海外事情

フォーカスライトJapanでは、PhocusWire Daily (phocuswire.com) 並びにTravel Weekly (travelweekly.com)を含む海外主要旅行業界誌から、面白そうな業界ニュースを選別し日本語に意訳して、トラベルジャーナル(TJ)の隔週コラム「FROM THE WORLD/海外事情」とTD 勉強会(e-rtb.com)に掲載しています。TDTravel Distribution)勉強会の「海外事情 アーカイブ」では、TJのコラムに掲載したニュース以外の記事を、TJコラム発行日の3日遅れで掲載しています。 

   

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2019年12月3日

 

海外事情 1125日号

 

 

今週号では、「7. アゴダの多角化戦略」、「8. ブッキング、民泊の新戦略」、「13.ブッキング、法人旅行テックプロバイダー買収」、「15. ブッキング、配車アプリのグラブと提携促進」と、BKNGの関連ニュースが4つもあった。BKNGの「Connected Travel」戦略の遂行が進んでいる。BKNGの場合は、Internet of Things (IoT)が、Internet of Travel (IoT)と読み替えているように感じられる?

 

 それよりも、3つの記事が印象深い。「10. 本当のディスラプション」、「22. ソーシャルメディアと旅行」、「24. 東南アジア市場の2つの問題、OYOとインスタ」の3つだ。

 

10. 本当のディスラプション」では、ディスラプティブのプロダクトは、必ずしも既存企業よりも良いわけではなく、今まで既存企業が不経済なために手を出さなかったサービスのニーズに取り組んだか、以前は特定できなかったニーズのいずれかであると説いている。そして、ディスラプティブを起こしているのは、テクノロジーでなくて、創造性を発揮したクリエイティブなモデルであることを再確認させてくれた。

 

22. ソーシャルメディアと旅行」は、旅行とソーシャルメディアの相性が抜群に良く、旅行業界がソーシャルメディアを誰よりもうまく使っていると言っている。ソーシャルメディは、人と人の繋がりをインターネットで補完するコミュニーケーションサービスなのだから、顧客とのエンゲージメントに優れているのは当たり前だ。これを上手に使っていないとすれば問題だ。

 

24. 東南アジアの2つの問題、OYOとインスタ」は、この地区における観光公害の実態を報告している。オンライン旅行ガイドTravelfishStuart McDonaldが、過去15年間で悪化している観光公害の実態を、歯に衣着せずのタッチで断罪している。(編集人)

 

 

目次

 

1.     (TJ) エアビー、チケッツに投資

 

2.     (TJ) クルック、モバイル客に照準

 

3.     (TJ) グーグル、体験アプリ閉鎖

 

4.     (TJ) 意思決定の早い顧客が鍵

 

以上は、トラベルジャーナル1125日号「FRIM THE WORLD」海外事情をご覧ください。

 

 

5.     東南アジアPart 2: 東南アジアのソリューション

 

6.     東南アジアPart 3: 地元企業の成長

 

7.     アゴダの多角化戦略

 

8.     ブッキング、民泊の新戦略

 

9.     トリアドの即予約

 

10.  本当のディスラプション

 

11.  ATPCO、セーバーとアマデウスと提携

 

12.  トラベルズー第3四半期、APACで欠損

 

13.  ブッキング、法人旅行テックプロバイダー買収

 

14.  バジェットホテル プラットフォームのレッドドアーズ

 

15.  ブッキング、配車アプリのグラブと提携促進

 

16.  バケーションレンタルのバカサ、ユニコーンに成長

 

17.  バージンギャラクティック一歩前進

 

18.  総合法人旅行システム欠落

 

19.  東南アジア、オンライン旅行のメルティングポット

 

20.  ペガサスの新プラットフォーム

 

21.  オミオ、ローム2リオ買収

 

22.  ソーシャルメディアと旅行

 

23.  リフト第3四半期、依然として欠損計上

 

24.  東南アジア市場の2つの問題、OYOとインスタ

 

 

 

5.   東南アジア Part 2: 東南アジアのソリューション

 

Cento Ventures2019年上半期の東南アジアテック投資レポートによると、その6か月間にさまざまな分野の300社以上に60億ドル近くが投資されており、2019年の総投資額は2018年の約120億ドルと同額になると予測されている。また、Golden Gate VenturesINSEADの予測では、2023年から2025年の間に東南アジアで少なくとも700のスタートアップのエクジットが予測されている。INSEADの起業家活動と家族経営企業(entrepreneurship and family enterprise)の教授であるClaudia Zeisberger氏は、「東南アジアの繁栄する起業エコシステムで起業家になるのは確かにこれ以上より良い時はない」と述べている。

 

東南アジアに関するシリーズのPart 2では、旅行スタートアップの展望を、この地域の投資家と創業者からの視点で洞察し調査する。

 

資金を追いかける Follow the money

 

PhocuswrightThe State of Travel Startups Interactive Databaseによると、東南アジアには2005年以降に設立され、現在も稼働している旅行業界の新興企業が100社以上ある。シンガポールに本拠を置くGrabとインドネシアに本拠を置くGojekTraveloka3つは、地域の11のユニコーンに含まれ、少なくとも10億ドルの価値を持つ企業である。他の大規模で有名なブランドには、バジェット宿泊施設のスタートアップReddoorz、オンライン旅行マーケットプレイスWego、ツアーおよびアクティビティプロバイダーBeMyGuestが含まれる。この地域の好調なマクロ経済見通しは、この成長の推進力の1つである。

 

1人あたりのGDPを代用して平均的な東南アジアの豊かさを見ると、平均的なインド人の約2倍の豊かさだ。中国はまだ10年遅れているが、すでに非常に有望な段階で、インドの1人あたりの6倍の可処分所得に達している」と語るのは、東南アジアでの成長段階(growth stage)投資に焦点を当てたプライベートエクイティ会社であるAsia Partnersの共同設立者でありパートナーであるOliver Rippel

 

「また、オンライン旅行は、通常、新興市場におけるトランザクティブなeコマースサービスの分野で先駆的なセグメントの1つである。中国やインドのような市場でそれを見てきた。」

 

8月、Asia Partnersは、RedDoorz向けにシリーズC7,000万ドルの資金調達ラウンドを主導した。RedDoorzは、まだオンライン化していない地域の初めての旅行者向けの1つ星と2つ星のホテルの、非常にスケーラブルなバジェット施設市場で、テクノロジーソリューションを提供することに注力している。

 

