海外事情

フォーカスライトJapanでは、PhocusWire Daily (phocuswire.com) 並びにTravel Weekly (travelweekly.com)を含む海外主要旅行業界誌から、面白そうな業界ニュースを選別し日本語に意訳して、トラベルジャーナル(TJ)の隔週コラム「FROM THE WORLD/海外事情」とTD 勉強会(e-rtb.com)に掲載しています。TDTravel Distribution)勉強会の「海外事情 アーカイブ」では、TJのコラムに掲載したニュース以外の記事を、TJコラム発行日の3日遅れで掲載しています。 

   

 ■2018年4月2日 お知らせ 

 

TD勉強会のサイトをリニューワルしました。 

e-tdb-world.wixsite.com/index  をご覧ください。 

のサイトに掲載した「海外事情」のニュースの全てを閲覧することができます

 

閲覧には、以下の手順により会員登録が必要です。

ステップ 1) 「お問い合わせ」ページより、会員情報を登録

ステップ 2) 「ログイン/会員登録」→「新規登録」より、

                     Wixアカウント(メルアドと任意のパスワード)を登録

 

2020422

 

海外事情 413日号 (2)

 

 

今週(323日の週)もコロナウイルス関連記事で埋め尽くされている。329日現在の世界の感染者数は665千人、うち死亡者30千人(3/30日経)に急増、まさにパンデミックの状況だ。IATAは、3月初めの旅客収入の減収見積もりを2,520億ドル(28兆円)に倍増させた。CAPAは、5月末までに殆どの航空会社が倒産すると予想する(航空経営研究所aviatn.com)。底なしの状況だ。多くの記事が、世界の旅行関連会社各社がコスト削減と流動性確保に駆け回り始めていると報道。そんな中で、「1. (TJ) 航空会社BSP対応に避難」は、航空会社が政府の補助金をもらい、流通業者への救済がないのは不公平だと伝える。そして、流通業者が旅行者に現金により払い戻しをしているにも拘らず、航空会社は流通業者にBSP規則の遵守を要求、その上、換金不能のクレジットノートにより払い戻しを行っていると非難している。バリューチェーンがフォールアウトしていると言うのだ。「14. コロナウイルス終息後のタビナカ旅行」は、何時になるかは全く予想できないパンデミック終息後の、セルフガイドツアーとステーケーションの拡大を予想する。

 

こんな悲惨な記事を読むと、中国では終息しつつあると言っている「2. (TJ) 中国で航空便検索が復活」、「9. 中国チューナーとCトリップで国内旅行復活」の2つの記事は俄かに信用できるものではない。(編集人) 

 

 

目次

 

1. (TJ) 航空会社BSP対応に避難

 

2. (TJ) 中国で航空便検索が復活

 

3. (TJ) ホテルをコロナ対応に提供

 

4. (TJ) トラベルズー、アジア撤退

 

以上は、トラベルジャーナル413日号を参照ください

 

 

 

5. セーバーのコロナウイルス対策

 

6. エクスペディア、取消不可予約を払い戻す

 

7. コロナウイルス蔓延前の旅行関連各社決算

 

8. OTAウエッブジェット増資計画

 

9. 中国チューナーとCトリップで国内旅行復活

 

10. デジタル旅行会社、政府救済要求

 

11. 電気空飛ぶタクシー新興企業 $240M調達

 

12. アマデウス、€300Mコストカット

 

13. 旅行関連企業の手持ち流動性

 

14. コロナウイルス終息後のタビナカ旅行

 

 

 

5. セーバーのコロナウイルス対策

 

Sabreが大規模なコストカットをしている。ボランタリー無給休暇の取得、世界の社員の解雇と早期退職(severance and early retirement)、第三者契約とベンダーコストの削減など、カットは大きな広がりを見せている。米国ベース社員は基本給の削減(削減額不詳)、CEO25%のペイカットとなる。米国以外の社員は、任意ベースでコンペンセーションの削減に参加することになる。コロナウイルス勃発により、セグメントフィーから払うGDSインセンティブと、準変動技術ホスティングコストのおよそ250Mドル(約280億円)の削減を余儀なくされるとSabreは言っている。株主に対する四半期配当も見送られる。年金401Kマッチプログラムの一時的停止、取締役会メンバーに対するキャッシュリテイナーの減額も含まれている。2020年における、200Mドルの現金コスト削減を特定できているという。(PWD 3/20 https://bit.ly/2Jf5DaM)

 

 

 

6. エクスペディア、取消不可予約を払い戻す

 

Expedia Groupsが、コロナウイルス蔓延の緊急事態に対応して、同社の全てのOTAsで、取消不可のホテル予約の払い戻しに応じる措置をとる。これは、世界取消手数料免除プログラム「Global Cancelation Waiver Program」で、これに参加したホテルの319日以前の320日から430日までの全ての取消不可予約の払戻に応じることとなる。Booking.comでも同様の措置を講じているが、ホテルの意向は確認していない。(PWD 3/23 https://bit.ly/2QMjhGy)

