海外事情・旅行流通

フォーカスライトJapanでは、PhocusWire Daily (phocuswire.com) 並びにTravel Weekly (travelweekly.com)を含む海外主要旅行業界誌から、面白そうな業界ニュースを選別し日本語に意訳して、トラベルジャーナル(TJ)の隔週コラム「FROM THE WORLD/海外事情」とTD 勉強会(e-rtb.com)に掲載しています。TDTravel Distribution)勉強会の「海外事情 アーカイブ」では、TJのコラムに掲載したニュース以外の記事を、TJコラム発行日の3日遅れで掲載しています。 

 

2020年8月4日

 

海外事情 727日号

 

15. 76日と713日の週の資金調達ニュース」の中の、シリーズA投資ラウンドで1,500万ドルを調達した米Butler Hospitality社の“ghost kitchen”サービスが面白い。稼働率が低下したホテルのキッチンを利用して出前サービスを提供している。ホテルの建物はこのように、目指す事業分野の転換が比較的容易な資産なのだろう。航空会社の航空機は輸送以外に使えない。だからホテルは、先週号でも触れたように、より顧客のライフスタイルのニーズへの対応ができるのだろう。

 

また今週は、自社のプロダクトを宣伝する記事が多く見られた。「5. 法人旅行再開時の3つの備え」(Serco社)、「8. 航空会社旅客サービス、テック導入必要」(CHS社)、「14. 航空運賃支払いの5つのヒント」(Amadeus社)の3つだ。記事を通じて自社のテクノロジーを間接的に宣伝している意図はあまり歓迎できないものの、彼らのプロダクトが解決しようとしている業界の問題を分かりやすく丁寧に説明してくれているので、それはそれなりに為になり捨てたものではない。いずれの記事も、コロナ終息後には、ますますテックの導入が不可欠だと言っている。

中でも「8. 航空会社旅客サービス、テック導入」は、膨大な払い戻しの請求や苦情処理でてんてこ舞いの航空会社の顧客サービスに、AI装備のチャットボットなどのテックの導入が必要と言う。リアルタイムでインスタントな解決を要求する、待ってくれないデジタルネイティブの顧客にはこのテックの必要性が必須だと言うのだ。しっかりした顧客サービスを提供しなければ顧客のロイヤルティーを失ってしまうと言うのは頷ける。この記事は、『シームレスで、オムニチャネルで、リアルテイムの双方向の会話を提供できない航空会社は、市場から退場を余儀なくされてしまうだろう』と言っている。(編集人)

 

 

目次

1.(TJ) ドバイのイノベーションハブ トラベルジャーナル831日号参照

 

2. ブッキング、米国で返金プログラム開始

3. ウーバーの人種差別イニシャチブ

4. レンタルテック4社がサイト立ち上げ

5. 法人旅行再開時の3つの備え              720日の週 週間閲覧数第3

6. 中トリップ・コムG、トリアド出資

7. 旅行会社向けシステムプロバイダー新興企業

720日の週 週間閲覧数第1

8. 航空会社旅客サービス、テック導入必要

9. ウーバー、トランジットプロバイダー買収

10. エアビー、COVIDクリーニングプロトコル50ヶ国に拡大

11. セイバー、顧客サービス自動化テックと企業提携

12. 印配車サービス、英豪NZ法人顧客にサービス拡大

13. 短期レンタルへのインパクト、ホテルより小さい

14. 航空運賃支払いの5つのヒント         720日の週 週間閲覧数第5

15. 76日と713日の週の資金調達ニュース

 

 

1. ブッキング、米国で返金プログラム開始

Booking.comが米国で旅行インセンティブプログラムを開始する。このプログラムは、顧客に返金しサプライヤーからのコミッションの支払いを免除する。

COVID-19の旅行制限により宿泊予約をキャンセルしなければならなかった米国のOTAの顧客は、1231日までに同じ施設での滞在を再予約すると、4月までの旅行に対して15%の報酬(reward)を受け取ることができる。合計予約価格の15%に相当する特典は、チェックアウト後にBooking.comの旅行者の仮想財布に入金され、個人のクレジットカードに引き出したり、12か月以内の将来の予約に使用したりできる。さらにBooking.comは、このキャンペーンの一環として行われた予約の手数料を放棄している。現在のところ、このオファーは米国内での予約のみを対象としているが、同社は将来的には国際的な予約にも対応できるよう計画している。(7/20 https://bit.ly/3hhZ7yS)

 