KKDayGoQuoを含む東南アジアのポストシードステージテクノロジー(post seed stage)スタートアップに投資している企業Monk's Hill Venturesの共同設立者兼マネージングパートナーであるKuo-Yi Limは、この地域の中流階級 ― デジタル消費で成長し、豊かで快適な暮らしをしている ― は、国内旅行に対する盛んな興味に対応した、より多くのソリューションを必要としている。

 

「たとえば、インドネシアは巨大な国であり、27千万人と、数千の島々の広大な群島、多くの興味深いアトラクションがある」と彼は言う。「しかし、それは非常に組織化されておらず、非常に断片化されており、非常に不透明だ。そのため、その組織、流通、それらの周りのリンクを提供する者には、旅行を促進する多くの機会がある。」これらのロングテールサプライヤーを東南アジアのオンライン市場に広めることは複雑な作業である。

 

「ここでの主な課題は、適切なビジネスモデルを特定するという点ではあまり無い。その課題は、現場での実行という点がより大きい」とRippelは言う。

 

「さまざまな市場の現場で効果的なアカウント管理構造を構築する必要がある。多くの場合、まだオンラインではないため、オンラインでそれらのビジネスを獲得することはできない。そのため、ビジネスの実施方法に関する現地のニュアンスには、これらの企業の多くがゼロから構築しなければならない特定の組織力と実行力が必要だ。」新しいスタートアップにとっては、かつてないほど混雑した市場で際立っている(差別化している)という課題もある。 

 

「しばらくの間、参入のための余地がかなり存在したが、今では創業者はより革新的かつ成功するためのアプローチにもっとニュアンスが必要」とLimは言う。「それは投資家の観点からの挑戦でもある。新しい革新的なスタートアップを見る際、投資家たちは常にバックミラーを見て、Travelokaのような既存の、またはより大きな新興プラットフォームプレーヤーがいつそれに追いつくのか、あるいは同じ機会を利用してしまうかを考える。」

 

Limは、Airbnbがエクスペリエンスとレストランに拡大し、Googleの存在感が拡大するにつれて優位性が高まっていることに注目している。

 

Googleが旅行領域で活動している。問題は、いつ東南アジアに照準を合わせるかだ。それはまだ見られない」と彼は言う。

 

創業者は前進する Founders move forward

 

競争の激しい状況にもかかわらず、我々が話した2人の創業者は、東南アジアでの成功の見通しについて楽観的だ。

 

Dylan Tanは、2018年半ばにシンガポールに拠点を置くSplitを共同設立した。同社は、航空会社、ホテル、オンライン旅行会社が顧客に分割払いを行えるようにした。 Splitはテクノロジーを提供し、旅行のサプライヤーに販売時点で即座に支払い、これらのサプライヤーに対する不払いや詐欺のリスクを排除する。

 

「東南アジアでは、大半の人がクレジットカードを所有していない。大多数の場合、彼らは新たに中産階級に入り、デジタル経済に参入したが、金融機関にはそれらに関する多くのデータがないため、銀行はクレジットカードを発行するリスクを冒すつもりは無い」とTanは言う。「だから、前払いのコストを取り除けるかどうかが分かっていれば、何百万人もの人々が旅行する可能性がある。そして、東南アジアの急成長中流階級を考えると、彼らの多くが初めて旅行するだろう。」201810月、SplitWebInTravel会議でStartup of the Year賞を受賞した。それ以来、同社はマレーシアの陸上輸送オンライン旅行会社CatchThatBus、および航空会社(名称不詳)と契約した。平均して、Splitを通じて分割払いする旅行者は、前払いする旅行者よりも19%多く支出すると言う。現在、同社はシードラウンドの資金調達最中で、来月にはこの資金を使ってテクノロジー開発を続ける計画だ。「東南アジアにおける決済は非常に細分化されているため、1つのだけの分割払いプロダクトだけを構築することはでき無い」と彼は言う。「だから、さまざまな市場に参入するとき、プロダクトをローカライズする必要があり、それらに取り組むのは大変なことだ。」

 

BedLinkerの創設者兼CEO Thuan Daoは、東南アジア全体への拡大というビジョンも持っているが、現時点ではベトナムに焦点を当てている。それが彼の会社の本拠地であり、旅行会社、ツアーオペレーター、目的地管理会社、旅行管理会社が、BedLinkerのホテル在庫にアクセスするための市場である。201712月に設立された同社は、現在、ベトナムの3つ星から5つ星のホテル約700社と直接契約を結んでいる。また、HotelBedsなどのサードパーティのサプライヤーと協力して、マレーシア、インドネシア、タイ、フィリピン、ミャンマーで在庫を提供している。「ベトナムやその他の東南アジア諸国のホテルやリゾートは活況を呈しており、インバウンドビジネスを獲得できるように、ホテルの在庫を世界に配信するための支援が必要」と彼は言う。「独立系ホテルやリゾートには、テクノロジーに投資するのに十分な資金がないため、我々がテクノロジーに投資し、このプラットフォームを作成して、彼らを海外のより広い市場に繋げている。」

 

Daoは、彼がシンガポール、日本、韓国の投資家と仕事をしているシリーズAの資金調達ラウンドの真最中にいると言う。資本は、BedLinkerをホテルだけでなく、最終的には車の送迎やツアーとアクティビティー(T&A)のベトナム初の最大サプライヤーにすること、そして東南アジア全体に拡大するという彼のビジョンに向けられる。「ベトナム市場は現在あまり競争的では無い。この機会を利用して、市場シェアを獲得するために迅速に進みたいと考えている」と彼は言う。実際、BedLinkerSplitはどちらも競争の少ないB2Bソリューションスペースで営業している。PhocuswrightのアナリストConey Dongreによると、Travelokaの大きな数値を除くと、「消費者のオフラインからオンラインへの進化が巨大な機会を提供しているので、2009年から2019年の前半までに東南アジアのスタートアップが確保した資金の90%がB2Cスタートアップに費やされた」 (Travelokaを含めると、その割合は97%に跳ね上がる)。(PWD 10/14 https://bit.ly/2W0w5u4) 

 

 

6.   東南アジアPart 3: 地元企業の成長

 

東南アジアに関するシリーズのPart 3では、この地域の流通状況と、B2CB2Bの両方のローカルプレーヤーがパイを奪い合っている様子を見て行く。

 

バックグラウンド Background

 