 

 

 

7. コロナウイルス蔓延前の旅行関連各社決算

 

2019年の旅行関連各社の決算は、間違いなく今後の暫くの間の最高決算となるだろう。コロナウイルスの影響は、次回以降の決算を見なければ分からないが、最近の各社のステートメントを見る限り、天文学的な大きなものとなるだろう。

 

以下は、PhocusWire Dailyが伝えた最近の決算発表の記事である。

 

 

下図は、上場企業の2019年第4四半期決算の収入額である。

 

 

(PWD 3/23 https://bit.ly/2UxVniV)

 

8. OTAウエッブジェット増資計画

 

Webjet250M豪ドル(約168億円)の増資を計画している。プレイスメント(公募)とエンタイトルメントオファー(私募)に分割される。調達した資金は、コロナウイルスの影響に対応する手元流動性の確保のため。Credit Suisse, Goldman Sachs, Ord Minnettが幹事会社。問題は募集価格であるが、まだ決定されていない。水曜日の株価は3.76豪ドル、ファンドマネジャーは、最終市場価格の少なくとも50%割引でないと集まらないと予想している。増資が成功するかどうかははっきりしていない。Webjetはプライベート・エクイティ企業KKBからの出資を含む代替案を検討している。(afr.com 3/23 https://bit.ly/39ntSOI)

 

 

 

9. 中国チューナーとCトリップで国内旅行復活

 

Ctripが、同社のアプリで、旅行パッケージとアトラクションのチケットの販売を先週から開始した。Analysysによれば、国内ツーリズムは、昨年の47%増よりも大きな60%増になると予想する。中国のトップ国立観光スポットの40%が再開し、火曜日時点で中国国内のよく知られた1,449の観光スポットのオンライン購入が可能になる。Ctripのプラットフォームでは、国内旅行会社の事業再開とアプリ経由の各種のツアー販売が見受けられる。Ctrip15,000人のネット市民調査では、78%が近いうちの旅行希望を表明している。Qunarでは51日の休暇旅行検索が先週に比べて76%増加した。Ctripのスポークスマンは、旅行と業界の将来は明るいと楽観的なコメントをしている。Analysysは、中国ツーリズム経済が、ウイルスが勃発している期間に、少なくとも1日あたり平均100億元(約1,600億円)の損失を被ったと推定している。この間、CtripQunarも数百万の予約変更や取消や払戻の電話対応に忙殺された。全国的な完全回復は5月までかかるだろう。強力なリバウンドは夏か10月となるだろうとAnalysysは分析している。Ctripでは、80%の国内予約が取り消された。火曜日に発表された1231日に終わった四半期決算では、収入が83億元(約1,330億円)、純利益が20億元(約320億円)であった。2020年第1四半期には、前年比45%~50%減収を見込む。株式支給を除いて損失は17.5億元〜18.5億元となる見通しである。(SCMP.com 3/24 https://bit.ly/2vR7Ztk)

 

 

 

10. デジタル旅行会社、政府救済要求

 

グローバルな流通システム、OTA、およびデジタル旅行セクターの他のプレーヤーは、欧州委員会に、コロナウイルスの発生に起因する財政的支援の計画にそれらを含めるよう求めている。加盟国政府と委員会自体は、航空会社とホテルの救済の際には、レジャーと出張のエコシステム全体の救済を検討するよう求められているのだ。この広大な追加領域の企業には、マーケティング、流通、サポート旅行サプライヤーに関係する企業が含まれる。その多くは、消費者向けのパートナーと同様のビジネス不振に見舞われているからだ。

 

Amadeus, Travelport, Booking.com, Expedia Group, Skyscanner, TripAdvisor, eDreams ODIGEOなどのメンバーを含むロビー活動組織EU Travel Tech(以前のETTSA)は、COVID-19の発生は、我々の社会と経済にわたって例外的な難題を突きつけていると語っている。

 

この協会に属すブランドは、ビジネスを共にしている航空会社・ホテル・短期レンタルホスト・レストラン・バス会社・観光ガイドなど、大小さまざまなサプライヤーに情報を提供し、現下の状況に適応させていると述べている。欧州委員会は、舞台裏で働いているこれらのブランドに効率的で即時のサポートを提供するべきであると言う。EU Travel Tech事務局長のEmmanuel Mounierは次のように述べている。「我々の加盟企業は、航空会社・ホテル・その他のサプライヤーをサポートする努力をしている。欧州委員会とEU加盟国は、この例外的支援措置を業界全体に対して適用させることが肝要だ。これは、旅行会社(オンラインおよびオフライン)、グローバルな流通システムなどのテクノロジーソリューションプロバイダー・宿泊施設・メタサーチ・旅行管理会社などの旅行プラットフォームを含む、旅行エコシステム全体をサポートするポリシーを意味する。」(PWD 3/24 https://bit.ly/3atMLRr)