2. ウーバーの人種差別イニシャチブ

人種差別や制度的不平等の問題に直面する場合、Uber CEO Dara Khosrowshahiは会社のブログ投稿で他の会社の考えとはまったく違うと述べている。Khosrowshahiは、Uberは給与データを積極的に測定しており、経営陣においては他の多くのFortune 500企業よりも多様性を持っているものの、社内の全てで黒人登用機会が公平に存在しているわけではなく、またUberドライバーと顧客の両方から“容認できない”との報告や人種差別の避難を受けていると語る。KhosrowshahiUberを“反人種差別的企業”にするための長期的な約束は次の通りである:

2025年までに経営陣の取締役の肩書き以上の黒人メンバーを2倍にする予定である。また、その目標日までに、ドライバー、driver people、カスタマーサポートスタッフの社内における人事サービスをするためのタレントパイプラインを倍増することを目指す。Uberは、インクルーシブマネジメントと異文化コンピテンシーに関するすべてのマネージャー向けのトレーニングだけでなく平等な賃金も約束している。同社はまた、米国とカナダを皮切りに、運転とライダーのための反人種差別と無意識の偏見トレーニングを開発し、顧客サポートエージェントも偏見と差別に関する特別なトレーニングを受ける。さらに、Uberは今後2年間で、プロモーションやその他のマーチャントのサポートを通じて、黒人所有の事業をサポートするために1,000万ドルを投資し、2020年までに黒人が所有するレストランのUber Eats配送料を免除する。Uberのイニシャチブは、人種の不平等が世界中で問題になっており、旅行ブランドの多様性へのコミットメントが求められている最中に実行されている。たとえば、Black Travel Allianceは、旅行業界に黒人の声に対する彼らのサポートを強化するよう旅行ブランドに求めている。(7/20 https://bit.ly/30tU0ox)

 

3. レンタルテック4社がサイト立ち上げ

バケーションレンタルエコシステムで通常業務を行う4社のテクノロジーベンダーが、国内のパンデミック後の国内旅行者を対象としたウェブサイト、Travel In France71日に立ち上げた。GuestReadyHostnFlyNOCNOC、およびWelkeys4社は、バックエンドと消費者向けのレンタルプロダクトのそれぞれの専門知識を活用して、旅行の国内市場を復活させるためにサービスを構築した。NOCNOCは、4社の中で唯一の既存のB2Cサービスプロバイダー。GuestReadyは通常、ゲストとホストのコンシェルジュツールを処理する。Wellkeysはレンタル管理プラットフォーム。HostnFlyは、流通およびコンテンツプラットフォーム。

Travel In Franceは当初、フランスの40の都市にあるコンシェルジュとハウスキーピングの専門家によって直接チェックされた3,500の施設を掲載する。応答時間の短縮、アクセスの容易さ、宿泊施設の清潔さにより、このプラットフォームは、個人からレンタルする際にしばしば発生する宿泊客の不愉快な驚きを回避することを目的としている。フランス政府は、まだ始まったばかりで名前のないプロジェクトである、レストラン、アトラクションなど、フランス訪問者向けのすべての観光情報を含む大規模なデータプラットフォーム開発について話し合っていると言われている。(7/20 https://bit.ly/2OGhfWK)

 

4. 法人旅行再開時の3つの備え

法人旅行業界がCOVID-19以降のスムーズで着実な出張への復帰について抱いた幻想は今では消滅してしまったのだろうか。今日、地域ごと、業界ごと、旅行の種類ごとに、出張への復帰率に大きな変動が見られる。一部の企業は国内旅行を許可したが、年内は海外旅行を停止した。他の企業は、政府がリードする規制、すなわち、開かれた国境のためのさまざまな対応、トラベルコリドーの選択、強制検疫、特定の地域または国からの旅行者の禁止などに従っている。また、個人の旅行者の感情にはさまざまなものがある。一部の出張者は飛行機利用再開にうずうずしていたり、近い将来までの出張禁止に不満を抱いていたりしている。 つまり、現在の環境では、BCGTravel Recovery Insights PortalJP Morgan researchなどのリソースから予測を入手できるが、旅行のボリュームがどのようになるかを正確に特定することは困難だ。
さらに確かなことは、出張が再開するにつれ、次の3つのことがすべての組織にとって最優先事項となるだろう。

  • 原価管理
  • 危機管理
  • 変更管理

三脚スツールのように、それぞれの考慮事項は重要だ。“脚1つを取り除くと、スツールが機能しなくなるからだ。これら3つの要件をサポートすることは、管理された販売チャネルを通じて企業の出張を予約するための基本的な前提条件である。航空会社またはサプライヤーのWebサイトで直接予約されたフライトまたはホテルは、組織(企業)がコスト、リスク、または変更管理に効果的かつ効率的に対処することをほとんど不可能にする。したがって、企業の出張規定遵守とOBT(オンライン予約ツール)の採用がこれまでになく重要になってくる。では企業のトラベルマネジャーは、出張規定を変更し始め、出張再開準備をする際に何を考慮すべきか?