SabreのオンラインビジネスのシニアディレクターであるTai Parataによると、東南アジアはアジア太平洋地域全体で参入するのが最も簡単な市場であると同時に最も困難な市場の1つである。「そこにある複雑化(complications)の範囲は非常に異なっている」と彼は言う。「英語が使えるシンガポールがある。eコマースの高いリテラシーがあり、顧客と支払いゲートウェイの堅実な基盤があり、クレジットカードの受け入れは非常に高くなっている。世界で最も参入し易い国のひとつだと思う。」シンガポールでの問題は、人口610万人(米国国勢調査局)だ。市場規模の比較では、ベトナムとインドネシアのような国があり、それぞれ人口は9,790万人と26,490万人だ。「人口は膨大だが、運用上の大きな課題がある」と彼は言う。決済は、特に国際的なプレイヤーにとって大きな課題であり、言語もそうだ。 「実際に、地域のオンラインプレイヤーがどのように成功しているかには、さまざまな問題が存在する。」彼は、TravelokaTiket.comなどの旅行ブランドの本拠地であるインドネシアをサクセスストーリーとして次のように指摘している。「インドネシアは非常に複雑であるため、地元のプレイヤーは長い間市場に参入しており、低コストのキャリア(LCC)を販売することで、彼らは顧客と直接強力なブランドを構築し、非常に深く現地に関連したプロダクトも持っている。」インドネシアでは言語と決済も問題になら無い。地元のブランド自身が成長しているためだ。「多くの国際的なブランドは、尻込みしている。この市場への参入は、彼らにとって大きな困難がつきまとい、自身のビジネスモデルを複雑にしてまで参入することに熱心では無い。」

 

Booking.comExpediaなどの国際的なブランドは、シンガポールなどの「より簡単な」市場への参入に最初に焦点を当てたとParataは言うが、ヨーロッパと米国での世界的な競争者が、より複雑な市場にも参入し始めている。

 

ローカルの利点と欠点 The local advantage – and disadvantage

 

シンガポール以外の地元ブランドは、「ある程度の孤立と学習」に頼って、地域全体で戦略を展開していると、Parataは言う。

 

「彼らは深いプロダクト(deep product)を開発するのに多くの時間を費やしてきたので、彼らはオンラインスペースで勝つつもりだ。」自社ブランドは、顧客を理解し(顧客が望むものや予約する休日の種類を含む)、彼らへのマーケティングのノウハウを知っている。「マーケティング面では、東南アジアは間違いなく簡単では無いが、多くの主要なターゲット市場が少数の都市に集中しているため、他の多くの国より簡単だ。」これらのブランドは競争の少ない環境で成長しているため、マーケティングの課題は、直面している運用上の課題よりも少ない。しかし、マーケティングにはまだ費用がかかる。

 

「彼らは市場を教育し、オフラインからオンラインに移行させる必要があるため、多くの金を費やす傾向がある。主な課題は、ビジネスを維持および成長させ、ビジネスを成長させ続けるのに十分な投資を行えるようにすることだ。」

 

ベトナムの旅行テクノロジー会社VLeisureCEOPhan Leは、別の課題は質の高い人材を見つけて維持するための資金を持つことだと言う。小売および卸売消費者がホテルの部屋、フライト、旅行保険を購入できるオンライン市場としてのVLeisureの利点は、地元市場とその強力なパートナーシップネットワークに対する深い理解である。「グローバルなオンラインプレイヤーと競争する代わりに、彼らと協力して彼らの主要な資産を使用する」とLeは言う。 「たとえば、中国の卸売業者と協力して中国語のコンテンツを入手したり、韓国のコンテンツのために韓国の卸売業者などと協力したりしている。その見返りとして、我々は世界中のオンラインプレイヤーに提供できるベトナム語のコンテンツを開発している。」

 

シンガポールを本拠地とするOTA Agodaは、Booking.comに次ぐアジアのトップの予約チャネルであり、最高マーケティング責任者のIttai Chorevは、テクノロジー開発が東南アジアでの成功の鍵であると述べている。「これはAgodaの中核地域であり、モバイル予約でも高速代替決済プラットフォームでも、この地域の顧客の要求を満たすためにより迅速にテクノロジーを開発しなければならなかったため、アジアに本社があるという利点がある」彼は言い。「アジアでうまく競争できれば、世界のどこでも競争できる。」

 

Chorevは、新たに資本を獲得した新規プレイヤーが市場に参入し始めているため、競争が激化していると述べている。「我々は、旅行者が望むものを届けるには、どの競争者よりも優れていなければない」と彼は言う。そのため、Booking Holdingsが所有するAgodaは、最近発表されたPricelineとのパートナーシップを通じたプラットフォームでフライトを提供するなど、旅行者のニーズを満たすために他のブランドのポートフォリオを利用している。

 

オフラインのハードル Offline hurdles

 

PhocuswrightPhocal Pointデータベースによると、オフラインチャネルは2019年にシンガポール、インドネシア、タイの総予約数の半分以上を占めており、2022年までに、このトレンドはわずかに減少すると予測されている(一方、マレーシアのオフライン予約は、 2019年の予約の50%をわずか下回り、2022年までに45%に減少する見込みだ。

 

Parataによると、低コストのキャリア(LCC)がオンライン空間での最初のオンライン購入の場所となる傾向があり、そこから消費者はOTAに移行しているという。 OTAにとっての課題は、OTAからの購入と信頼される市場を消費者に教育することだ。若い世代がオンラインになりつつあり、その浸透が進んでいるが、まだやるべきことがたくさんある。また、オンライン化を強力に促進するためには、各地域に3つのOTA競合企業が必要であると述べている。そうしないと、予約が横ばいになり、オフラインの顧客をオンラインにするための獲得コストが高くなりすぎる。シンガポールに拠点を置くB2BのツアーおよびアクティビティマーケットプレイスであるBeMyGuestにとって、直面する課題はサプライヤーをオンラインにすることだ。「アジアでの旅行のアクティビティー市場は、2011年からオンライン化が本格的に始まった。最初のいくつかのローカル/地域ブランドがプロダクトをデジタル化した」と、BeMyGuest CEOBlanca Menchacaは言う。「オペレーターによるテクノロジーの採用が少なく、依然として最大の機会を提供している成熟したセクターのままだ。しかし、ツールはユーザーと同じくらい優れている。チャンスは、適切なタイミングでノウハウと理解を持っている企業にある。」

 

Menchacaは、アジアのサプライヤーは欧米のサプライヤーよりも多くのサポートとガイダンスを必要とし、オフラインで運営するオペレーターと、モバイルで即座に予約できる電子チケットやプロダクトを要求する旅行者との間には継続的な断絶があると言う。「彼らは列に並ぶことを望んでいない、彼らはカウンターで対処したく無い、彼らは現金を持ちたくさえ無い、彼らは忍耐力に欠けて、直ぐにすべてを望む」と彼女は言う。「変化はあるが未だ先は長い。オペレーターの教育は、このセクターの進化のための鍵だ。」(PWD 10/21 https://bit.ly/2P8zQw4) 

