CAPA分析 特別号 東京羽田、成田の新滑走路 =これで日本が他のアジアのハブ空港に追いつく

当分析は、CAPAが619日に発表した

 

CAPA分析

 

航空業界は、税収や、監督権限を産み出す大事な乳牛であるとする欧州や米国政府の態度と際立った対照を見せる日本が、羽田と成田に新たな滑走路を作ろうとして居る事は、この国の政府の、航空業界は成長の原動力であるとする見方を更に固める事になる。これまで、いつもそうだった訳では無い。政府は以前、発着枠の少ない事を口実に、自国のエアラインを外国社の攻勢から守ろうとしていた。

 

しかし、最近の日本は多くの市場で(全てでは無いが)オープンスカイ政策に動いている。また、政府は国内線の低コストキャリアーを4つも(間もなく5つ)喜んで迎え入れている。日本は何年もの間、新滑走路の増設について議論して来ているものの、今回ほど真剣ではなかった。しかし、日本ではよくある事だが、また政治が絡んで来るのである。即ち、空域の再編成やその他の対策が、新滑走路を追加建設する必要性を打ち消してしまうかも知れないのだ。

羽田空港は、2013年実績の滑走路あたり発着数で、ジャカルタや広州、北京首都、香港の各空港の18万回~20万回に比べて、101千回と、最も低い滑走路稼働率を記録している空港のひとつなのだ。

東京は日本の傑出した国際線の玄関口であるが、つい最近まで、大半の国際線は成田に、羽田は殆ど国内線専用と、ずっと羽田と成田に運用が分断されていて、不利な立場にあった。羽田の第5の滑走路構想は、東京がアジアの他のハブ空港に追いつく様にと、主として国際線用である。この滑走路は2013年時点で1千万人である訪日外国人旅行客を2030年迄に3倍の3千万人にしようと言う、日本の野心的な目標を支えるものである。しかし、滑走路だけに焦点を絞るべきではない。今、種々の分野の規制を緩和する事が成果を齎す可能性がある。

 

 

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海外事情

 

今週号では、「7. アゴダの多角化戦略」、「8. ブッキング、民泊の新戦略」、「13.ブッキング、法人旅行テックプロバイダー買収」、「15. ブッキング、配車アプリのグラブと提携促進」と、BKNGの関連ニュースが4つもあった。BKNGの「Connected Travel」戦略の遂行が進んでいる。BKNGの場合は、Internet of Things (IoT)が、Internet of Travel (IoT)と読み替えているように感じられる? 

 

それよりも、3つの記事が印象深い。「10. 本当のディスラプション」、「22. ソーシャルメディアと旅行」、「24. 東南アジア市場の2つの問題、OYOとインスタ」の3つだ。

 

10. 本当のディスラプション」では、ディスラプティブのプロダクトは、必ずしも既存企業よりも良いわけではなく、今まで既存企業が不経済なために手を出さなかったサービスのニーズに取り組んだか、以前は特定できなかったニーズのいずれかであると説いている。そして、ディスラプティブを起こしているのは、テクノロジーでなくて、創造性を発揮したクリエイティブなモデルであることを再確認させてくれた。

 

22. ソーシャルメディアと旅行」は、旅行とソーシャルメディアの相性が抜群に良く、旅行業界がソーシャルメディアを誰よりもうまく使っていると言っている。ソーシャルメディは、人と人の繋がりをインターネットで補完するコミュニーケーションサービスなのだから、顧客とのエンゲージメントに優れているのは当たり前だ。これを上手に使っていないとすれば問題だ。

24. 東南アジアの2つの問題、OYOとインスタ」は、この地区における観光公害の実態を報告している。オンライン旅行ガイドTravelfishStuart McDonaldが、過去15年間で悪化している観光公害の実態を、歯に衣着せずのタッチで断罪している。(編集人)

海外事情12月9日号 

 

2つのIATA NDC標準に関する記事「4. NDC進捗状況」、「16. 航空会社の3つのテクノロジートレンド」が有った。4.の記事は、NDCは安定的に進展しているものの、乗り越えなければならないハードルがまだまだ存在すると述べている。その反対に16.の記事は、開発進展状況は計画通り順調だと述べている。後者は、IATAが主催した航空会社リテーリングシンポジウムに関する記事のため、多分にIATA寄りになっていると思われる。4.がより正確に実態を表しているのだろう。「技術的な問題よりも“人と金と政治”(people, money, politics)の問題が進展を阻んでいる」と言っている。NDC APIで接続して流通経費をできるだけ削減したい航空会社と、反対していたNDC に今では積極的に対応して、新たに登場したアグレゲータとの競争に勝利するためと、航空会社に“中抜き”させないための両方で頑張っているGDSとの、これからのせめぎわいが激しくなるだろう。 

 

グロバールOTAの第3四半期決算で、EXPE22%大幅減益となった「9. エクスペディア 3Q 減益」。その反対にBKNG10%増益した「15. ブッキング3Q、増収増益達成」。どちらもnet incomeベースだ。EXPEの減益は、GoogleSEOに関するアルゴリズム変更が影響しているという。BKNGは、このチャネル規模がそんなに大きくなく影響が軽微であったという。TRIP3Qも減収減益となった「12. トリアド、トリップ・コムと中国合弁設立」。TripAdvisorブランドホテル収入が、Google自身のホテルプロダクト検索増加が原因で14%減少したのだ。Googleの旅行領域参入がますます本格化しているようだ。

 

117日、3社の株価は、EXPE27%BKNG8%TRIP22%、と値を下げた。市場は、オンライン旅行市場におけるOTAの今後の競争力維持を懸念しているのだろうか。OTAは、サプライヤー直販拡大はもとより、Airbnbなどの新たな販売モデルの台頭やGoogleなどのグローバルプラットフォーマーとの競争激化に直面している。(編集人)