·         出張許可がどのように承認されているかを決定する。これは、トリップパラメータに基づいて割り当てることができる。たとえば、国内旅行などのリスクの低い出張は標準の承認プロセスに従うことができるが、リスクの高い出張や海外出張では、リスクを最小限に抑えるために地域のリーダーや人材などの複数の承認者が必要になる場合がある。

·         危険度の高いゾーンを監視して、それらのエリアへの出張を制限する。リスク管理プロバイダーとの協力やOBTOnline Booking Tool)経由で、特定の空港、都市、または国への予約要求を非アクティブ化し、条件が旅行の許容レベルに戻るときにそれらを再アクティブ化できるかどうかを確認する。

·         出張者追跡機能を見直して潜在的なリスクを特定する。旅行管理会社(TMC)に連絡して、出張者予約テクノロジーやOBTで利用できるものについて復習する。世界中で状況が急速に変化するので、予約が最初に行われた時に安全であった可能性がある潜在的に危険なエリアに向かう出張者を監視する。

·         サプライヤーの健康と安全対策を常に把握し、出張者とコミュニケーションを図る。世界中の航空会社が、予約の柔軟性を高め、座席間隔の拡大、清掃対策の強化、健康診断などのプロセスを導入している。TMCOBTをフォローアップして、 出張者が最良の選択を行うのに役立つ情報と、飛行中に安全で保護されていると感じる情報を確認する。

·         航空会社のクレジットを最大限に活用する。キャンセルされたフライトの結果としての未使用の航空会社クレジットの連続発生を把握する。そしてこれらのクレジットをOBTオンライン予約フローに組み込んで、未使用のチケットとクレジットを次の予約に適用し、未使用航空券の再利用を失うリスクを減らす。

企業が従業員の出張を再開する際には、コスト管理、リスク管理、変更管理は現在および将来の出張管理に不可欠になる。上記の手順のいくつかを実行すると、トラベルマネジャーがこれらの考慮事項に効果的かつ効率的に対処するのに役立つ。

著者:Darrin Graftonは法人旅行と支払いのソリューションプロバイダーSerko共同創設者兼最高経営責任者。(7/20 https://bit.ly/2OKjicG )

 

5. 中トリップ・コムG、トリアド出資

中国Trip.com Groupは現在、Tripadvisor5.2%の株式を15,390万ドルで所有している。Jerry TangTrip.com Group CEO Jane Sunが、昨年11月に発表された両社の戦略的合意の一環として、Tripadvisorの取締役に選出された。これは、中国のOTA大手がTripadvisorに投資する計画が米国の規制当局であるCFIUSによって承認されたことを示している。昨年、両社は中国市場に焦点を合わせた合弁事業である中国Tripadvisorを設立することで合意した。合意によると、Trip.com Groupは、米国外投資委員会(CFIUS)による取引の承認をもって、Tripadvisor取締役会1 席の指名権を持つことになっている。

取締役会の指名権を維持するために、Trip.com GroupTripadvisorの発行済み株式の約5%を取得する必要がある。20191119日から2020713日までの最新のSEC提出資料によれば、Trip.com Groupは、その子会社であるLVSHおよびCtrip HKを通じて、6,422,223株の普通株を公開市場から加重平均価格USD 21.2で購入した。20191119日以前にTrip.com Groupが有利に所有していた株式とともに、Trip.com Groupは合計6,954,228株の普通株式、または5.2%の株式を総額15,390万米ドルで取得したことになる。(7/21 China Travel News https://bit.ly/2ZXerv7)

 

6. 旅行会社向けシステムプロバイダー新興企業

豪州ベースのAeronology20197月設立)は旅行会社向けテックソリューションを提供する。GDSに直接接続契約している旅行会社のグリーンスクリーン(端末)にWebのフロントエンドを接続し、APIを通じて旅行会社の意思決定のための関連情報を提供する多言語のクラウドベースのプラットフォームを運営する。旅行者二人4区間、二つの受託手荷物、二食の機内食の注文の予約に、この道4年経験のエージェントは28分必要とする。Aeronologyのフロントエンドを利用すれば3分で済み、この1トランザクションで1豪ドルの収入を得る。予約は航空便だけではない、ホテル、保険、アクティビティ、レンタカーと多岐にわたるので、エージェントは異なる画面へ移動しなければならないがAeronologyでは移動する必要がない。ホテル在庫は世界第2位のWebBedsから得ている。Aeronologyは、旅行会社向けのExpediaと言って良いだろう。セールスポイントは、特別のトレーニングなしに旅行会社を年商100万ドルから4百万ドルにすることができると言う点だ。アジア地域の旅行会社をターゲットにしている。

