通貨を統合出来る」と付け加えた。 

 

LOTポーランド航空は20015年8月からビットコインを受け付けて来たが、2017年5月ピーチ・アビエーションが、日本で最初にビットコインによる支払いを直接受け付けるエアラインになる計画だと発表した。これは日本の法制が、暗号通貨を合法的な支払い手段として認める法改正がなされたことを受けたものだ。

  

2017年7月まで、日本では、取引の中でのビットコインの購入に、8%の消費税がかけられて居た。ピーチは、現在凡そ26万の小売店がビットコインを受け付けて居る、日本の各地方自治体及び企業と協働する事を計画して居る。

  

正確に何社かのデータは、今すぐに得られないが、他にもビットコインの直接支払いを受け付けて居るエアラインがある。 

 

更に多くのエアラインが、仲介者を通じて、ビットコインを受け付けて居る

 

更に多くのエアラインが、仲介者を通じて、間接的にビットコインを受け付けて居る。 

 

2015年に、主要エアラインが所有する、エアラインの支払いネットワークであるUATPは、ビットコインの処理会社ビットネット(その後、クラウドベースの金融プラットホームであるアップホールドが買収)との提携を通じて、ビットコインでの支払いを受け付ける可能性を提案した。然し、UATPの社長でCEO、会長でもあるラルフ・カイザーは、2017年10月、ACTE -CAPA世界サミットで、UATPは、ビットコインによる支払いを勧めて居るけれど、それを使うエアラインはとても少ないと語って居る。 

 

これに加えて、エアライン(そしてホテルやレンタカーなど、その他の旅行関連予約)のサービスを提供して、ビットコインで支払い可能なオンライントラベルエージェントがある。 

 

これらには、2014年からビットコインを受け付けて居る、旅行業界の巨人エクスペディア、そして、カリフォルニアを本拠とする、チープエア、ニューヨークが本拠地のBTCトリップ、フリューゲ.com、アビツキーとデスティニアなどのより小規模な組織がある。 

 

これらの仲介業者のいくつかは、ビットコインを彼らへの支払い方法の中の一つの選択肢として加えて居る所もあるが、その他は、ビットコインも他の暗号通貨も使って居るに過ぎない(例えば、BTCトリップは、ライトコインも受け付ける)。 

 

エアラインの予約にビットコインを使う例は、当面、少ないままだろう

 

エアラインの切符に対するビットコイン支払いを、早くから取り入れた人々の存在にも関わらず、エキスパート達は、暗号通貨を使った航空旅行は、当面少数のままだろうと考えて居る。 

 

2017年10月のACTE-CAPA世界サミットで語った、トラベルポートの世界販売、支払い部門のトップであるジョン・ハリスは、これから5年以内に全ての旅客が、フライトをビットコインで買う姿は、想像できないと言って居る。「多分、50」彼は付け加えて言う。「だが、メリットは、買い手にでは無く、主に売り手にある。」 

 

ブロックチェーン・テクノロジーには、その他にも多くのアプリがあり得る

 

ビットコインは、ブロックチェーンのアプリの中で最も良く知られたものだが、決して唯一のものでは無い。 

 

ブロックチェーン・テクノロジーが可能にするスマート契約は、暗号通貨による支払いの更に先にある、このテクノロジーによる幅広い範囲のアプリを使う事が出来る。 

 

ブロックチェーンを使ったスマート契約は、仲介者抜きで、信用を創造する事が出来る。これらのアプリは、経済全体を通じてその用途が見出せるだろう。

 

ブロックチェーン・テクノロジーは、既に、投票、著作権料の徴収、統治、医療データの貯蔵、そして送電網の管理など膨大な範囲の活動に使えるアプリを見出して居る。 

 

また、それは、銀行、保険、サプライチェーンの管理、ライドシェア、クラウドストレージ、健康管理、社会福祉、クラウドファンディング、そして、慈善事業では寄付の追跡の様な分野で、大きな潜在能力を秘めて居る。 