 

 

7.   アゴダの多角化戦略

 

以下は、WebInTravel SingaporeにおけるAgoda CEO John Wroughton Brownの話である。

 

-        Agodaは、最新のトラベルテック、最適のインベントリー、最良の価格を武器に激化しているアジアの市場で優位に立っている。

 

-        ホテル予約に加え、Kayakから航空便、 GetYourGuideから目的地T&Aのインベントリーを得ている他に、代替宿泊施設の販売も行なっている。

 

-        航空便予約は、地域の顧客の希望が強いので、Kayakからのソーシングを止めて、現在は自前で運営している。

 

-        7月に、“Mix and Save”の新機能を導入した。これは、同一ホテル内の複数泊の客室予約を、日毎に料金のより安い客室と組み合わせて、合計した宿泊料金を最大で50%低下させる仕組み。

 

-        また、型破りの提携も実施している。ライドシェアーのGrabと提携した。Grabの顧客は、AgodaBooking.comでホテル予約ができる。

 

-        JTBとも提携した。世界のホテル在庫に対するアクセスを提供するサードパーティのアグリゲーション提携として始まったものが、JTB向けのテクノロジーを提供し構築するものに変化した。

 

-        将来は、目的地T&Aと滞在中のエクスペリエンスに注力したい。ホテル滞在中のエクスペリエンスの提供については、先ずホテルのPMSへの統合が必要だ。Booking Holdingsは、韓国の大手宿泊施設プラットフォームのYanoljaと提携した。Yanoljaから学ぶことが多い。 

(PWD 10/21 https://bit.ly/2o8hGQf) 

 

 

8.   ブッキング、民泊の新戦略

 

Booking.comは、サイト上で物件を流通したい民泊マネージャー向けに「優先パートナー」(Partner Up)戦略を展開する。同社は、短期レンタルのパートナーがポートフォリオを管理するのを支援する手段として、今後数か月でベンダーのリストを作成する予定だ。ただし、このユニットは、サプライヤーに流通サービスを提供する方法として、近年、流通およびソフトウェア会社を買収した組織内の他の部門には従わない。Booking.comは、以前に多数のサプライヤー関連ソフトウェアプラットフォームを買収している。

 

ホテルについては、2014年にBuuteeq(マーケティングおよびデザインサービス)およびHotel Ninjas(予約および流通)、20155月に収益管理プロバイダーPriceMatchを買収した。また2018年には当時の駆け出しのT&Aユニットのために予約システムFareHarborも購入した。

 

この新しいパートナープログラムは、プロのマネージャーの民泊コミュニティとの関係を改善するための多くの新しい取り組みの1つ。

 

導入される新しいサービスの1つは、Booking.comがホテルのプロパティのベンチマークに使用されるものと同じくらい広く認識されることを期待している業界初の品質評価システムだ。今年の初めから試験運用されたこのシステムは、場所、規模、施設などのさまざまな要因に基づいて5つの星で評価する。

 

Booking.comは現在、148,000の目的地に約600万の住宅とアパートをリストしている。(PWD 10/22 https://bit.ly/2N78l3k) 

 

 

9.   トリアドの即予約

 

TripAdvisorが、同社のSponsored Placementで宿泊施設のプロバイダー向けにインスタントブッキング(即予約)機能を追加した。20184月に導入されたSponsored Placementでは、ホテルがTripAdvisorBusiness Advantageプログラムに加入してスポンサードリスティングを購入し、自社のリスティングを他よりも上位にすることができる。今回、これにインスタントブッキング機能を追加して、予約を希望するユーザーをホテルのWebサイトに送り込む。以前は、OTAへのリンクのみが貼られていた。TripAdvisorは、Experience部門が20184月に買収したBokenのサプライヤーに対してもSponsored Placementを提供する。(PWD 10/23 https://bit.ly/2PjCSOq) 

 

 

10.   本当のディスラプション

 

世界のホスピタリティー市場は5,000億ドル(約54兆円)になる。過去100年間で、ビジネスモデルがホテルの所有者/運営者や不動産投資家のためのホテルの管理会社から、分散所有者やホテルとリゾートの不動産開発業者にいたるまでゆっくりと進化した。現在は伝統的ビジネスモデルがUber, Airbnb, AmazonGoogleに一新させられている。

 

多くの伝統的会社は、トラベルテックに向き合うことが必要だと感じ取っている。懸命な企業は、自社の立ち位置を確認し、変化する市場でリポジションし、ユニークな価値の提案を特定している。これらの企業は、彼らのモデルの古くなった部分を除去し、ディスラプターが戦うことができないものにフォーカスしている。ディスラプティブのプロダクトは、必ずしも既存企業よりも良いわけではなく、今まで既存企業が不経済なために手を出さなかったサービスのニーズに取り組んだか(これはローエンド事業と呼ばれる)、以前は特定できなかったニーズ(新市場ディスラプション)のいずれかである。

 

ローエンドのディスラプティブモデルでは、既存企業はしばしば不採算の理由でこれを無視してきた。しかし、ひとたびディスラプターが顧客ベースを拡大しプロダクトを改善して成長すると、大きな打撃を受ける可能性がある。

 

新市場におけるディスラプターは、既存のビジネスモデルが適合できなかった顧客のニーズに対応した。

 

ローエンドのディスラプターの好例がGoogle AdWordsである。Yahooのディスプレイモデルではできなかった、小規模企業にオンライン広告をもたらした。

 

新市場ディスラプションの好例はSalesforceで、Siebel6桁から7桁のライセンスフィーを支払えなかった市場で新市場を開発した。少ない機能しかないが、小規模企業がデジタルの世界でも戦えるようにした。Airbnbが、旅行業界におけるこの明らかな例である。これからは、ディスラプションを起こしているのは必ずしもテクノロジーではなくてビジネスモデルであることが分かる。

 

Car & Awayは、航空便利用の出張者の自家用車を空港でシェアするP2Pのモデルを開発した。

 

旅行会社で旅程の全てを予約する時代は終わっている。大抵は、目的地、ホテル客室、輸送手段のごとく、それぞれのエレメントを別々に取り扱うモジュールの組み合わせとなる。多くの場合、新たな高度にパーソナルされたエクスペリエンスのために、顧客はそれらのモジュールをつなぎ合わせてユニークなコスパが優れたエクスペリエンスを作り上げているのだ。

 

Hopperが将来の運賃を予測して最適な購入時期を知らせるアプリを開発した。Cynapseは、不案内な目的地を案内するバーチャルアシスタントを作った。

 