コロナパンデミックで旅行が停止してしまったが、旅行会社はこの甚大な被害によりデジタル化、コスト削減、生産性向上がマスト必要になっている。まさにAeronologyが出る幕だ。現在従業員は13名、年内に20名まで増員する。一度テクノロジーを構築すれば、この従業員数で1億トランザクションの処理が可能だ。来年には北米と南米に、再来年には欧州とアフリカへの展開を計画している。景気後退、9-11SARSSwine Fluなどの経験からコロナパンデミックへの対応能力を有している。5年計画の2年目で利益計上することが目標。来年初めまでの資金を確保しているので当面の資金調達は必要ない。上場も必要ない。GDSからの資本参加なんて考えられない。投資家を選別することになるだろう。セルフブッキングツール(SBT)の利用が増えても旅行会社のビジネスはなくならない。IATAでは旅行会社経由のビジネスが65%を構成する。この構成は、20年前から変わっていない。フィリピンやインドでは、OTA予約のバックエンドではマニュアルで処理されている場合がある。Aeronologyは、旅行会社に次いで、これらのOTAに対しても自動化テックソリューションを提供する。今年中に1億トランザクションを目指す。航空予約だけではないので、この達成の可能性はある。(7/21 https://bit.ly/39oGyWS)

 

7. 航空会社旅客サービス、テック導入必要

顧客苦情処理は航空業界のアキレス腱だ。コロナパンデミックでサービスの劣化が甚だしい。欠航便のコンペンセーションや払い戻しに関する苦情のバックログが巨大化している。航空会社は、コロナ対策のコスト削減(人員削減)とサービス向上のジレンマに直面している。より多くの苦情をより少ない時間で処理し、同時にコスト構造を変革しなければならないのだ。航空会社にとってのCatch 22(どうもがいても解決策が見つからないジレンマ[板挟み状態])となっている。その解決策には、ディジタイゼーションと自動化が鍵となる。デジタルされているカスタマージャーニーを長年無視してきた多くの航空会社に未来はない。今日では顧客は、シームレスなデジタルの、シームレスの、カスタマージャーニーを要求する。今後10年以内には、デジタルネイティブの顧客が需要の半分を構成する。彼らはAIやチャットボットを利用し、IoTを理解している世代で旅行のエクスペリエンスにもこれらのテクノロジーを要求する。シームレスで、オムニチャネルで、リアルテイムの双方向の会話を提供できない航空会社は市場から退場を余儀なくされてしまうだろう。DX(デジタルトランスフォーメーション)が顧客ロイヤルティーの向上にも必要だ。著者:Ulrich Steppler CEO & co-funder of CHS (7/21 https://bit.ly/2CI5Ljj)

 

8. ウーバー、トランジットプロバイダー買収

Uberがトランジット検索サイトのRoutematchを買収した。買収条件は明らかにされていない。Routematchは、目的地の公共交通機関の検索と支払いを可能にするサイトで2000年に米国で創立。Uberは、7月初めに食事宅配サービスのPostmates26.5億ドルで買収したばかり。Uberは、主力の配車サービス事業の不振で、顧客サービスやリクルート部門のスタッフ3,700人の人員カットを余儀無くされている。(7/21 https://bit.ly/2OQQPln)

 

9. エアビー、COVIDクリーニングプロトコル50ヶ国に拡大

Airbnbは、“強化洗浄プロトコル”を6月中旬のローンチの一部であった12ヶ国から50の国と地域のホストに拡大した。このプログラムは、米国および欧州の疾病管理予防センターと元米国外科医長からの情報に基づいて、家の掃除と消毒に関する教育資料とガイドラインを提供する。Airbnbは、マスク着用とソーシャルディスタンスに関するガイドラインも追加した。 Airbnbは、このプロトコルを承認し将来に向けてより多くのソリューションを開発している清掃および衛生技術の会社であるDiverseyと協力していると述べている。