 

ブロックチェーンには、航空業界で使用可能な、多くのアプリがある

 

ルフトハンザ・インダストリー・ソリューション(グループのコンサルティング部門)は、航空業界に於いて可能性のあるアプリを評価検討するプロジェクトである「航空業界のブロックチェーン」(BC4A)を立ち上げた。 

 

それが、ソフトウエア開発業者、機体製造業者、エンジン製造業者、MROサービス業者、貨物輸送業者、リース業者そして管理当局を一堂に集めようとして居る。エアフランス-KLMもまたテクノロジーの利用可能性、特に整備工程の改善のため、研究を始めて居る。 

 

航空業界でも、他の業界と同様、ブロックチェーン・テクノロジーは、唯一の「真実の源」(現在の業界流の決まり文句で言えば)から恩恵を受けられるあらゆるものに対するアプリを持って居るのだ。これは、実質的に信用という支えに依存した、伝統的で、制度的なシステムにとって代わるものだ。ここでは、チェーンの中の全ては目に見え、証明され、そして改変する事が出来ないので、信用は必要で無くなる。 

 

考えられるアプリ:旅客及び運航データ

 

料金支払いに加え、利用方法には、全ての関係者(エアライアン従業員、空港従業員、地上ハンドリング業者、セキュリティ担当者、そして旅客)が現在の旅客やフライト、そして遅延状況に関するデータに対して同一のアクセス方法を持つ事が保証される、旅客及び運航データの収集とアップデートの様な領域などが含まれる。 

 

SITAの調査部門であるSITA Labは、一元的なフライトの状況データの供給について調査するために、ヒースロー空港、IAG、ジュネーブ空港及びマイアミ国際空港と合同で「フライトチェーン」と言う名のプロジェクトを立ち上げた。

 

「フライトチェーン」はリアルタイムの飛行データ提供の為に、共同管理と向上した信用により、信頼できる唯一の情報源となり得るブロックチェーンが役立つことを証明して居るのだが、テクノロジーのライフサイクルとしては、未だに時期尚早である事も理解して居る。 

 

エアバルティックのガウス氏は、「旅行には、このテクノロジーで工程をスピードアップし、より安価にする事が出来る多くの分野がある」と考えて居る。例えば、PNR(旅客氏名の記録)をブロックチェーンで持つと有効だろうとCAPAに語って居る。 

 

2017年11月に伝統的エアラインのITシステムの問題を検証したCAPAのレポートが概説した様に、各社の顧客データには共通性が無く、必ずしも利用者によって、適宜そして同時にアップデートされて居ない。ブロックチェーン・テクノロジーによって配布され、安全確実な台帳は、業界にとって非常に大きな、データ整合の必要性に応えられるかも知れない 

 

<関連記事参照> 伝統的エアラインのITシステム問題、IAGに依れば=共通性欠如、複雑、高コスト、注文中心主義 16-Nov-2017

  

その他の可能性あるアプリ:常顧客プログラム、手荷物・貨物の追跡、セキュリティ、そして人物認証

  

もう一つの分野は、ブロックチェーンが種々のソースからのポイント獲得やそのポイントの使用、(やはり暗号通貨を入れてある一つのデジタルな財布を使うことも出来る)を容易にする、常顧客プログラムである。 

 

またエアラインはサプライヤーへの支払い、そして手荷物や貨物の追跡にもブロックチェーンを使う事が出来るだろう。 

 

MRO(整備、修理、オーバーホール)を提供する業者では、ブロックチェーンが、航空機やエンジンの整備に不可欠な膨大なデータの大群に対する、現行システムに比べ、より信頼性の高い、そしてより安価な方法で、共通で安全確実で、アップデートされたアクセスを提供できる可能性がある。製造者からのアップデートされたデータ、そして証明可能な文書を、エアラインやMROサービス提供業者は、関係者全体で共有する事が出来るかも知れない。 

 

