中国のエアライン、太平洋横断路線で米国社を追い越す =大きなジレンマ:米中オープンスカイ?  (訂正版)

当分析は、CAPAが5月4日に発表した


 Chinese airlines overtake US carriers across the Pacific. The big dilemma: US-China open skies? 

 

をJAMRが翻訳したものです。

4-May-2015 1:02 PM

 

 

427日、28日の両日ラスベガスで開催された、「CAPA米州航空サミット」には、2つの大きなテーマがあった。先ず第1にいくつかの米国エアラインが、米国とのオープンスカイ協定の下で運航する湾岸のエアラインと競争する上で抱く強烈な懸念である。

 

2は、更により長期的に重要な問題、中国のエアラインの国際的な成長にとって、北米大陸、特に米国が如何に重要かと言うものだった。中国国際航空の副社長、北米支配人のDr Zhihang Chi(池志航博士)は中米間の航空路線を「目の前にぶら下がった果実」と呼び、一方、つい最近、殆どを米国線に使用する予定の787-930機購入する意思表明をした海南航空のHou Wei(侯)副社長は、北米は海南にとって最大の商機であると言って居る。2つのテーマは、別々の様に見えるかも知れないが、互いに入り混じって来て居る。

 

長年に亘って、米国は、オープンスカイを追求して来たが、一方、中国は、(中国のエアラインは米国のそれより小さい)ずっと段階的な拡大を求めて居た。然し今や、テーブルはぐるりと回って居る。2015年の夏、米国と中国の間の路線で、史上初めて、中国のエアラインが、米国の競争相手より大きくなろうとして居るのだ。事態の急展開と、明らかに更なる拡大が続く見通しから、米国のエアラインは、湾岸エアラインで味わっている経験を連想して居る。

 

2国間協定の新たな交渉時期が近づくに連れ、米国のエアラインは、もはや中国にオープンスカイを求めず、自由化の魔人には瓶の中に残ってもらい、外国エアラインのこれ以上の乱入を防ぐ事を願って居る。消費者、旅行業界団体、そして米国政府には新たな戦いが迫って居るかも知れない。

 

 

中国のエアラインが中国=米国市場で米国の他社を追い越す

 

中国のエアラインは、中国国際、中国東方、中国南方、そして海南の各社が、北半球の夏の旅行ピークシーズンに当たる、第3四半期(201571日~930日)に、米国=中国間の路線に、併せて週間2,028便を運航し、米国の同業他社を追い越す事になった。これに比べて、米国のエアラインは1,853便である。

 

CAPAOAGのデータに依れば、中国のエアラインは便数で9.4%、席数で14.5%、米国エアアインより多く供給する事になる。この数字は、更に変わるかも知れない。海南航空は、未だに予約が出来ないためにデータから外された、長沙=ロサンゼルス線を週2便で開設すると発表して居るのだ。

 

この変化は、米国エアラインが、米国から中国に、中国のエアラインが米国に飛ばす便の倍の便を飛ばしていた2011年に比べて、大きな振り子の揺れである。

 

中国エアラインと米国エアラインの、米国=中国間路線の週間便数:第3四半期(2005年~2015年)

 

Source: CAPA - Centre for Aviation and OAG

 

中国エアラインの供給は、米国エアラインより季節変動的

 

中国エアラインの供給は米国エアラインのそれに比べ、より大きな変動がある。中国エアラインはピークシーズンには米国社に比べ大きくなるが、オフシーズンには小さくなる。然し、2015年の下期は、中国社は全期間で米国社を超える。

米国=中国間路線の、中国エアラインと米国エアラインの週間便数:2015年上期

Source: CAPA - Centre for Aviation and OAG

 

中国のエアラインは、2015年は週間90100便でスタートしたが、今のところ122便で終わるだろう。米国のエアラインは、2015年は週間116便でスタートし、期末には125132便となる予定で、中国各社の伸びより小さく終わると見られる。中国各社は2015年の拡大を2016年も継続するので、結局、年間を通じた供給は米国社の中国への供給より大きくなる筈だ。

20154月のデータに基づいて見ると、2015年、米国社は年間で、中国の各社より、約4%多い便を運航する計画なのだが、1年を通じて行われる中国各社の供給拡大がこのバランスを変える可能性があるのだ。

 

中国エアラインは、より大きな地元市場を持ち、加えて、巨大な後背地がある

 

中国のエアラインは、その規模など、多くの潜在的に有利な点を持って居る。米国の3億人に比べて、彼らは13億人の市場からやって来る。旅行性向は米国の方が大きいだろうが、中国も急速に拡大して居る。

 

かつては中国国際の中国=米国間路線の座席の80%は米国内で売られていたが、今や50:50になって居る

 

