福岡空港:急速な国際線の拡大=LCCが牽引

当分析はCAPAが2018年9月29日に発表した  

  

Fukuoka Airport: rapid international growth driven by LCCs 

 

をJAMRが全文翻訳したものです。

                                      2018年10月5日 

福岡空港:急速な国際線の拡大=LCCが牽引

 

29-Sep-2018

 

福岡空港はこの10年間、主に韓国のLCCに牽引された、急速な成長を体験して来た。この先、新たな企業連合が運営を引き継ぐ事や、新たな低コストエアライン用ターミナル(LCCT)の展開により、更に成長しそうである。

 

3つの日本企業と、シンガポールのチャンギ空港などからなる新たな企業連合は、2018年の700万人弱に対して2048年までに、国際線旅客数が1,600万人に増加すると見込んで居る。この10年間、極めて緩慢な速度で伸びて来た国内線旅客実績は、2018年の1,800万人に対し、2048年までには僅かに1,900万人に増えると見込まれて居る。

 

福岡HD企業連合は、向こう30年間に、欧州と北米への新たな長距離路線など、40の新たな国際路線を確保する事を目標として居る。彼らの計画では空港の国際線ターミナルを拡張するとともに、予測される増加を収容するために、LCC専用のターミナルを展開する事になって居る。  

 

概要

 

      福岡空港の国際線旅客数は2011年以来、倍増を超えて居り、過去7年のうち6年は2桁の伸びを示して居る。

 

      新たな民間の企業連合が、2019年に福岡空港を引き継ぎ、更なる国際線の旅客数の増大が見込まれる。

 

      LCC各社、特に韓国のLCCが、近年の福岡の伸びの殆どを占めて居る。

 

      韓国がLCC6社を含め、8社の韓国エアラインを飛ばし、圧倒的に福岡最大の市場である。

 

      同空港の新しいオーナー達は、福岡のLCC浸透率を益々上昇させるに違い無い、低コストエアライン用ターミナル(LCCT)を建設する計画だ。 

 

日本はその4番目に大きな空港を民営化する

2018年7月福岡空港HDは日本政府による公開入札を落札し、2019年4月から30年間、運営を引き継ぐことになった。福岡空港HDは西日本鉄道、三菱商事、チャンギ・エアポーツ・インターナショナル(CAI)そして九州電力株式会社が構成して居る。福岡は東京羽田、東京成田そして大阪関西に次いで、日本で第4の規模の空港である。同空港は2017年に2,380万人、2018年の最初の7か月で1,400万人の旅客取り扱い実績を持つ。  

 

旅客数別日本の空港10傑 2018年最初の7か月 

 

Rank

Profile

Code

Passengers

1

Tokyo Haneda Airport

HND

47,306,217

2

Tokyo Narita Airport

NRT

24,308,329

3

Osaka Kansai International Airport

KIX

17,416,419

4

Fukuoka Airport

FUK

13,959,024

5

Sapporo Chitose Airport

CTS

13,528,355

6

Okinawa Naha Airport

OKA

11,992,268

7

Osaka Itami Airport

ITM

9,037,529

8

Nagoya Chubu CentrairInternational

NGO

6,743,246

9

Kagoshima Airport

KOJ

3,284,261

10

Sendai Airport

SDJ

1,993,248

 

CAPA – Centre for Aviation and Japan MLITT.

  

福岡は、この10年間、日本国内で最速で成長した空港の一つである。同空港が1,560万人を取り扱った2011年以来、旅客数は50%の伸びを見せて居る。伸び率は、2012年に12%とピークを迎えたが、安定した率で伸び続けて居る。旅客数は、2017年に8%、2018年最初の7ヶ月では4%の伸びである。 

 

福岡空港の旅客数と対前年伸び率:2011年〜2018年最初の7ヶ月  ①

CAPA – Centre for Aviation and Japan MLITT.

 

国際線旅客数は10年間で3倍増 

国際線旅客数は、特に高い率で伸びて居る。福岡は2011年の僅か245万人に比べ、2017年には617万人の国際線旅客を取り扱った。国際線旅客数は2017年に24%、2018年最初の7か月に12%など、過去7年中の6年で2桁の伸び率を示して居る。

 

福岡は依然として国内線主体の空港である。然し、国際線も2011年には全旅客数の16%だったのに対し、今や全旅客数の30%近くを占めて居る。

 

国内線旅客数は過去10年間に20%未満の伸びだが、国際線旅客数は3倍増となって居る。 

 

福岡空港国際線旅客数と対前年伸び率:2011年~2018年最初の7か月  ②

CAPA – Centre for Aviation and Japan MLITT. 