 

 

 

11. 電気空飛ぶタクシー新興企業 $240M調達

 

航空会社の新興企業Liliumは、24000万ドルを超える新たな投資を受けて、COVID-19以降の世界に備えている。Tencentがラウンドを主導、AtomicoFreigeistLGTなどの他の既存の投資家の参加を得た。今回の契約により、Liliumの資金調達総額はこれまでに34,000万ドルを超え、最新のラウンドは2017年に行われていた。ドイツのミュンヘンに拠点を置くLiliumは、2025年には地域のモビリティサービスを運航する、排気ガスのない垂直離陸航空タクシーを開発している。同社は、飛行試験の最初の段階を完了した。資金は、Lilium5人乗りジェットをさらに開発し、新製造施設内での連続生産基盤を確立するために使用される。(PWD 3/24 https://bit.ly/2UeyMsS)

 

 

 

12. アマデウス、€300Mコストカット

 

Amadeusは、COVID-19が航空業界に及ぼす影響への対策として、コストと資本支出を3億ユーロ削減している。月曜日に出された投資家への声明で、同社は「流動性を保護するための一連の措置を採用した」と述べている。同社は、「旅行のキャンセルと国別の国際線の制限の組み合わせが、世界の航空業界に深刻な影響を及ぼし、その結果、予約と搭乗客の両方に影響を与えた」と語った。コスト削減の取り組みに加えて、アマデウスは、現在の10億ユーロの「リボルビングクレジット信用枠」および66,000万ユーロの現金準備に加えて、ほぼ10億ユーロの流動性を確保。 同社はまた、6月の株主総会に予定されていた32000万ユーロの配当金の支払いも取り消す予定である。声明によると、アマデウスは四半期ごとの3億ユーロの削減プログラムを見直す。さらに、欧州投資銀行からの12,700万ユーロの融資を含めた同社の現在の流動性レベルは、十分な流動性確保を示している。今年の同社の債務的義務は、10月の5億ユーロの満期、及び欧州の商業信用枠の73000万ユーロである。Amadeusの決算発表に関するCredit Suisseのアナリストのメモは、ヨーロッパがAmadeusのビジネスボリュームの約40%を占め、アジア太平洋が約25%、北米が15%であることを示している。Credit Suisseはまた、Amadeusの研究開発への投資抑制に失望を表明している。先週、ライバルのGDS Sabre2億ドルのコスト削減を発表した (PWD 3/25 https://bit.ly/2R4juVN)

 

 

 

13. オンライン旅行企業の手持ち流動性

 

オンライン旅行企業は、コロナウイルス蔓延による経済的打撃を軽減するために、幹部給与カット、新規雇用中止、可処分支出削減などの多くのコストの削減に手をつけている。経済協力開発機構OECDの最近の報告によると、非金融企業の社債残高は、2019年末に過去最高の13.5兆ドルに達した。何年もの間、企業は歴史的な低金利を利用し、新しいプロジェクトに投資して成長を推進するために借金に依存している。結局のところ、借金によるコストは本質的に何もなく経済は浮揚した。現在、世界不況の可能性が高くなったために、以前の負債依存は、一部の企業にとって悩みの種になる可能性がある。

 

COVID-19が原因で減収が発生した場合、オンライン旅行会社は借金返済の可能性が低くなる。これらの企業は、経済的障害を乗り越えることがより困難となりいくつかの難しい決定を下さなければならなくなるだろう。言い換えれば、債務は経済的荒廃を強める。以下が、オンライン旅行会社の手元流動性に関する情報だ。

 

Expedia Group

 

負債満期返済を除き、同社の長期負債は2018年の37.1億ドルから2019年末には41.8億ドルに増加した。この時点で、基本的に、手付かずの20億ドルの無担保リボルビングクレジットを有している。2020年のガイダンス発表を見送った318日には、コロナウイルス減収対策として手元流動性を高めるために、クレジットアグリーメントに基づく19億ドルを借りた。

 

これに加え、8月には優先債権(senior note750Mドルを含む当期満期債権を保有している。現金および現金同等物は2018年の24億ドルから2019年には33億ドルに増加している。

 

Despegar

 

Despegarは、2019年に、6月に運航を停止したAvianca Brasil倒産関連の不良債権償却損200Mドルを計上した。ブエノスアイレス本社のOTA Despegarは、負債を2018年の31Mドルから今年19Mドルに減少させた。しかしながら、現金およびその同等物は、2018年末の346Mドルから309Mドルに減少した。

 