このプロトコルを採用したホスト(含プライベートルームを共有するホスト)の施設はサイトで特別なハイライト表示される。このプロトコル採用拡大により、8月からは予約と次の予約の間の72時間のバッファー(空室期間)を自動的に作成する機能を無効にする。予約と次の予約の間にまだ空室期間が必要と考えるホストは、手動で空室期間を確保する必要がある。(7/21 https://bit.ly/32PvS2o)

 

10. セイバー、顧客サービス自動化テック企業と提携

Sabreが、AIベースのチャットプラットフォームを利用した顧客サービスインタラクション新興企業Mindsay(本社パリ)と提携した。Mindsayのインテリジェントバーチャルエージェントが、SabreAPIに接続、AIを利用してSabreの顧客である航空会社、OTA、旅行管理会社(TMC)からの単純な質問から複雑な予約変更リクエストまでを自動的に解決する。顧客のリクエストの70%を自動化できるので、電話とライブチャットの人的対応量を減少することが可能になる。Mindsayは、20195月にWhite Star CapitalがリードしたシリーズAの資金調達で、1,000万ドルを獲得している。顧客にはAccor, Iberia Airlines, CWTが存在。(7/22 https://bit.ly/39ojk3j)

 

11. 印配車サービス、英豪NZ法人顧客にサービス拡大

インドに拠点を置く配車会社のOlaは、国外向けのプラットフォームを英国、オーストラリア、ニュージーランドの法人顧客に拡大している。Ola2016年にインドでOla Corporateを立ち上げ、現在1万人以上の企業顧客を抱えており、プラットフォームの集中型デジタル課金システムにより、これらの企業の輸送費を25%削減したと述べている。Ola Corporateの法人クライアントは、パーソナライズされたダッシュボードを使用して自社の従業員を追加および管理し、従業員は自分の乗り物を予約して“Ola Corporate”トリップとしてタグ付けし、会社のアカウントから自動支払いを作成する。 Ola Corporateは、その“ライドセーフイニシャチブ”に基づいてさまざまな安全機能を提供し、COVID-19パンデミックの中でより安全なモビリティのための衛生および消毒プロトコルに従っている。2010年に設立されたOlaは、この拡張により、現在250の都市にサービスを提供し、250万人を超えるドライバーパートナーを抱えている。(7/23 https://bit.ly/32RIINt)

 

12. ドバイのイノベーションハブ

Emirates Group, Dubai Tourism, Accenture and Microsoftは、Intelak Hubの立ち上げにより、ドバイでの旅行、観光、航空のイノベーションを加速するために協力している。新しいブランドは、Futurism AcceleratorIntelak Incubator、およびIdea Lab3つの既存のプログラムを統合する。Intelak Hubは、3つのプログラムを通じて旅行業界向けのソリューションを開発するのに役立つ教育、メンターシップ、ツール、およびリソースを使用して、初期および後期のスタートアップをサポートする。Intelak Acceleratorは、ドバイへの進出や都市での概念実証の実施を検討している後期段階の新興企業向けの8週間のプログラムである。このプログラムは、ショッピング体験、非接触タッチポイント、人工知能/パーソナライゼーション、ゲーミフィケーション、包括性という5つの課題領域の1つに対処するソリューションを持つスタートアップを探している。Intelak Incubatorは、ローンチステージを通じてビジネスを進めるための支援を求めている実行可能な最小限のプロダクトを有する初期段階のスタートアップ向けの8週間のプログラムである。パートナーからのガイダンスと実現可能性の評価に加えて、参加者は50,000AEDをエクイティフリーの資金で受け取る。また、Intelak Idea Labは、航空、旅行、観光の分野でスタートアップのアイデアを持っているアラブ首長国連邦の市民を対象とした3週間のプログラムである。(7/23 https://bit.ly/2WTX4t1)

 

13. 短期レンタルへのインパクト、ホテルより小さい

STR    AirDNA共同で作成したグローバル分析の予備調査結果によれば、COVID-19の大流行が始まって以来、短期レンタルはホテルよりも高いパフォーマンスレベルを維持している。調査では、20193月から2020627日までの週次データを使用して、世界の27市場における伝統的なホテル、ホテルと同等のレンタル(スタジオと1ベッドルームユニット)、および2つ以上のベッドルームの短期レンタルのパフォーマンスを調べている。両社は723日にCloudbedsが主催するウェビナーで調査結果のプレビューを以下のごとく発表した。

·           COVID-193月に世界中に広がったため、伝統的ホテルの占有率は前年比で最も大きく、27の市場全体で約77%減少したが、レンタルでは約45%しか減少しなかった。 それ以来、すべてのセクターである程度の回復が見られ、都市よりも地域市場の方が強く、ホテルよりもレンタルの方が強いことが判明した。