ブロックチェーンの、信頼性の高い人物認証の概念は、セキュリティと人物認証の分野でのアプリを生み出す可能性がある。 

 

ドバイ空港では、ドバイ政府がオブジェクトテック社と契約した事を受けて、ブロックチェーンと生体識別のテクノロジーを使った、ゲートの無い国境を作ろうとして居る。これは、生体識別認証と事前承認型デジタルパスポートのお陰で、旅客は飛行機から直接、手荷物引き取り場に行く事が出来るというものだ。理論的には、この方法は世界中の業界を通じて採用できるものだ。 

 

IAGは、同社がデジタル人物認証の分野で、ハンガー51デジタル化推進プログラムを通じて資本を投入したVチェーンテック社と、協働して居る。Vチェーンテック社は、旅客が乗継便を使う際には、各エアラインがデータを安全に、確実に共有する事を支援するため、ブロックチェーン・テクノロジーを使ってSaaS(サービスとしてのソフトウエア)を開発して居る。 

 

流通は、航空業界でブロックチェーンを最も変身可能な形で使用する分野になり得る

 

多分、航空業界でブロックチェーンを最も変身可能な形で使用するのは流通の分野かも知れない。 

 

ブロックチェーン・テクノロジーは、中間段階の排除を促し、「仲介人を切り捨てる」のを助ける事が出来るかも知れず、これにより流通のコストを下げるのだ。例え中間業者を完全に除去できなくても、工程のスリム化を助ける事は可能だろう。 

 

ロシアのエアライン、S7は、エアラインと旅行代理店の決済の時間を削るために、ブロックチェーンを使った航空券の発行を開始した。ブロックチェーンを使った航空券はエアラインや承認された取引相手や代理人がリアルタイムで、どこからでも、誰に対しても売る事が出来る可能性を切り開く事になる。 

 

ルフトハンザグループとその他幾つかのエアラインは、オープンソースのブロックチェーンテクノロジーを使い、B2B顧客に対して旅行コストを下げ、提供する側の収益性を向上させる狙いを持った旅行業界の流通プラットホームである、ワインディング・ツリーと協力して居る。 

 

ワインディング・ツリーのプラットホームは、旅行の提供者の在庫に直接アクセスする事を可能にし、ブロックチェーンテクノロジーを使って予約する事を出来る様にする。これはまた新たな種々のアプリを使って、更に多くの個性化した提案を可能にする。 

 

公開されたAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)との組み合わせで、ルフトハンザは、分散型の市場現場を通して、多くの革新的な開発者たちと、そのアプリに接したいと望んで居る。ワインディング・ツリーは、初期開発費用を調達するために、独自の暗号通貨Lifの販売を開始した。ルフトハンザはこの販売に参加する計画である。 

 

<関連記事参照>エアラインの流通システムに於けるAPIチャンネル=貴方がいつも知りたくて尋くのが怖かった事 21-Nov-2017

 

ブロックチェーンの変身可能な潜在力がフルに発揮されるのは何十年も先だろう、が今や始める時だ

 

2017年に発表された「エアライン業界の将来2035」と題するIATAのレポートは、広範なテクノロジーとその他の仲介者についての変化を検証し、より広く経済と航空業界に与える、有り得べき影響について論じて居る。 

 

そこには、ブロックチェーン・テクノロジーとその派生物は、金融や法的分野を「経済の摩擦を減少させ、伝統的な銀行やその他の金融組織を素通りし、民主化する手法」で、改革する能力を秘めて居ると述べて居る。 

 

この影響は航空業界に関する限り、未だ初期段階である。IATAはブロックチェーンの様なテクノロジーを如何に利用し、関連するリスクを管理するかを検証しようとして居る。エアライン業界の組織は、ブロックチェーンが航空界の価値連鎖の再調整の為に演じ得る役割について、調査する事に関心を持って居る。 

 

一つの現存する課題としては、エアライン業界は、ブロックチェーンやその他の新しいテクノロジーを充分に活用出来るように、まず、全てのデータのディジタル化を徹底しなければならない。 