MakeMyTrip

 

ローンと借入は、20193月の474,000ドルから20196月の23Mドルに増加した。インド最大OTA MakeMyTripは、2019年末の借入金を22.7Mに減少させた。現金およびその同等物は、177Mドルから163Mドルに減少した。

 

TUI Group

 

継続事業のネット負債は32億ユーロから20191250億ユーロ以上に増加した。IFRS 16会計標準の初の導入により影響を受けている。2019年最終四半期決算では、現金およびその同等物が17.4億ユーロから866Mユーロに減少した。

 

Booking Holdings

 

長期負債が、2018年の86.5億ドルから2019年の76.4億ドルに減少した。2019年末の転換社債は988Mドル。現金およびその同等物は、201826.2億ドルから63.1億ドルに増加した。

 

Trip.com

 

2019年末の短期借入金は43億ドル、長期借入は28億ドル、現金およびその同等物は28億ドル。コロナ対策として28億ドルの追加借入を欲していると言われている。

 

Sabre

 

2018年と2019年の間に、長期負債を33億ドルから32億ドルに減少させた。現金およびその同等物は、509Mドルから436Mドルに減少。

 

Amadeus

 

ネット財務的負債は2018年末の30.74Mユーロから2019年末の27.58Mユーロに減少した。同期間、フリーキャッシュフローは5.7%増加した。

 

Uber

 

2018年の68億ドルから2019年末の75Mに減少した。現金およびその同等物は、64億ドルから108億ドルに増加した。

 

Hostelworld Group

 

2019年末では借入金は無い。現金およびその同等物は、19.4Mドルに達した。ダブリン本社のこの企業は、子会社のGokiが利用可能な50万ドルのローンファシリティーオプションを保有している。

 

TripAdvisor

 

201912月時点で、319Mドルの現金およびその同等物を保有。負債ゼロは、現下の経済環境の急場を凌ぐ追加的柔軟性を持っている。

 

この記事は、PhocusWire Daily323日の週の閲覧数第2位。

 

 (PWD 3/25 https://bit.ly/39ndUUL)

 

 

 

14. コロナウイルス終息後のタビナカ旅行
金融市場は大幅に下落した、多くの企業は従業員を解雇もしくは一時解雇しなければならなくなっている。 それはスペインのインフルエンザと大恐慌をミックスしたような完全に恐ろしいケースだ。旅行業界はCOVID-19の影響をどのように受けるかの短い答えは「これより悪化することは無い」だ。

 

·                 都市は封鎖(ロックダウン)されている

 

·                 旅行者はツアー、宿泊施設、フライトの予約をキャンセルしている

 

·                 アトラクションは閉鎖されている

 

·                 中小企業は死にかけているが、残りは存続し、キャッシュフローを可能な限り最適化しようとしている

 

この危機がどれだけ続くかにもよるが、旅行者としての私たちの行動がより影響を受ける。ツアーがどのように変わるかについての私の考えは以下の3点だ。1.  新しい時代は、セルフガイドツアーとプライベートツアーの時代となる。 
実際、これはすでに起こっていた傾向である。2019年のArivalレポートによると、米国の旅行者はすでにプライベートツアーと少人数のグループを明確に好んでいた。 一般的なレベルでは、50%の人がすでに自分で旅行しているのだから、この割合が増えるだけだ。 
2.
価格に敏感な活動と、より良いお金の価値に焦点を合わせる 
COVID-19とそれに伴う金融危機は、人々の予算支出を変える可能性が最も高い。特に旅行やツアーは、旅行者にとってそれほど重要では無い。旅行が回復し始めたとしても、それはフライトと宿泊施設から始まるので、人々は危機後に、予算に見合った目的地の活動にもっと興味を持つようになることが期待される。 
3.
地元の旅行が海外旅行に勝る 
都市はロックダウンを終わらせ、人々は再び街路を歩き回ることができるようになるので、彼らは自分たちの都市とローカルエリアを発見することにこれまで以上に興味を持つようになる。安全上の問題により、海外旅行が制限される場合があるので、地元/国内旅行が、唯一の実行可能な旅行オプションであり続ける。 レストラン、ホテル、アトラクションなど、地元の経済が景気回復の最初の手段の1つであるため、地元の旅行が大幅に促進されることを期待して欲しい。外国の旅行者が戻るまで、地元の旅行に依存することになる。

 

著者のAlex Govoreanuは、 PhocusWireHot 25 Startups 2020 1つであるQuesto CEOおよび共同創設者。(PWD 326 https://bit.ly/3aowWvd)

 

+++++

 

注目した記事9.25

台湾航空2社、上期利益が世界1位と4位に(NNA ASIA9.25)

 

https://www.nna.jp/news/show/2098206

Fly better with enhanced health and safety measures | Emirates Airline

マラソン講座