目指すところ

  1. 日本の航空事業を概観すると、かつて世界のトップクラスに君臨した日本航空は現在再建の途上にあります。 また、地域や新たなマーケット創造の期待を背負い個性ある第3の航空会社を目指して設立された新規航空会社も、業績不振からその多くは大手航空会社との提携によって辛うじて経営を維持しています。そして、好業績の大手航空会社といえども、将来を楽観しているわけではなく、周辺事業を売却し航空事業への集中を強めることで、押し寄せる時代の波に対応しようとしています。

  2. これらの本邦企業を取り巻く事業環境としては、新世代長距離航空機の登場と近隣諸国の空港整備等により地理的優位性が崩れはじめ、空港等インフラ整備の相対的遅れが世界趨勢への立ち遅れに拍車をかけています。

  3. 海外に目を転じると、航空需要の急激な拡大でアジアの航空業界は活況を呈し、近年台頭した格安航空会社(Low Cost Carrier=LCC)が世界的にそのプレゼンスを高めています。またビジネスジェット等新たなマーケットも成長しつつあります。
    さらにいよいよ大量退役時代を迎えるパイロットについては、その要員確保が喫緊の課題となってきております。わたしたちの強みは、研究員の知識・経験・専門性の深さと幅広さ、そして何よりも航空を愛する情熱です。

  4. このような中、2010年の羽田空港再展開は、新たな事業機会を提供し、新しいビジネスモデルの誕生を含め、日本の空に大きな転機が訪れようとしています。

  5. わたしたちは、研究員夫々が持つ高い専門性、豊かな経験と日本の航空への情熱を結集し、航空事業を客観的に深く研究・分析します。そして航空に関する具体的な知識を分り易く幅広く普及させ、もってグルーバル化する航空産業における日本の航空業界の発展に微力なりとも貢献することを目指しております。

 

海外事情

 

6 10 日から 21 日までの 2 週間のオンライン旅行流通に関係する海外主要記 事です。
この号では、「3. OTA エアビーとレートパリティー」に注目したいと思います。 Airbnb がホームシェアに加えてホテルまで販売するとなると、
泊とホテルが 一つのプラットフォーム上で横並びにリストされることになり、タイプの異な る施設同士の価格比較が難しくなって、レートパリティーの維持が困難になる と言っている・・・と理解しました。しかし「(Airbnb では)、ゲストが施設の 真のコストを判断できない不明瞭なプライシングの環境が存在する」とはイマ イチ良く理解できませんでした。Airbnb が最近導入したホストオンリーのコミ ッションモデルであれば、OTA のモデルと近似するのですから、そんなことに はならない、のではないでしょうか?
 

 

Airbnb が上場して・・・顧客獲得コストが上昇・・・ホテルの直販志向を強 くさせることになるが・・・一方でパリティー破りの悪役である格安販売のホテ ルオンリーの業者が増加するデメリットも存在する」とも言っています。しか し、ホテルにとっては、Airbnb のホテル販売開始によってチャネルがそれだけ 増えるので(OTA の中抜きのチャンスが生じるので)良いことである、と考え るのは間違っているのでしょうか?ホテルオンリーのパリティー破りは、 Airbnb とは関係のない別の次元の話では。「Airbnb のコミッションが、将来値 上げされる可能性もある」と言っていますが、EXPEBKNG との対抗上、こ の大手 OTA2社を上回ることにはならないのではないでしょうか。Airbnb の 多角化戦略は、「焦点が合っておらず・・・会社(Airbnb)は衰退する可能性が ある」とも言っていますが、ホームシェアからホテル販売を開始して、OTAHotelTonight を買収し、OYO に投資し、そしてタビナカの Experiences プロダ クトを開発して EXPEBKNG に競争を挑むのは、まさに Airbnb総合旅行 会社になるという大いなる経営ビジョンであると考えるべきだと思います。 この記事の著者(OTA Insight, Chief Commercial Officer)は、Airbnb に対して かなり否定的であるようです。中小の独立ホテルにとっては、そもそもパリティ ーに縛られたくない筈ですから、Airbnb がパリティー維持を困難にしてくれる というのであれば、これは歓迎すべきことではないのでしょうか。最後に「ホテ ルは、ますます複雑化する流通を制御することができない。ゲストが他では取得 できない並外れたエクスペリエンスを提供することに最善を尽くし続ける必要 がある」については全く同感です。 

 

恒例のメアリー・ミーカーの「インターネット・トレンド 2019」が発表されま した。「12. メアリー・ミーカー、インターネット・トレンド発表」
この 333 枚のスライドでは、日本の企業は Sumitomo MitsuiLINEMIXI の たったの3社が言及されているに過ぎません。中国は独立した章(11China) で 30 ページ以上が割かれています。日本のインターネットテクノロジーの弱さ が見て取れて、とっても悲しいことです。(編集人)