中国国際は、このビジネスチャンスを強調して居る。池博士はCAPAの「米州航空サミット」で、かつては中国国際の中国=米国間路線の座席の80%は米国内で売られていたが、今や50:50になって居る。そして池志航博士は、この比率は中国が伸びて60%に増えると予想して居る。米国は中国国民に対するビザ手続きを一歩進めて、今は10年のビザ取得が可能になった。米国政府は2013年の150万人から増えて、2014年には、180万人に非移民のビザを発給して居る。10年ビザの開始後の2014年遅くから、2015年始めにかけて、発給数は68%増加したと言う。

 

彼ら自身の地元市場に加え、中国エアライン各社は中国からの第6の自由の輸送をアジア各地に拡大して居る。 これは、米国エアラインが米国以遠で狙えるものに比べ、遥かに、人口稠密な後背地域である。中国国際は米国=中国=インドの旅客の流れを考えて居て、時とともに、中国エアラインはより強力な第6の自由の担い手となるだろう。

 

中国大陸の国民に対する非移民米国ビザ発給数:2003年~2014

Source: CAPA - Centre for Aviation and Department of State

 

 

海南航空は787-930機購入し、ほぼ全て北米線に投入、一方、中国東方の発注した20機の777300ERの殆どは北米線に使われる予定

 

中国への米国エアラインの成長には限界がある様で、依然として国内線の運航に集中して居り、にも関わらず、中国のエアラインは拡大を進め、更なる拡大を計画して居る。海南航空は787-930機購入し、ほぼ全て北米線に投入、一方、中国東方の発注した20機の777300ERの殆どは北米線に使われる予定だ。

 

<関連記事参照>

海南航空、787−9を30機発注、太平洋横断路線の拡大を強調=成長には提携が必要 30-Mar-2015 5:45 PM

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23-Feb-2015 12:19 PM

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中国のエアライン、航空同盟の外に企業提携を組む:サウスウエスト航空にとってはチャンス?

 

米国のエアラインが彼らの長距離路線市場を守る一手段として取って居るのが、ゲートウエイの便の裏で、米国エアラインに有利になる様、提携相手に、高いインターライン料金やコードシェア料率を課することだ。然し、外国エアラインは、多くはジェットブルーとまたバージン・アメリカなどの航空同盟に加盟して居ないエアラインと提携する事で、部分的にこれを逃れて来て居る。これらの米国エアラインは自分自身の長距離路線網を持たないために、守るべきものは何も無い;そして、送られてくる旅客はどんどん増えて居り、概して収益性がある。

 

池博士は、中国国際はサウスウエスト航空と組みたいと思って居たが、サウスウエストの伝統的なITシステムは、インターライニングさえ出来ないので、提携は未だ出来て居ないと言って居る。(これはサウスウエストがアマデウスとの接続の準備をして居る事から、変わる可能性がある。)

 

中国国際とサウスウエストの提携が始まるとすれば、明らかに中国国際が毎日3便まで飛ばして居る、北米最大の拠点であるロサンゼルスだろう。ロサンゼルスは、サウスウエストの10番目に大きなハブである。サウスウエストは、ロサンゼルスから第4番目に大きな国内路線網を持って居り、ロサンゼルスに飛んで居る外国社にとっては、ニューヨークでのジェットブルーと同様に機能する可能性がある。

 

サウスウエスト航空の供給席数別 10大ハブ/基地/事業所/拠点都市:2015427日〜201553

中国東方は最近、デルタが歓迎しなかった提携をバージン・アメリカと成立させて居る。

 

米国のエアラインは、中国で同様の事が可能だろうか?確かに、春秋航空、吉祥航空など、より広範なインターライニングやコードシェアを望んで居る独立系のエアラインもある。然し、彼らの発展は緩やかで、ごく近い将来には、米国エアラインの要求レベルに合致しないかも知れ無い。

 

米国にはサウスウエストやジェットブルー、そしてバージン・アメリカと言った、真に独立のエアラインがある。然し、中国では国内線の供給席数の75%は中国国際、中国東方、中国南方、海南の4大エアライン・グループのうちのどれかに結びついて居る。この事が、路線網を横断した提携相手を見出だすのを困難にして居る。また、春秋も吉祥も同じ上海が本拠地である。

 

2014年、米国に路線を持つ中国のエアライン4社は、11億ドルの補助金を貰って居る

 

中国のエアラインの幾つかが、長距離路線の拡大に、中国地方政府の財政援助を受けている事は、秘密でもなんでも無い。これは、世界中でよくある路線開設奨励金などを超えた金額だ。この補助金が無ければ、中国エアラインの幾つかの太平洋横断路線は、単純に存在しなかっただろう。

 