·           ホテルの年初のオキュパンシー75%は、依然として約40%に減少したままだ。短期レンタルの抵抗力が増しておりオキュパンシーは5861%となっている。この差は、ホテルはビジネス旅行者や大規模なグループを重視する傾向があるためと予想されている。

·           レンタルは、世界中の市場で立ち直る最初のカテゴリーであったレジャー旅行者にアピールするとともに、短期レンタルが長期滞在のニーズにも応えており、パンデミック以前よりも長い、少なくとも2週間の予約が今では一般的になっている。そして、人々と対話する必要がないという安全性が宿泊客に受け入れられている。

·           しかし、回復はすべてのタイプのレンタルで同じではなく、レジャーの目的地の近くにある4ベッドルームの家などの大きな物件が最も強力に回復している。多くのコンドミニアムスタイル、アパートメントスタイルの短期レンタルで、ホストが1つのプロパティしか保有していない場合、プロの掃除がセットアップされておらずブランドの認知度もない場合は、ホテルとの競争という点で来年は苦しむことになると思われる。

·           料金については、年初から小規模および大規模の短期レンタルの料金が安定しているか僅かに上昇しているが、ホテルの1日あたりの平均料金(ADR)は、1月の150ドル以上から6月末に約104ドルに低下している。ホテルの料金は、3月中旬に小規模なレンタルの料金を下回り、それが現在も維持されている。ADRの低下の一部は、ホテルを誘致するためのホテルの料金引き下げに起因している可能性もあるが、需要の大半がバジェットホテルに向いているため、ホテルのタイプの構成比の変化が原因している。安い料金のホテル需要が増加し、高い料金のホテル需要の減少が、ホテル全体のADRを押し下げているのだ。それに加えて言えば、ホテルのイールドをアップさせるcompression markの概念(オキュパンシー95%以上で料金アップができる状況)はもはや存在していない。

·           ホテルのRevPARが前年レベル比 約-50%から現在の約-35%に改善した中国本土では、米国とヨーロッパの“上向きのケース”を示している可能性がある。

·           ホテル業界の2019年のレベルへの復帰は2023年または2024年まで期待できない。回復はウイルスで何が起こるかに主に依存する。 この回復はいかに脆弱であるかを理解することが本当に重要で、感染者増大が再び発生すれば、事態はさらに押し戻される可能性がある。

(7/24 https://bit.ly/3jBe7d0)

 

14. 航空運賃支払いの5つのヒント

ロックダウンが緩和され国境が再開し始めると、航空会社が顧客へのサービスの現実に適応するようになり人々の旅行方法が変わり始めている。航空会社がCOVID-19パンデミックを乗り越えるにつれて、業界が支払いを受け取り管理する方法も変化している。現在、地球上には、売り上げを失う余裕などある旅行業はどこにも存在しない。

ここでは、航空会社が回復に備えるために役立つ5つの領域の概要を説明する。

(1)アクワイアラーと連携するための新しいモデルを探る

航空会社にとって最も困難な分野の1つはクレジットカードのアクワイアラー銀行との関係だ。アクワイアラーは、カードの支払いを処理すると同時に、航空会社が旅行者にサービスを提供せずに倒産することから発生する可能性のあるリスクと責任を管理する。アクワイアラーは、既存のリスクモデルの有効性が不十分になってしまった前例のないこの時期に、これらの与信判断を下すのに苦労している。これにより航空会社は、実際にフライトが運航された後になってはじめて、取引銀行から現金(航空運賃)を受け取ることとなっている。

一部のアクワイアラーは、スキームの規制で述べられているように、サービスが提供されない場合に旅行者が払い戻しを受けることができるようにするためにこの措置を採用しているのだ。業界全体が、リアルタイムのデータ共有を含む、より透明性の高い新しいリスクフレームワークに同意する必要があると考えている。これは、航空会社が必要な流動性にアクセスできることを保証しながら、取得者と旅行者を安心させるためである。

(2)リスクの多い環境でのフリーキャッシュフローの最大化

Explore new models for working with acquirers

アクワイアラーがますますリスクを嫌う環境では、航空会社が資金を受け取るまでに時間がかかる可能性がある。この状況では、航空会社は、アクワイアラーを経由する必要なしに、資金が航空会社に直接流れる方法で支払うために顧客にインセンティブを与える可能性がある(たとえば、割引、追加のマイル/ポイント)。このような方法には、銀行振込による支払い方法、またはTrustlyKlarnaSEPAによる振替などの“即時支払い”が含まれる。消費者の観点から見ると、旅行者が従来の支払いカードよりも保護が不十分なこの様な支払い方法を受け入れるかどうかは興味深い。

