CAPA分析特別号 2016年一覧

  1. 12月11日 特別号⑱ ライアンエア:デジタル分野の成功で、付帯サービス収入目標を30%に引き上げ=航空旅行のアマゾンになる
  2. 11月15日 特別号⑰ トランプ大統領と米国航空界=保護主義へ逆行の可能性大
  3. 11月8日 特別号⑯ フィリピン–中国間航空便拡大、フィリピンの中国人観光を押し上げ=ドゥテルテが馬を乗り換える中で
  4. 10月15日 特別号⑮ ANA:A380を戦略的にホノルルに振り向ける=路線網の核心としての決断ではない
  5. 8月31日 特別号⑭ 中国-日本の航空界:LCCピーチ、ジェットスター・ジャパンが乗入れ権取得=供給過剰の懸念が起こる
  6. 7月27日 特別号⑬ バニラエア、「第5の自由」輸送の基地、台北に開設=東南アジアで最初の日本の大手LCCとなる
  7. 7月22日 特別号⑫ 長距離LCCが優勢に:スクート2017年に欧州線開設へ=世界一長いLCC路線
  8. 7月6日 特別号⑪ 英国のEU離脱と航空業界 第1部
  9. 6月29日 特別号⑩ 東南アジアのLCCモデル、進化する=展望は依然明るいが、成長が鈍化して
  10. 5月29日 特別号⑨ 台湾のLCC、タイガーエアとVエア、日本路線の拡大に焦点=他市場を育てながら
  11. 4月30日 特別号⑧ 日本の観光業界、目標を倍増=エアラインは供給を落としたが、長距離路線が焦点
  12. 4月15日 特別号⑦ アラスカエア・グループ-バージン・アメリカ=アラスカは米国市場のシェア拡大の為にデレバレッジへ
  13. 4月9日 特別号⑥ JALとエアアジアの提携=東南アジアでJALがANAに追い付くのに役立つ可能性あり
  14. 3月30日 特別号⑤ キャセイパシフィックの2015年収益=10億米ドルの燃油ヘッジ損が戦略的な弱さを覆い隠す
  15. 2月25日 特別号 遅れていた羽田発着枠交渉、合意に至る=デルタの反対がアメリカンとユナイテッドを結束させて
  16. 2月10日 特別号③ ユナイテッド航空のアジア戦略=シンガポール-米国市場はシンガポール-サンフランシスコ直航で進化
  17. 2月1日 特別号② デルタ航空の「俺の道以外はダメな道」的姿勢が米国と日本の利益を危うくする=羽田便の交渉に於いて
  18. 1月10日 特別号① ユナイテッド航空、政府の補助金を失い、ドバイを去る=2016年、米国ー湾岸間市場は12%の成長

海外事情

海外事情12月9日号 

 

 

2つのIATA NDC標準に関する記事「3.(TJ) NDC進展も課題山積み」、「16. 航空会社の3つのテクノロジートレンド」が有った。3.(TJ) の記事は、NDCは安定的に進展しているものの、乗り越えなければならないハードルがまだまだ存在すると述べている。その反対に16.の記事は、開発進展状況は計画通り順調だと述べている。後者は、IATAが主催した航空会社リテーリングシンポジウムに関する記事のため、多分にIATA寄りになっていると思われる。4.がより正確に実態を表しているのだろう。「技術的な問題よりも“人と金と政治”(people, money, politics)の問題が進展を阻んでいる」と言っている。NDC APIで接続して流通経費をできるだけ削減したい航空会社と、反対していたNDC に今では積極的に対応して、新たに登場したアグレゲータとの競争に勝利するためと、航空会社に“中抜き”させないための両方で頑張っているGDSとの、これからのせめぎわいが激しくなるだろう。

 

 

 

グロバールOTAの第3四半期決算で、EXPE22%大幅減益となった「9. エクスペディア 3Q 減益」。その反対にBKNG10%増益した「15. ブッキング3Q、増収増益達成」。どちらもnet incomeベースだ。EXPEの減益は、GoogleSEOに関するアルゴリズム変更が影響しているという。BKNGは、このチャネル規模がそんなに大きくなく影響が軽微であったという。TRIP3Qも減収減益となった「12. トリアド、トリップ・コムと中国合弁設立」。TripAdvisorブランドホテル収入が、Google自身のホテルプロダクト検索増加が原因で14%減少したのだ。Googleの旅行領域参入がますます本格化しているようだ。

 

117日、3社の株価は、EXPE27%BKNG8%TRIP22%、と値を下げた。市場は、オンライン旅行市場におけるOTAの今後の競争力維持を懸念しているのだろうか。OTAは、サプライヤー直販拡大はもとより、Airbnbなどの新たな販売モデルの台頭やGoogleなどのグローバルプラットフォーマーとの競争激化に直面している。(編集人)

 

 

 

今週号では、「7. アゴダの多角化戦略」、「8. ブッキング、民泊の新戦略」、「13.ブッキング、法人旅行テックプロバイダー買収」、「15. ブッキング、配車アプリのグラブと提携促進」と、BKNGの関連ニュースが4つもあった。BKNGの「Connected Travel」戦略の遂行が進んでいる。BKNGの場合は、Internet of Things (IoT)が、Internet of Travel (IoT)と読み替えているように感じられる? 

 

それよりも、3つの記事が印象深い。「10. 本当のディスラプション」、「22. ソーシャルメディアと旅行」、「24. 東南アジア市場の2つの問題、OYOとインスタ」の3つだ。

 

10. 本当のディスラプション」では、ディスラプティブのプロダクトは、必ずしも既存企業よりも良いわけではなく、今まで既存企業が不経済なために手を出さなかったサービスのニーズに取り組んだか、以前は特定できなかったニーズのいずれかであると説いている。そして、ディスラプティブを起こしているのは、テクノロジーでなくて、創造性を発揮したクリエイティブなモデルであることを再確認させてくれた。

 

22. ソーシャルメディアと旅行」は、旅行とソーシャルメディアの相性が抜群に良く、旅行業界がソーシャルメディアを誰よりもうまく使っていると言っている。ソーシャルメディは、人と人の繋がりをインターネットで補完するコミュニーケーションサービスなのだから、顧客とのエンゲージメントに優れているのは当たり前だ。これを上手に使っていないとすれば問題だ。

24. 東南アジアの2つの問題、OYOとインスタ」は、この地区における観光公害の実態を報告している。オンライン旅行ガイドTravelfishStuart McDonaldが、過去15年間で悪化している観光公害の実態を、歯に衣着せずのタッチで断罪している。(編集人)