もちろんテックも重要な役割を担う。コネクティビティー無しには、これらのディスラプターは日の目を見ることはできなかっただろう。しかし伝統的企業も同様にテックを取り入れることができる。テックは誰にも公平に利用が可能であるが、テックの裏の創造的思考が真の革新を引き起こす。

 

多くのトラベルディスラプターは、ベイビーブーマーの両親とは極めて異なるミレニアル旅行者に照準を当てている。伝統的企業は、ミレニアル旅行者に関するデータの宝庫を所有している。問題は、それらを特定しハイライトするか(できるか)どうかだ。伝統的モデルのサブスクモデルを最初に考えたBeRightBackが存在する。顧客の期待の変化に着目してVRARのシャープなイメージを編集し旅行者に提供したRealitiesが存在する。

 

目的地の安全も重要だ、International Location SafetyTraveler Risk Tolerance IndexAI(人工知能)を駆使して安全情報を収集している。

 

これらの新たなディスラプターには一つの共通点が存在する。古い旅行モデルを明日の旅行者向けに作り変えている。ディスラプターの間では顧客情報が共通項となる。これらのモデルでは、よりダイナミックでインタラクティブな顧客エクスペリエンスを提供するために顧客情報が必要になる。ここで問題となるのが、これらの情報がどれだけパーソナライズドされて、どれだけ保護されているかだ。多くのスタータップは顧客データ保護と国際規則の準拠を過小評価している。これが行きすぎる場合は、顧客を数値に変換し、ヒューマニティーを無視したエクスペリエンス全般を台無しにするリスクを追うことになる。顧客の信頼をなくすばかりが莫大な罰金を支払わせられる羽目になる。(PWD 10/24 https://bit.ly/2MKGAib) 

 

 

11.     ATPCO、セーバーとアマデウスと提携

 

世界2GDSAmadeusSabreが、ATPCORoutehappy Rich Contentを、GDSの各種のフライトショッピングのインターフェイスやアプリで、旅行会社やOTAや法人予約ツールやその他の販売業者経由により、流通させることに合意した。航空会社と販売チャネルをコネクトするシステムの大きな近代化となる、

 

10年ほど前に設立されたRoutehappyは、2018年にATPCOが買収、その後AmadeusSabreとの協議が継続していた。これは、フライトショッピングで、機内エンタメ、Wi-Fi、座席レッグルーム、電気コンセント、手荷物許容範囲、取消規則などを含むフライトのエクスペリエンスの詳細を航空旅客に知らせるための提携。IATANDCを開発している。そしてGDSNDCに参加、そしてATPCORoutehappyの助けを借りて、航空会社とチャネルと共に次世代ストアフロント(Next Generation Store Front)を開発している。業界は、 10年経過して転換点に来ている。ATPCOは日本のInfiniと中国のTravel Skyに統合している。Travelskyとは提携していない。その理由は、Travelskyが独自のリッチコンテントのプロダクトを有しているからだろう。ATPCOは、SabreAmadeus以外の流通業者とも契約して行くだろう。(PWD 10/23 https://bit.ly/32Mz0cA)

 

 

 

12. トラベルズー第3四半期、APACで欠損

 

Travelzooの第3四半期の収入が、2.2%増収の2,550万ドルとなった。しかしAPACにおける事業の不振でアナリストの収入予想を下回った。中核事業からの利益は330万ドル、北米の250万ドルと欧州の94万ドルが貢献した。しかしながら、APACの営業損失210万ドルが足を引っ張り、世界の営業利益を120万ドルに引き下げた。前年同期のAPAC営業損失は160万ドルであった。APAC損失の原因は、中国におけるトップのマネジメントコンサルティングとの高額の契約料金。APACの収入は、16%減の170万ドル。Travelzoo2015年の市場参入以来APACで苦戦している。新たに採用したAPAC責任者によって2020年までのこの地域の黒字化を目指す。北米の収入は3%増の1,530万ドル、欧州はホテル+航空のパッケージが貢献、1%増の850万ドルであった。グローバルのネットインカムは306,000ドル。(PWD 10/23 https://bit.ly/31MMtQh) 

 

 

13. ブッキング、法人旅行テックプロバイダー買収

 

Booking Holdingsが、主たる投資家として、旅行とエクスペンスのテクノロジー企業Serko(ニュージーランド)のNZ$45百万($28.7M)資金調達でNZ$17.5Mを投資する。Serkoは、オンライン旅行プラットフォームZenoの世界展開を促進させる。BKNGSerko株の4.7%を取得する。Serkoは、この資金調達はZenoのグローバル大手企業のオンライン予約ツールの中におけるZenoの市場シェアの拡大と、BTN Innovative People’s Choiceアワードのお陰であると言っている。(PWD 10/25 https://bit.ly/3298c5b) 

 

 

14.  バジェットホテル プラットフォームのレッドドアーズ

 

シンガポールに本拠を置くバジェットホテルのプラットフォーマーRedDoorzが、フィリピン・ベトナム・シンガポール・シンガポールの合計100都市で1,500の施設を取り扱っている。2023年には10倍の15,000にする計画だ。今年、複数回の大きな投資ラウンドにより、東南アジア市場の展開拡大とテクノロジー開発に投資する。現在、低価格とモバイルの二つが、東南アジア旅行市場の成長の強力なドライバーだ。トラベルテックでは、ダイナミックプライシング ・在庫管理・収入最適化・運営向上のためのソリューションRedFoxを提供している。これに加え、モバイルアプリを開発している。RedDoorzの予約の75%は、このアプリから直接予約されている。

 

RedDoorzは、誰よりも展開先市場のローカル特性を理解している。これが差別化に役立っている。The Asia Pacific Chains Report 2018によれば、APAC市場では、400万室12万軒以上のホテルが存在するので、成長の潜在性は極めて高い。Google-Temasekの最新レポートによれば、東南アジアは世界最大の3億6千万のモバイルインターネットユーザーが存在、その90%が専らモバイルでインタネットに接続している。この地区のインターネット・エコノミーは継続して拡大、過去4年間で3倍拡大、2019年には初めて1千億ドルを超過した。2025年にはインターネット・エコノミーは3千億ドルに成長する予測されている。Google and Temasek/Baine-Conomy SEA 2019によれば、オンライン旅行は340億ドルに成長している。

 

RedDoorzは、このような市場の拡大を見通して、2015年にこの地区最大の国内観光旅行市場である264百万人の人口を有するインドネシア市場に参入した。現在、第3回資金調達ラウンドを最終化しつつあり、2015年にはタイ市場に参入する。

 