(3)B2B支払いのリスクを軽減し、効率を高める

Reduce free cash flow in a risk-laden environment

COVID-19が登場するまで一部の航空会社はコストを理由に、旅行会社からのバーチャルカードの支払いを拒否していた。現在の状況を考えると、航空会社は、信頼性が高くほぼ即時のキャッシュフローを提供するバーチャルカード支払いを受け入れない理由が少なくなっている。この支払い方法では、デフォルトに対する両側の保護も提供されるため、旅行会社が支払いをデフォルトにした場合でも、支払いカードに組み込まれている支払い保証機能により、航空会社は引き続き資金を受け取ることができるのだ。

(4)全ての可能な販売をキャプチャする摩擦のない支払体験を提供する

Deliver a friction-free payment experience that captures every possible sale

現在、旅行業者は、旅行者が簡単に支払いを行えるようにする必要がある。以下は、多くの航空会社が迅速に導入できるいくつかの簡単な支払い体験の最適化である。

·         関連する支払い方法のみを表示する:ヨーロッパの旅行者が買い物をしていて、旅行ウェブサイトにPayPalではなく、AliPayのみが表示されている場合、旅行者がすぐに支払いを行うのは非常に困難だ。現地の法律に従い、旅行者が地理と以前の支払い設定に基づいて予約を行う際に使用する可能性が最も高い支払い方法を表示することで、これを簡単に改善できる。

·         モバイル向けに最適化:多くの航空会社は、支払いチェックアウトのエクスペリエンスをデスクトップから移動させて、旅行者にモバイルでの使用を求めている。明らかにモバイル画面は小さく、完全に異なるエクスペリエンスを必要としているので、利便性を優先し手順を少なくしている。

·         手順を減らす:旅行者が航空会社に支払うのに必要な手順、クリック、キーストロークの数は?それらの数字が何であれ、それらを削減するための継続的な作業の流れがあるはずだ。たとえば、顧客に月と年をスクロールしてカードの有効期限を追加するように依頼しているか?

(5)支払フローを監視し、ビジネスルールを調整して結果を最適化する

Monitor payment flows and adjust business rules to optimise results

航空会社の場合、受け入れ率(支払いが承認され、その後続行するためにアクセプトされる率)などの主要な支払い指標を監視することで、問題を個々の国、銀行パートナー、または取引額の範囲にまで絞り込むことができる。監視、調整、報告することで、航空会社は大幅な差益(marginal gain)を確保できる。

·      すべての可能な販売を最適化する:旅行が再開し始めると、最も重要なものを継続的に再評価することがますます重要になる。販売コンバージョンを最大化するという観点から、航空会社は、市場、価格帯、および旅行クラスごとの受け入れ率(acceptance rate)の測定をより綿密に検討して、コンバージョン率が最適化され、あらゆる可能性のある側面で詐欺をチェックする必要がある。

·      高額詐欺への取り組み:航空会社は支払いを非常に細かいレベルで監視できる。たとえば、詐欺のリスクが高いことがわかっている特定の空港からのフライトに関連する携帯電話で行われた予約では、2要素認証を主張する3DSecure プロトコルを適用することが可能である。

·      顧客獲得のコスト:顧客が航空会社のWebサイトで支払いを完了しない場合、チャネルを移動して旅行会社で予約を完了したか?または、おそらくコールセンターを介してか?または、彼らは競合他社で予約するために去ったのか? 支払いを効果的にたどることにより、航空会社は、顧客が、本質的に安全性の低いチャネルと見なされてインターチェンジコストが大幅に高くなるコンタクトセンターで支払ったために、全体的な販売コストを押し上げていることを知る場合がある。

リソースに制約があり、すべてのペニー(penny)が重要である時には、航空会社は支払い方法をもう一度チェックする必要がある。この支払いに関する戦略調整は比較的控えめな投資で済み、収益にほぼ即座に影響を与える可能性がある。Amadeusのチームは、ガイダンス、アドバイス、ベストプラクティスサポートを提供し続けている。著者:Adnan BeigAmadeus支払い戦略責任者(7/24 https://bit.ly/30GgC5e)

 