米国のエアライン各社は2年間に及ぶ科学的調査の結果、過去に湾岸エアラインに与えられた42億ドルもの補助金を見つけ出したと主張して居る。米国線を開設した中国のエアライン4社を調べるのに、それほどの努力は不要だった:即ち、アニュアルレポートに堂々と、2014年に、彼らは合わせて11億ドル以上の金額を補助金や助成金として与えられたと述べて居る。

 

これには、中国国際が16,200万ドル、中国東方が5億8,900万ドル、中国南方が2億7,600万ドルそして海南が8,200万ドルが含まれて居る。特筆すべきは、補助金の大半である、86,500万ドルは、中国位東方と中国南方に与えられて居るが、その提携相手は湾岸エアラインに対する十字軍を率いて居るデルタだと言う事だ、

 

中国エアラインの補助金、助成金(USD)2014

Source: CAPA - Centre for Aviation and companies

 

補助金や助成金は、受領した補助金の72%は特定され無い路線補助金であると明言して居る海南の例を除けば明細が分からない。どのエアラインの補助金のいくら位が直接的、間接的に米国路線の為になって居るのかは不明である。これは、嫌疑のかけられた湾岸エアラインに対する補助金の付与も同様である。

 

また同様に、この補助金の一覧表に、全く無傷で近付いて来る者は一人も居無い。ユナイテッドは一体、サンフランシスコ=成都線の開設に、いくら補助金を貰って居るのか、問われるかも知れ無い。成都は、手厚い補助金プログラムで有名である。これに似て、デルタの提携相手である、エアフランスも、再度交渉がなされ、条件が非公開となる前には、パリ=武漢線の各便ごとに3万ユーロを貰ったと報じられて居る。

 

今は、米国のエアラインはこれらの事実を、大目に見て居るが、もし、彼らが中国のエアラインの拡大を制限したくなった場合、これを利用する可能性がある。ここに、浮かび上がるジレンマがあるのだ。

 

中国エアラインの拡大ーそしてオープンスカイーは米国の利益に

 

今のところ、米国=中国間のオープンスカイを転換させろという不平不満が公にされては居ないけれど、米国のエアラインが中国エアラインと、湾岸エアラインを同じ見方で見て居ると考えるのは難しくない。彼らには地理的な、路線網のそしてコストの利点がある。彼らは米国のエアラインより大きな規模を持つ様になるだろう。中国のエアラインが湾岸の各社と違うのは補助金をその通りの名前で記録し、彼らの財務諸表に明記して居る事だ。

 

湾岸の場合と異なり、米国のエアラインは中国での充分な供給が必要ではあるが、中国各社が米国の供給を望む程では無いと言う事だ。米国エアラインはまた、中国の提携先を必要として居る、即ち、中国エアラインの拡大を止めようとする努力は、湾岸の競争相手に対する程、性急で乱暴なものにはなり得無いという事だ。

 

過去にアジアで自由化を失速させた前例がある。即ち、アメリカンがデルタに対して、デルタはノースウエストから継承した、日本市場での優位性を失うからという理由で米国=日本間のオープンスカイをやめさせようとして居ると申し立てたのだ。米国と中国は2007年に完全自由化に向けて努力すると合意して居る。オープスカイ協定が形作られるのを阻もうとするのは、既に合意された協定を元に戻すより容易だろう。

 

湾岸諸国にとってと同様、中国とのオープンスカイは米国の利益になって居る。2014年に米国を訪れた中国人は対前年21%増の220万人になった。中国は米国を訪問する人数ではドイツやフランスよりも多く、世界で第6位の国となった。

 

中国人の米国訪問者(本土のみ):2008年〜2014

Source: CAPA - Centre for Aviation and US Office of Travel & Tourism Industries

 

Source: CAPA - Centre for Aviation and US Office of Travel & Tourism Industries

 

皮肉にも、米国からのオープンスカイの要求を撥ねつけたのは、中国のエアラインは米国のエアラインに蹂躙されてしまうと恐れた、中国のエアラインだった。今や浮かび上がる懸念は正反対のものだ。米国と中国の間のオープンスカイはATI(AirTransport International(貨物の)合弁事業も容認する。

デルタは、いつの日か、中国で合弁事業を開始する計画を話しているが、道のりは長い。中国と米国のエアラインの関係は緊張した、冷淡なものになるかも知れ無い。双方は長期の独立は提携するより良いかと考えて居るかも知れ無い。デルタは上海にハブを欲しいと思っても、上海の中国東方は同じ様には感じないかも知れない。

 