 

規制というものもまた、予測不能だが多分急速な、進歩と歩調を合わせる必要のある分野である。

「ハーバード ビジネスレビュー」の2017年1月~2月号の記事では、ブロックチェーンを破壊的なテクノロジーでは無く、基盤を作るものと表現して居る。 

 

破壊的なテクノロジーが、伝統的なビジネスモデルを、低コストという解決策で攻撃して急速に取って代わる可能性を持って居るのに対し、基礎を作るテクノロジーは、経済、社会システムのために新たな基盤を創出する可能性を秘めて居る。影響は非常に大きい可能性があるが、変化への効果が充分に定着するためには何十年もかかるだろう。 

 

航空業界の経営者たちにとっては、潜在能力は巨大であり、彼らの組織にブロックチェーンを教育し始めるのは正に、今なのである。 

 

Blockchain: potentially transformative technology that could help rebalance the aviation value chain

 

 

 

 

 

海外事情

 

6 10 日から 21 日までの 2 週間のオンライン旅行流通に関係する海外主要記 事です。
この号では、「3. OTA エアビーとレートパリティー」に注目したいと思います。 Airbnb がホームシェアに加えてホテルまで販売するとなると、
泊とホテルが 一つのプラットフォーム上で横並びにリストされることになり、タイプの異な る施設同士の価格比較が難しくなって、レートパリティーの維持が困難になる と言っている・・・と理解しました。しかし「(Airbnb では)、ゲストが施設の 真のコストを判断できない不明瞭なプライシングの環境が存在する」とはイマ イチ良く理解できませんでした。Airbnb が最近導入したホストオンリーのコミ ッションモデルであれば、OTA のモデルと近似するのですから、そんなことに はならない、のではないでしょうか?
 

 

Airbnb が上場して・・・顧客獲得コストが上昇・・・ホテルの直販志向を強 くさせることになるが・・・一方でパリティー破りの悪役である格安販売のホテ ルオンリーの業者が増加するデメリットも存在する」とも言っています。しか し、ホテルにとっては、Airbnb のホテル販売開始によってチャネルがそれだけ 増えるので(OTA の中抜きのチャンスが生じるので)良いことである、と考え るのは間違っているのでしょうか?ホテルオンリーのパリティー破りは、 Airbnb とは関係のない別の次元の話では。「Airbnb のコミッションが、将来値 上げされる可能性もある」と言っていますが、EXPEBKNG との対抗上、こ の大手 OTA2社を上回ることにはならないのではないでしょうか。Airbnb の 多角化戦略は、「焦点が合っておらず・・・会社(Airbnb)は衰退する可能性が ある」とも言っていますが、ホームシェアからホテル販売を開始して、OTAHotelTonight を買収し、OYO に投資し、そしてタビナカの Experiences プロダ クトを開発して EXPEBKNG に競争を挑むのは、まさに Airbnb総合旅行 会社になるという大いなる経営ビジョンであると考えるべきだと思います。 この記事の著者(OTA Insight, Chief Commercial Officer)は、Airbnb に対して かなり否定的であるようです。中小の独立ホテルにとっては、そもそもパリティ ーに縛られたくない筈ですから、Airbnb がパリティー維持を困難にしてくれる というのであれば、これは歓迎すべきことではないのでしょうか。最後に「ホテ ルは、ますます複雑化する流通を制御することができない。ゲストが他では取得 できない並外れたエクスペリエンスを提供することに最善を尽くし続ける必要 がある」については全く同感です。 

 

恒例のメアリー・ミーカーの「インターネット・トレンド 2019」が発表されま した。「12. メアリー・ミーカー、インターネット・トレンド発表」
この 333 枚のスライドでは、日本の企業は Sumitomo MitsuiLINEMIXI の たったの3社が言及されているに過ぎません。中国は独立した章(11China) で 30 ページ以上が割かれています。日本のインターネットテクノロジーの弱さ が見て取れて、とっても悲しいことです。(編集人)