15. 76日と713日の週の資金調達ニュース

·           Butler Hospitality

Butler Hospitalityは、1,500万ドルのシリーズA投資ラウンドを使用して、中核となる4つの都市への拡張を先導する。ホテルのルームサービス提供を効果的に引き継ぐ“ghost kitchen”サービスは、現在ニューヨーク市で運営されており、20211月までにシカゴ、マイアミ、ワシントンD.C.で開始される予定。同社は、PhocusWireHot 25 Startups 20191つに選ばれた。Butler2016年に創設され、&Vestが率いる新しい投資ラウンドでは8,500万ドルと評価されたと主張している。これまでに調達された総資本は、今や2020万ドルに増加している。既存の投資家であるScopus VenturesKraft GroupLoebが最新のラウンドでMousse Partnersに参加した。仮想ルームサービスモデルは、ホテルのレストランを引き継ぎ、それらを近くにある他の非サービスホテルの配達ハブに変えることで機能する。同社は高級食品のメニューを設計し、独自のキッチンで注文を準備し、ニューヨーク市の場合は30分以内に配達することを約束している。同社は、ニューヨークの発生中にホテルに滞在していた医療従事者、検疫された高齢者、患者、軍関係者に175,000食を提供した。

(7/13 https://bit.ly/32RwnsT)

·           Mystifly

航空小売技術と支払いのスペシャリストであるMystiflyは、preシリーズBの資金調達ラウンドで330万ドルを調達した。同社によると、投資はCOVID-19が発生するまでの数か月間で収益性の高いビジネスとして運営されることにほかならない。2016年にMystiflyのシリーズAラウンドに投資した日本のリクルート社も、この最新の投資を主導した。声明によると、同社はデータサイエンスと機械学習機能を強化するために資金を使用する。Mystiflyの創設者兼CEO Rajeev Kumarは次のように述べている。「航空会社の小売りと効率的な支払いの時代が始まった。航空会社は、航空座席の価格よりもマージンの高いサービスを含め、より関連性の高いオファーを提供するため、支払いコストを節約し新時代の小売業者になることで収益を大幅に改善する。」Mystiflyは、2009年にインドのバンガロールで設立され、現在はシンガポールに本社を置く。2月にエアラインショッピングおよびリテールハブのテクノロジーを発表した。(7/13 https://bit.ly/2WVEGjA)

·           Beekeeper

従業員コミュニケーションプラットフォームのBeekeeperは、シリーズBの資金調達額を1,000万ドル追加した。追加の投資により、最初と2月の500万ドルの追加と合わせてこのラウンドの合計は6,000万ドルに達した。

BeekeeperのシリーズBラウンドは、当初20199月に4,500万ドルと発表さていた。追加投資はEnergize Venturesが主導し、HighSage VenturesSwissCantoThayerSwisscomInvestiereAlpana VenturesSwiss Postも貢献した。Beekeeperは、調達資金はアプリ市場を拡大し、新バージョンであるBeekeeper 2.0を立ち上げることに向けられる。

Beekeeperのプラットフォームは、Hilton, InterContinental Hotels Group and Marriott Internationalなど、多くの大規模なホテルグループで使用されている。(7/15 https://bit.ly/2EiKGwl)

·           Gett

世界中の企業顧客を地上交通機関のオプションに接続するイスラエルを拠点とするGettが、1億ドルの資金調達ラウンドを完了した。出資者は、いくつかの新規および既存の投資家が含まれていると発表されただけ。このラウンドの前は、フォルクスワーゲンから3億ドルを含む8億ドル以上の資金を調達していた。2010年に設立されたGettは、Fortune 5003分の1を含む、17,000以上の企業顧客にサービスを提供している。そのSaaSクラウドソリューションは、100か国にわたって、乗車、タクシー、運転手、リムジンサービスを含むあらゆる輸送業者を、単一の予約プラットフォームで統合する。同社は、201912月に、輸送、配送、シャトルの各プロダクトラインで営業利益を計上した。 (7/21 https://bit.ly/39rXN9T)

·           Hotailors

法人旅行サービスプラットフォームのHotailors (ポーランド)が260万ポンド調達。投資家はDialCom24, Alfabeat他に個人投資家たち。顧客にはGoogle, Vodafoneなどが存在する。Hotailorsは、コントラクターやフリーランサーやベンダーなどの社外従業員の法人旅行を管理する新興企業SAP:iO Foundry開発プログラムを終了したばかり。(7/24 https://bit.ly/2ZYLgaN)

 

 

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注目した記事9.23

国際線乗客に空港で出発前コロナ検査を、IATAが利用促進案(ロイター9.23)

 

https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-airlines-iata-idJPL3N2GJ2Z1?il=0

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