 

入国観光客が伸びを牽引 

福岡空港は南部日本と九州が人気の観光目的地として台頭してきた事から恩恵を被って居る。九州への海外からの訪問客は九州運輸局に依れば、2017年に30%近く増えて、480万人になって居る。九州への海外からの訪問客は170万人もいかなかった2014年以来、急速に増加して居る。

 

福岡はまた、大きな地元市場を持って居る(国内線と海外への出国)が、これはむしろ成熟して居る、一方、海外からの入国需要は近年急速に伸びて居る。福岡の入国国際線市場は、同空港が838,000人の日本人出国者数に対して、外国人入国者数884,00人を取り扱った、2014年に初めて出国者数を上回った。福岡は、九州最大の都市であり、日本で7番目の大都市である。

 

福岡市は150万人近い人口を持ち、福岡県は500万人の人口があり、九州は1,300万近い人口を抱えて居る。

 

九州は大きな島であり(北から南まで300km以上もある)、いくつかの空港を持つが、週間10,000席を超える国際線の供給席数を持つのは福岡だけである。

 

福岡は現時点で、週間15,000席以上の国際線供給席数を持ち、東京/成田、大阪/関西そして東京/羽田に次いで、日本で4番目の規模の空港である。 

 

韓国のLCCが最近の国際線の拡大の殆どを占める

韓国は福岡と九州の観光にとって、最大の源泉市場である。韓国の市場は、LCCの急速な拡大に牽引されて、近年急速な成長を遂げて来た。

 

福岡=韓国間の供給席数は過去4年の間に、2014年10月には片道ベースで週間ほぼ17,000席から2018年10月には42,000席へと2倍以上に増えて居る。 

 

福岡=韓国間、週間供給席数(片道ベース):2011年9月~2018年10月  ⓷

Source: CAPA – Centre for Aviation & OAG. 

 

LCCはこの拡大の実質的には全てを占めて居る。FSCの福岡=韓国間市場の供給は、過去4年間、比較的に変化が少なく(季節変動は幾らかあるが)、一方LCCの供給は、2014年10月の週間片道5,000席未満から、2018年10月の30,000席へと6倍に増えて居る。

 

現在、韓国のLCC6社の全てが福岡に飛んで居る。供給では、エアプサンとチェジュ航空が福岡の国際線市場では最大のエアラインである。エアプサンは福岡に週間42便、チェジュ航空は40便を飛ばして居る。両社とも、福岡に週間片道8,000席以上を持ち、それぞれ福岡=韓国間供給席数の20%近くの占有率を占めて居る。

 

ジンエアーは、現在、福岡に週間28便、ティーウェイは22便、イースター航空は16便、エアソウルは7便を飛ばして居る。ジンエアーは福岡の国際線市場に於いて、供給席数で第4位、イースター航空は第8位の規模である。

 

エアソウルは2018年8月遅くに福岡に就航したばかりの最新の韓国LCCで、未だ存在感は小さい。その他の5社は少なくとも既に2年間は福岡市場に参入して居り、次々と供給を増やして来た。

 

福岡=韓国間 エアライン別週間供給席数(片道ベース):2011年9月~2018年10月 ④

 Source: CAPA – Centre for Aviation & OAG. 

 

アシアナと大韓航空が大きな存在感だが、成長して居ない

韓国の2つのフルサービスエアラインは、福岡に大きな事業を展開して居る。大韓航空は現在週間35便を、アシアナは21便を就航させて居る。

 

エアプサンとチェジュ航空が、より多くの便を飛ばして居るが、大韓航空は福岡便の幾つかを広胴機で運航して居るため、大体同じ位の供給席数を持って居る。アシアナも、福岡市場で狭胴機と広胴機の混じった機材回しをして居る。

 

大韓航空の福岡=韓国間供給の占有率は20%近くあり、エアプサンとチェジュ航空に匹敵し、一方アシアナは約11%の占有率である。(アシアナと大韓航空はエアライングループとしては、ジンエアーは大韓航空の、エアソウルとエアプサンはアシアナの傘下にあるため、実際には、より大きな占有率を占めて居る。)

 

供給席数では、大韓とアシアナは共に福岡の国際線市場に就航するエアラインとして5指に入る(エアプサン、チェジュ航空とジンエアーと共に)。然し、大韓は福岡の供給としては7年前とほぼ同じであり、アシアナは供給を減らして居る。

 

福岡=韓国間LCCのエアライン別 週間供給席数(片道ベース):2011年9月~2018年10月 ⑤

Source: CAPA – Centre for Aviation & OAG. 

 

ソウル/仁川は福岡の最大の国際路線 

大韓航空は、福岡の国際線供給席数の半数以上を占め、福岡の国際線市場を支配して居る。現在、日本のエアラインは(LCC或はFSCとも)福岡から韓国への便を持って居ない。

 

福岡=韓国間の総供給席数の65%を占め、ソウルが圧倒的に最大だが、現在韓国の5都市に福岡からの便がある。エアソウル、アシアナ、イースター航空、チェジュ航空、ジンエアー、大韓航空そしてティーウェイ航空の6社のエアラインが福岡=ソウル/仁川線で競合して居る。

 

エアプサンはチェジュ航空、大韓航空と共に、福岡=釜山線を飛んで居る。エアプサンはまた、福岡=大邱線でティーウェイ航空と競合して居る。イースター航空は福岡=清州線に飛んで居り、チェジュ航空は福岡=済州線(共に季節運航のみ)に就航して居る。

  

台湾と中国が成長、だがそれほど急速では無い 

福岡から台湾と中国は次に大きな国際線市場であり、地元観光業界にとっては成長する源泉市場である。

 