<関連記事参照>

デルタ航空の上海ハブ計画=アムステルダムーKLMの関係に倣うのは困難か 20-Apr-2015 12:31 PM


それぞれ米国と中国の市場は、市場を自分のものにしたいと思うだろう。然し、潜在的に、より大きな競争相手は、香港、日本、韓国に居る第6の自由運送権を使った仲介者である。地理的条件、コスト、二国間協定など様々な要素がその仲介者が中国=米国間の輸送の流れを拡大する能力を制限する事が考えられる。然し、彼らは、間違いなく中国=米国のエアライン間関係の弱みを突こうとするだろう。

 

米国のエアラインは、彼らの反湾岸エアラインキャンペーンの波(必然的に一時的なものだが)に乗り中国エアラインの拡大を制限しようとする可能性がある。或いは、反湾岸ロビー活動での敗北から、現実に引き戻されて、中国エアラインと如何により良い提携関係を築くかを探るかも知れ無い。

 

中国と米国ともに、拡大の増便枠を使い果たし、新たな航空交渉が必要になった時には、米国政府は、エアラインがどんな言辞を労そうとも、利用するエアラインには関係なく、米国への訪問客が増える事が国家の経済にはるかに大きく貢献する事を思い出すのは疑う余地が無い。米国政府はオープンスカイ政策をずっと支持しており、その論理構成は必然的にこれを維持する事を示唆して居る。

 

米国の大手エアライン、特にデルタにとって、大きなジレンマは、同社が大変お気に入りの、中立的機材による合弁事業を認可して貰う為にオープンスカイを盛り上げるのか、(これはオープンスカイの下でのみ可能)、或いは、将来の成長可能性を阻んで、より保護主義的な立場に逆戻りするのかどちらかである。

 

現状維持(湾岸エアラインに支持的立場)にも関わらず、中国とのオープンスカイ維持(補助金などを全て考え合わせても)は確かに、考えなくても分かる様に見える。

 

以上

海外事情

 

6 10 日から 21 日までの 2 週間のオンライン旅行流通に関係する海外主要記 事です。
この号では、「3. OTA エアビーとレートパリティー」に注目したいと思います。 Airbnb がホームシェアに加えてホテルまで販売するとなると、
泊とホテルが 一つのプラットフォーム上で横並びにリストされることになり、タイプの異な る施設同士の価格比較が難しくなって、レートパリティーの維持が困難になる と言っている・・・と理解しました。しかし「(Airbnb では)、ゲストが施設の 真のコストを判断できない不明瞭なプライシングの環境が存在する」とはイマ イチ良く理解できませんでした。Airbnb が最近導入したホストオンリーのコミ ッションモデルであれば、OTA のモデルと近似するのですから、そんなことに はならない、のではないでしょうか?
 

 

Airbnb が上場して・・・顧客獲得コストが上昇・・・ホテルの直販志向を強 くさせることになるが・・・一方でパリティー破りの悪役である格安販売のホテ ルオンリーの業者が増加するデメリットも存在する」とも言っています。しか し、ホテルにとっては、Airbnb のホテル販売開始によってチャネルがそれだけ 増えるので(OTA の中抜きのチャンスが生じるので)良いことである、と考え るのは間違っているのでしょうか?ホテルオンリーのパリティー破りは、 Airbnb とは関係のない別の次元の話では。「Airbnb のコミッションが、将来値 上げされる可能性もある」と言っていますが、EXPEBKNG との対抗上、こ の大手 OTA2社を上回ることにはならないのではないでしょうか。Airbnb の 多角化戦略は、「焦点が合っておらず・・・会社(Airbnb)は衰退する可能性が ある」とも言っていますが、ホームシェアからホテル販売を開始して、OTAHotelTonight を買収し、OYO に投資し、そしてタビナカの Experiences プロダ クトを開発して EXPEBKNG に競争を挑むのは、まさに Airbnb総合旅行 会社になるという大いなる経営ビジョンであると考えるべきだと思います。 この記事の著者(OTA Insight, Chief Commercial Officer)は、Airbnb に対して かなり否定的であるようです。中小の独立ホテルにとっては、そもそもパリティ ーに縛られたくない筈ですから、Airbnb がパリティー維持を困難にしてくれる というのであれば、これは歓迎すべきことではないのでしょうか。最後に「ホテ ルは、ますます複雑化する流通を制御することができない。ゲストが他では取得 できない並外れたエクスペリエンスを提供することに最善を尽くし続ける必要 がある」については全く同感です。 

 

恒例のメアリー・ミーカーの「インターネット・トレンド 2019」が発表されま した。「12. メアリー・ミーカー、インターネット・トレンド発表」
この 333 枚のスライドでは、日本の企業は Sumitomo MitsuiLINEMIXI の たったの3社が言及されているに過ぎません。中国は独立した章(11China) で 30 ページ以上が割かれています。日本のインターネットテクノロジーの弱さ が見て取れて、とっても悲しいことです。(編集人)