東南アジアには、いくつかの優良企業が存在する。個人の起業家では、Asia Partnersの共同創立者のOliver RippelNick Nashが居る。Rippelは、Naspersの元CEOでありNaspersFlipkart買収を指導した。20188月のFlipkartWalmart売却は、インターネットとeコマースにおける最大のエクジットに一つとなった。(ソフトバンクが25億ドルをFlipkartに投資、40億ドルで売却)

 

Nick Nashは、グレーター東南アジアの著名な起業家の一人で、2014~2018年の間、大手インターネット企業Sea(時価総額140億ドル)のグループ社長を勤めた。Nashは、Seaの画期的な第一次資本10 億ドルを集めたNY証券取引所上場を導いた。この上場は、東南アジア企業の米国における最大の上場となっている。東南アジアは高度に分散化されている。10の公式言語と数百の方言と社会文化的に多くの異なる行動パターンが存在する。このローカルの特性を理解するには時間がかかる。西側諸国の企業の参入を難しくしている。(PWD 10/28 https://bit.ly/2NCk4au)

 

 

15. ブッキング、配車アプリのグラブと提携促進

 

Booking.comGrabとの戦略提携を促進させ、同社のモバイルアプリにGrab の配車サービスを統合した。Booking Holdingsは、昨年、Grab2億ドルを投資している。東南アジアを訪問する海外旅行者に対して、Booking.comのアプリで、好みの言語と決済手段により、リアルタイムの輸送の予約を可能にする。Booking.comGrab配車サービスは、すでにシンガポールに展開、その後年内にインドネシアとタイに拡大する。来年初めには、カンボジア、マレーシア、ベトナム、フィリピンに展開する。何しろ世界の配車サービスの70%はモバイル使用率が圧倒的に高いアジアで発生している大市場である。

 

4月にGrabAgodaBooking.comを統合しホテル予約を開始、Grabは東南アジアの消費者向けスーパーアプリとなることを目指している。そしてBooking.comとの提携強化によって、今度は東南アジアへのインバウンド旅客13千万人向けのサービスについても強化する。Booking.comにとっては、Grabとの提携促進により、宿泊施設予約とタビナカのエクスペリエンスを繋げる同社の戦略“Connected Travel”の実現を一歩前進させる目論見だ。Connected Travelでは、全ての旅行の要素をシームレスに繋げて、あらゆる障害を取り除き安全安心な旅行を提供する考えだ(making travel easier)。

 

Booking.comでは、マシンラーニングを駆使してリアルタイムで旅行者の質問に回答したり、旅行の提案をしたりすることを計画している。例えば夕食の予約済みユーザーに対して配車サービスが必要かと問い合わせることを考えている。Booking.comでは、目的地におけるその他のサービスには、120ヶ国におけるタクシー事前予約と160以上のレンタカー予約に加え、欧州と豪州の一部の都市で公共輸送機関のチケット購入の実証実験を行なっている。(PWD 10/29 https://bit.ly/2qdxe5Q) 

 

 

16. バケーションレンタルのバカサ、ユニコーンに成長

 

北米のバケーションレンタル・マネジャーVacasaが、シリーズCラウンドで、このセクター最大となる319百万ドルの資金を調達した。この調達ラウンドでは、Vacasaの企業価値はユニコーンの基準10億ドルを上回る額に見積もられている。第2位の資金調達は、Airbnb2013年シリーズC2億ドル。この資金ラウンドは、Siler Lakeがリード、既存投資家のRiverwood CapitalLevel Equity, NewSpringが参加した。

 

2009年の創立以来、Vacasaは累計526百万ドルを調達、米国31州と17ヶ国に23,000以上のポートフォリオを保有している。23,000施設のうち9,000は、先週クローズしたWyndham Vacation Rentalの買収により加えられている。調達した資金は、市場の一掃の拡大とテクノロジープラットフォーム開発に充当される。Vacasaは、継続して不動産エージェント・バイヤーとセラー・市場のブローカーを連結するVacasa Real Estateプラットフォームを開発している。ダイナミックプライシング やマルチチャネルディストリビューションを含むこのテクノロジープラットフォームは、プロパティーのオーナーに対して初年度に31%増収をもたらす。9月には、Vacasaは流通パートナーにGoogleを追加し、検索プラットフォームとAPI接続する初のバケーションレンタル ソフトウエアーシステムとなった。宿泊客サービスでは、Vacasaは、モバイルアプリ、と施設清掃専業者と常時宿泊客アシスタントを提供している。(PWD 10/29 https://bit.ly/34qMnzG) 

 

 

17. バージンギャラクティック一歩前進

 

航空宇宙企業Virgin Galacticと公開投資会社のSocial Capital Hedosophiaの企業統合が完了した。統合後の会社はVirgin Galactic Holdingsと呼ばれ、20191028日にニューヨーク証券取引所で時価総額23億円企業として取引開始となる。VGCは自ら上場する代わりに、上場企業のSCPと合併し、被合併企業の社名をVGCに変更するユニークな方法を採用した。SCP当社はCaliforniaMojaveで航空宇宙開発子会社のThe Spaceship Companyを通じて宇宙飛行機体を製造し、商業業務はNew Mexico州のSpaceport Americaに置かれている。201812月に初の亜成層圏飛行を実施、20192月にはVSS Unityと呼ばれるSpaceShipTwoにより2回目の試験飛行に成功している。商業飛行は2020年開始を予定、チケット代金は125万ドル。60ヶ国の600人以上の予約を受け付け、収入12千万ドルのデポジット8千万ドルを受け取っている。(PWD 10/29 https://bit.ly/34qCHoF) 

 

 

18. 総合法人旅行システム欠落

 

総合法人旅行予約システム(integrated business travel booking)の実現は依然として夢物語の段階だ。Association of Corporate Travel Executiveの法人旅行調査によると、法人旅行バイヤー(トラベルマネジャー)の72%が、彼らの法人旅行プログラムが部分的にしか統合されていないと回答している。

 

American Express Global Business Travelが支援したこの調査は、オンライン予約ツール・法人カード・支出管理プラットフォームの3つが最も共通したプログラムの統合エレメントであるとレポートしている。興味深いことには、22%しかプロセスの一層の統合を実施する計画を有していないことだ。統合を阻んでいるのは、法人旅行者自身の問題を含む多くの障害が存在するためとトラベリウマネジャーが回答している。しかしながら、34%は法人旅行者が統合促進のドライバーとなっていると反対な意見を述べている。よりシームレスなプロセスのドライバーは、支出の見える化(spend visibility)、注意義務(duty of care)、ユーザーエクスペリエンス改善である。統合促進の難問は、社内と利害関係人の支援不足(30%)とリソーシス不足(25%)となる。しかしながら、28%は、繋げないシステムが統合を阻害していると回答している。統合促進のためには、62%がテックプラットフォームプロバイダーの、59%が法人旅行管理会社(TMC)の、39%が決済プロバイダーの支援が必要だと回答している。(PWD 10/29 https://bit.ly/2PGkS0P) 

