マラソン講座:データから読み解く日本と世界の航空事業

 

                                                                                                             2019年4月5日

 

データから読み解く日本と世界の航空事業

 

日本や世界の航空事業について諸々のデータから読み解き、シリーズで解説してまいります。 

 

(内容) JALANALCC・中堅航空会社等日本の航空会社、世界の航空会社 

     国内旅客事業、国際旅客事業、貨物事業、空港事業

               事業構造・財務構造、業績 など 

 

 

(分析の方法等)

              ▶ 国・各社・業界関係機関などの統計や財務等の公開データをもとに分析。

 

      ▶ 同じ項目でもデータ源により微妙な数値の差異がみられますが、分析結果や説明の論拠に                     影響ないと判断される限りは原データ値のまま使用します。(従いまして引用する数値                      が各所で微妙に異なることがあります。)

 

          ▶ 経年推移を示す図表は原則として左(至近)から右(過去)に遡及する形で表示

 

        ▶ データ数値は説明記事や図表中に表示・引用するものを除き表示を割愛。 

           (個別のデータ・出典・分析の方法等についてのご質問には応じかねます。)

 

  

  (その他)

              ▶ この資料は公開されている情報をもとに行った分析です。 

      ▶ 情報提供のみを目的としており、判断は閲覧者自身で行って下さい。 

      ▶ 内容転載には出所を明記下さい。

 

以上

 

第1回 日本の航空会社の系譜

第2回ー第9回 国内旅客の概観

      ■4月6日 第2回:国内航空会社の系譜(概説)

                                

        ■4月8日 第3回:国内旅客の概観(1)旅客数と事業構造                            

 

        ■4月9日 第4回:国内旅客の概観(2)
                              

        ■4月11日 第5回:国内旅客の概観(3)会社別                              

 

        ■4月15日 第6回:国内旅客の概観(4) 

                                                                                        

        ■4月16日 第7回:国内旅客の概観(5)市場別                       

 

       ■4月19日 第8回:国内旅客の概観(6)

 

       ■4月22日 第9回:国内旅客の概観(7)空港別 

第10ー第12回 JAL/ANAの国内事業構造

第13-第14回 JAL国内線事業構造の変化

第15-第21回 国際線旅客概観

第22回 スターフライヤー

第23-第26回 貨物事業

海外事情

海外事情12月9日号

 

 

2つのIATA NDC標準に関する記事「4. NDC進捗状況」、「16. 航空会社の3つのテクノロジートレンド」が有った。4.の記事は、NDCは安定的に進展しているものの、乗り越えなければならないハードルがまだまだ存在すると述べている。その反対に16.の記事は、開発進展状況は計画通り順調だと述べている。後者は、IATAが主催した航空会社リテーリングシンポジウムに関する記事のため、多分にIATA寄りになっていると思われる。4.がより正確に実態を表しているのだろう。「技術的な問題よりも“人と金と政治”(people, money, politics)の問題が進展を阻んでいる」と言っている。NDC APIで接続して流通経費をできるだけ削減したい航空会社と、反対していたNDC に今では積極的に対応して、新たに登場したアグレゲータとの競争に勝利するためと、航空会社に“中抜き”させないための両方で頑張っているGDSとの、これからのせめぎわいが激しくなるだろう。

 

 

 

グロバールOTAの第3四半期決算で、EXPE22%大幅減益となった「9. エクスペディア 3Q 減益」。その反対にBKNG10%増益した「15. ブッキング3Q、増収増益達成」。どちらもnet incomeベースだ。EXPEの減益は、GoogleSEOに関するアルゴリズム変更が影響しているという。BKNGは、このチャネル規模がそんなに大きくなく影響が軽微であったという。TRIP3Qも減収減益となった「12. トリアド、トリップ・コムと中国合弁設立」。TripAdvisorブランドホテル収入が、Google自身のホテルプロダクト検索増加が原因で14%減少したのだ。Googleの旅行領域参入がますます本格化しているようだ。

 

117日、3社の株価は、EXPE27%BKNG8%TRIP22%、と値を下げた。市場は、オンライン旅行市場におけるOTAの今後の競争力維持を懸念しているのだろうか。OTAは、サプライヤー直販拡大はもとより、Airbnbなどの新たな販売モデルの台頭やGoogleなどのグローバルプラットフォーマーとの競争激化に直面している。(編集人)

5. (TJ) オヨ、15億ドル追加調達」と「14. スタートアップに200億ドル注入」の2つの記事から、今までOYOは累計で20億ドルほどの資金を調達し、その規模は過去10年間の世界の旅行領域スタートアップ総投資額200億ドル(約22兆円)のほとんど10%を構成していることが分かる。この多額の資金調達を支えている主要投資家には、ソフトバンクのビジョンファンドが含まれる。ソフトバンクは、最近、上場延期を余儀無くされた米WeWorkに(支援策として)50億ドルを出資することを決定した。(ビジョンファンドは、すでに累計100億ドル=約1.1兆円)をWeWorkに投資している。)出資しているUberの株価も上場時より25%も下がっている。まさかOYOWeWorkの二の舞なんてことには・・・? ビジョンファンドの主要投資先には、旅行関連では、OYO, Uberに加えライドシェアのGrab(シンガポール)と滴滴出行(中国)がある。 

 

15. トーマスクックと中小旅行会社」と「16. トーマスクック倒産の教訓:流通ミックス重要」は、トーマスクック(TCG)の倒産原因が、アイデンティティー(企業の独自性)・リダーシップチーム・市場のトレンド・テクノロジー戦略、の5つに重大な問題(瑕疵)が存在したためだと解説している。そして、近代のトラベルテックが進化した市場では、API、オープンシステム、提携(後述再掲)の方法によって、中小旅行会社と雖もTCGと変わらない在庫にアクセスすることが可能であると説いている。むしろ中小旅行会社の方が、小回りがきいて、経営環境の変化に迅速に対応し、社内のコミュニケーションにも優れていると書いている。また、大手ツアオペに送客をべったり依存するのではなくて、複数のデジタルチャネルを利用するチャネル管理が極めて重要だと教えている。 

 

10. テクノロジー・コンバージェンス」は、スタンドアローンの複数のシステムを繋げば(コンバージェンス/融合すれば)、より優れたアウトプットが生まれると言っている。恥ずかしながら、この言葉を初めて聞く者には即ピンと来ないが、その一例として記されている、Disney+ABS+Pixar+MarvelViacom+Paramount Studio+CBSM&Aによる企業の混ぜ合わせを見ると少しは理解が進む。要すれば何から何までの自前主義は(あるいは個別システムの独立させたままの寄せ集めでは)もはや通用しないので、これからはテクノロジー・コンバージェンスをよく理解して、自分に相応しいパートナーとの提携戦略(あるいは個別システムの繋ぎ合わせ)が必要だと言っていると解釈した。DisneyViacomの場合はM&Aによりそれを実現している訳であるが、M&Aだって提携の究極的な形である。トラベル・エコシステムの発展も、ここ辺りにそのレゾンデートルがあるのかもしれない。観光MaaSだって企業間提携をベースにしている。そう言えば、TCG倒産ニュースでも提携について触れている。また「1. (TJ)ブッキング、航空便予約開始」で、Booking Holdings CEOConnected Tripと言っている。コンバージェンス、コネクテッド、融合、繋ぐが重要なキーワードとなりつつあるようだ。インターネット社会のIoTが進んでいる訳だ。(編集人)