然し、台湾と中国は現在の国際線供給席数でそれぞれ14%と10%の構成比で、韓国と比べ、比較的小さな市場である。両国はまた、近年、韓国ほど急速に伸びて居ない。過去4年間で、福岡=台湾間の供給席数は50%近く伸びる一方、福岡=中国間供給は30%しか伸びて居ない。

 

台北は福岡から第2の規模の国際路線で中華航空(CAL)、エバー航空、タイガーエア台湾、そして日本のLCCバニラエアの4社が飛んで居る。CALは現在、同路線に週間17便、他の3つの競合社は毎日1便を飛ばして居る。エバーとタイガーエア台湾は、福岡と台湾第2の都市高雄との間にも週5便を就航させて居る。

 

福岡には現在、中国の大連、上海、青島、そして煙台の4都市から便が来て居る。中国国際が大連と上海線を、中国東方が上海と青島、そしてLCCのチャイナユナイテッドが煙台に就航して居る。

 

香港市場は急速に伸びて居るが、規模は小さい 

香港は福岡唯一の主要国際線市場である。福岡=香港線は、過去4年間で2014年10月の週間片道3,000席から2018年10月の7,000席へと2倍以上の規模へ急速に伸びて居る。香港は現在、福岡の全国際線供給席数の8%を占め、第4位の規模の国際線市場である。

 

キャセイドラゴンとLCCの香港エクスプレスが共に急速に成長して居る。香港エクスプレスは2014年に週間7便で参入し、現在は週18便(2018年10月末から19便目が追加される予定)を飛ばして居る。キャセイドラゴンもまた、2014年10月の週7便から2018年10月には週18便と成長して居る。

 

大中国圏(中国本土、香港と台湾)と韓国は福岡の国際線供給席数の圧倒的な87%を占めて居る。

 

マニラは、その他の路線の中で、1社以上、或は週7便以上が就航して居る唯一の国際路線である。フィリピン航空が福岡=マニラ線を、毎日1便、フィリピンのLCCセブパシフィックが週3便飛んで居る。

 

福岡から便のあるその他の国際路線は:バンコク(タイ航空が週7便)、ハノイ(ベトナム航空が週4~7便)、ヘルシンキ(フィンエアが週3便の季節運航)、ホーチミン(ベトナム航空が週3便)、ホノルル(デルタ航空が週5~7便)、グアム(ユナイテッド航空が週7便)そして、シンガポール(シンガポール航空が週7便)である。

 

福岡は、より多くの長距離便を惹き付けようと狙って居る 

空港の新企業連合は、2016年以来、夏季限定でこの市場に参入して来たフィンエアを補完する様な欧州への便を呼び寄せる事に熱心である。湾岸のエアラインの便を確保する事も、欧州からの訪問客数を増やしたいと言う福岡の野望を助ける事になるかも知れない。

 

また福岡は、九州の米国からの来訪客数を押し上げる事を可能にする、米国本土への便を惹き付けるのにも熱心である。ホノルルは、ほぼ完全に出国日本人旅行客が相手である。

 

より多くの長距離便に可能性があるが、明らかに、殆どの拡大の好機はアジア域内にある。北アジアの需要は拡大を続けるだろうし、韓国、台湾と中国が福岡の観光分野にとっての主たる源泉市場であり続けるだろう。

 

新世代狭胴機が東南アジアの新たな商機を開く 

東南アジア市場も、福岡が長距離狭胴機便の為にも、地理的に好立地であることから、やはり急速な拡大を体験する筈だ。福岡は、大阪、東京、札幌より東南アジアに近く、A320neoか737MAX8を使えば、東南アジア目的地の幾つかが航続距離圏内に入る。

 

例えば、福岡には、将来エアアジアXのA321neoによるクアラルンプール便(飛行時間6時間)が飛ぶ可能性がある。ノックスクートは、737-800を使って、バンコクから福岡便(5時間)の開設を検討して居る。

 

スクートは、A320neoで、親会社のシンガポール航空のシンガポール=福岡(6時間)を補完する可能性がある。

 

日本のLCCもやはり福岡から東南アジアへの便を開設するかも知れない。

 

日本のLCCは、福岡での供給席数で、国内線では11%を占めて居るけれど、国際線では2%に過ぎない。日本のLCCとして、福岡から国際線を運航して居るのは唯一バニラだけで、それも2018年3月に毎日1便の台北線を開設して市場に参入したばかりである。

 

バニラは、福岡で国内線を運航して居て、最近、東南アジアへの長距離路線運航の為にA321neoLRを購入すると表明した、ピーチとの統合合併を控えて居る。ジェットスタージャパンは、福岡で最大の日本のLCCで、将来、ここから国際線を運航する可能性がある。

 

LCCは、既に、福岡での国際線供給席数の50%近くを占めて居り、日本で4番目に大きな空港の国際線拡大をもう一歩先へと牽引する筈だ。計画中のLCCTは、既存LCC各社の供給増と共に、幾つかの新たなLCCを惹き付けるのを助ける事になろう。 

以上

 

Fukuoka Airport: rapid international growth driven by LCCs

 

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