 

 

19. 東南アジア、オンライン旅行のメルティングポット

 

東南アジアの中間所得層が急速に拡大、この地域では36千万人のインターネットユーザーの90%がモバイル機器に接続、旅行企業が販売拡大、eコマース企業が提携を通じて旅行を販売している。

 

APAC Amadeusオンライン部門社長Sebastien Gilverguesは、シンガポールの高度開発国から発展途上のミャンマーまで幅広く、この地域はオンライン旅行の最後の辺境であると言っている。今後3年間で5千万人の新中間所得層が誕生して市場における商機を拡大するとともに、インバウンド需要も活性化させるだろう。国内旅行、海外旅行、インバウンド旅行のトレンドのメルティングポットの状況だ。提携と拡大が、WebInTravel Singapore会議の最も共通したテーマだ。Grabは、アプリに航空便とアクティビティーの予約を追加する計画だ。Agodaも航空便予約を追加しGrabと提携する。AirAsiaは、他航空会社の販売に興味を示している。これらの展開は、この地区には大手ブランドを作り出す余地が存在していることを示している。またこの市場は、経済的と文化的に、そして通過、決済オプション、サプライヤーのコンテンツで、多岐に分かれ分散化しており、その特性が地元企業の外国企業に対する競争優位を作り出している。東南アジア市場参入を欲するグローバル企業は、様々に大きく異なる市場毎への対応(ローカリゼーション)を迫られることになるからだ。航空では、LCCの供給シェアが約50%に達している。市場の勝利者は、旅行専門企業か、メガアプリか、より水平的プラットフォームか?東南アジは、オンライン旅行におけるそれらの全てのプレイヤーを観察できる最良の研究室となるとAmadeusは述べている。(PWD 10/30 https://bit.ly/2WAW9ME) 

 

 

20. ペガサスの新プラットフォーム

 

ホスピタリティー テクノロジー企業Pegasusは、1年前にTravel Tripperと合併して、PegasusTravel Tripperの両社のベストを組み合わせた新プラットフォームを市場に送り出す。Travel Tripperの予約システムとブッキングエンジンとeコマースソリューションを、Pegasus GDSと販売ソリューションとビジネスインテリジェンスケーパビリティーに統合する。Travel TripperRezTripをベースにした、新たに名付けられたクラウドベースのPegasus CRSが、このプラットフォームの肝となる。ダイナミックプライシング 規則を含むレート管理、地域別プライシング、OTAの価格調査機能をオファーする。Pegasusは、かつてはホテルセクターのメカニックスと同義語として用いられ、初のCRSの一つと見なされ、SabreOracleと並んで長い間リーディングプロバイダーの一社として考えられて来た。2014年に当初の事業の流通スイッチを分社化しDHISCOとし、メインの事業をRegent Equity Partnersに売却した。(PWD 10/30 https://bit.ly/2C8W1uq) 

 

 

21. オミオ、ローム2リオ買収

 

マルチモーダル旅行検索のパイオニアの1Rome2rio(豪州)が、創立後10年でライバル企業のOmio(独、旧GoEuro、創立2012年)に売却された。売却価格は不明であるが、およそ25百万ドルと推定されている。今までの資金調達額は、Rome2Rio310万ドル対し、Omioはそれを大幅に上回る4千万ドルを調達した。Omioは、買収後もRome2Rioブランドを存続させる計画だ。Omioが強い欧州市場展開とRome2Rioが強い世界展開が結合されて、毎年5億人のユーザーにリーチでき、世界の数千の交通手段をオファーすることになる。(PWD 10/30 https://bit.ly/2WMCKZz) 

 

 

22. ソーシャルメディアと旅行

 

マーケティングの世界では、ソーシャルメディアほど人気とトレンドが急速に変化するものは無い。

 

    ソーシャルメディアのマネジャーが、Facebookのアルゴリズムを理解したと思った時には、そのアルゴリズムは変化してしまっている。

 

    ターゲットオーディエンスにヒットするためのソリューションにするために、短時間の写真掲載サイトのSnapchatに合わせた戦略の導入を考えた時には、短尺ビデオ動画掲載サイトのTik Tokが誕生している。

 

    数百万のフォロワーを持つ新しいインフルエンサーと契約したと思ったら、自社ブランドの記事掲載直後に、それと矛盾する疑わしいニュースを書いている。

 

ソーシャルメディアのトレンドをしっかり理解しない企業は、ソーシャルメディアの賢明なユーザーから冷笑と嘲りを受けることになってしまう。

 

現在のトレンドや関連性を理解して、バイラルメディアや革新的なタクティクスの戦略を立てるのは容易であるが、どのようにして次に来るものを予想するのか?顧客の行動が、常時、千変万化する環境にあって、どのようしてエージェント、社内チーム或いはその他のソーシャル専門家に、フォロワーの心を惹きつけ、そして見込み顧客の認知度を高め、将来のファンを増やすことができるコンテンツを作らせるのか?

 

どこからインスピレーションを探すことができるのか? 包括的なソーシャルメディア戦略を達成するために、組織を導く準備ができている主要な指標が利用可能となっている。

 

事実、ソーシャル イノベーションの最前線にいる業界が旅行と観光の業界である。今日の人気のあるプラットフォームの構想よりもずっと前からコンテンツシェアリングをリードして来た。 これは、何年も一貫した傾向である。

 

本質的にソーシャル Inherently social

 

旅行は、いつもソーシャルである。友人や家族との単純な旅行だけではなく、旅行のエクスペリエンスを他人と共有する。ソーシャルメデイアの巨人が登場する前にも、旅行者は家族、友人や世界の知らない人々に対してソーシャルメディアのタイプのフィードバックを提供するのに熱心であった。友人や隣人のために整理されたフォトアルバムやスライドショーであったものが、ブログやInstagramの投稿に置き換えられた。プランナーが計画している休暇目的地とアクティビティーに関する情報とレビューを必要としているか、或いは休暇を取得した者が彼らの旅行について自慢したがっているかの如何に拘らず、情報伝達が、フェイスツーフェイスで誰かに語りかけたり詳細のパンフレットを見たりする方法から、ソーシャルメディア以前の主要なソ―シャルメディアの代表的な例であるTripAdvisorのようなサイト上にレビューを書き込んだりする方法に進化した。

 

もちろん、今日では、Instagram, Facebook, Twitterや全てのその他のプラットフォームに対するソーシャルメディアポストが、友人や家族に対する情報拡散の最もエキサイティングで効果的方法となる。消費者目線での目的地とアクティビティーの第三者による推奨は、ソーシャルサイトでリコメンデーションを探しているその他の旅行者にとって、彼らの将来の旅行計画に好ましい影響を与える。では何故、消費者はソーシャルメディアで情報を共有し、レーティングし、レビューしているのだろうか?休暇旅行は高額であり、高い買い物の購入意思決定となるからだ。マーケターとしては、エクスペリエンスの信頼おける評価は時間と金を高額なアクティビティーに消費することを決めている人たちにとって重要であることを学んでいる。注文が容易で、試着や返品が可能な衣服のような商品と異なり、休暇旅行は消費者が購入する最も高価なプロダクトの一つであり、気に入らないエクスペリエンスの払い戻しを受け取ることはまずできない。旅行は、高度のパーソナルなプロダクトである。コスト、安全、全てにわたった楽しみを軽んじてはいけない。

 

全てを共有 Sharing everything

 

何処に居ようが、何処に行こうが、ソーシャルにシェアーするか或いは自身の旅について情報を得る機会がいつも存在する。現在、我々が知っているソーシャルメディアが2000年初期に立ち上がった時には、それは休暇旅行に関する情報共有と詳細な調査を大きく改善させる、旅行業界にとってのゲームチェンジャー(形成を一変させる物事)であった。

 

ソーシャルメディアの因果関係を特定するのは、それがほとんど毎日変化するので難問となるに違いない。消費者が、プラットフォームの機能とアルゴリズムによって異なる行動を起こしているのか、或いは、消費者がプラットフォームを変化させているのか?我々の経験では、旅行業界におけるソーシャルメディアの使用状況では、マーケターが特定しなければならない4つのトレンドが存在する。

 

1.ニッチのコミュニティーの立ち上げ The rise of niche communities

 

旅行業界が、ブランド認知させるためのターゲットするオーディエンスを特定し、それらを集めたニッチなコミュニティー作りの最前線に居る。「It’s Orland Time,」などのようなグループは、英国で熱心な旅行者を数千人集めて毎日1,000件に近いフロリダのオーランド行き旅行に関するポストを掲載している。

 

2. ソーシャル セールス Social dales

 

ソーシャルメディアは購入意思決定を動かす。ユーザーが望んでいる旅行のポストを見つけた時に、ソーシャルメディアで繰り返し見る現象が始まる。 (例えばInstagram Repeatアカウント)旅行であれ、フィットネスであれ、洗剤販売でさえ、それらのポストはユーザーの購買意欲をそそることなる。

 

その他のビジネス同様、旅行業界は、ソーシャルメディアによりどれだけ販売が向上したかの測定が困難である。しかし賢明なマーケターは、洗練された属性モデル(attribution model)により、消費者のコンテンツ閲覧状況を追跡してその判定を可能している。

 

3.ソーシャル顧客サービス Social customer service

 

ソーシャルメディアにおける顧客サービスがブームになっている。ソーシャルメディアは、否定的、或いは、肯定的なコメントを持っている消費者とエンゲージする機会を提供する。しかしリアルタイムのレスポンスが重要となる。ソーシャルメディは、消費者の権利を強化する。消費者はその権利の遂行に躊躇しない。ここ数年、旅行業界のリーダーたちは、ソーシャルメディアを使って顧客のクレームに適切にタイムリーに対応し、非難や批判の殺到によるネットの炎上を防いでいる。他の業界も、この旅行業界の対応を真似るだろう。

 

4.ブランド コネクター Brand connectors

 

ソーシャルメディアのインフルエンサーは、他の業種に先駆けて旅行で活躍したが現在どこにでも居る。ホスピタリティの一部の企業によっては、インフルエンサーを施設から追い出している。それでは、次に何が来るのだろうか?

 

インフルエンサーから、情熱的で、ターゲットを絞られたオーディエンス(上記1.のニッチコミュニティを参照)に向かっている。これらのオーディエンスは、フォロワーの数は多くないかもしれないが、より本物で企業との関連性が深い。消費者は、半日しか都市を訪れない1人の人(インフルエンサー)の影響を受けなくなった。真のインサイダーを“フォロー”することで、本物のオーディエンスベースを構築でき、それによって広告と共有エクスペリエンスの違いを引き続き認識できる。 つまり、インフルエンサープログラムを構築せず、パートナーシップを構築するということになる。

 

まとめ

 

旅行業界のように、ソーシャルメディアでこれほど強力な成功を収めた業界はない。写真、リコメンデーション、レビューを共有して楽しむという概念は、程よく調和され成熟し改善され続けている。ソーシャルメディアは、潜在顧客に情報を提供するのに最適な市場である。そしてその市場を通じてターゲットした潜在顧客のニーズとウォンツ(needs and wants)を理解することは、ブランド認知と収益を高めるための鍵となる。(PWD 10/30 https://bit.ly/33aC3vg) 

 

 

23. リフト第3四半期、依然として欠損計上

 

Lyftの際3四半期決算では、アクティブライダー数が前年同期比28%増で2,200万人、1乗客あたり収入は27%増の$42.82となった。この四半期の純損は46,350万ドルであった。前年同期の純損24,920万ドルより増加した。支出は140億ドルうち3億ドルが調査開発費であった。LyftUberとは異なり採用を増加させている。今年の求人数は18%増となる。特にエクスペリメンスと法務部門の採用増だ。(PWD 10/30 https://bit.ly/2JPe25f) 

 

 

24. 東南アジア市場の2つの問題、OYOとインスタ

 

TravelfishStuart McDonaldが、東南アジアのオンライン旅行ガイドブックのビジネスを始めた時から15年間で劇的な変化を経験した。

 

たとえば、世界経済の変化により、ギャップイヤー(gap-year)の旅行者が減少した ―この旅行者はTravelfishの読者の多くを占めている ― 同時に、AirAsiaOYOなどのバジェットブランドは、以前は法外に高価だった目的地への旅行をより実現可能にした。ガイドブックのエコシステムも変更され、Lonely PlanetRough GuidesスタイルのリコメンデーションからGoogle検索結果やTripAdvisorのレビューへと移行した。

 

Travelfishの独立を必死に守りたいMcDonaldにとって、その多くには以下で詳細に説明するような問題がある。

 

Q: 近年、東南アジアの旅行市場の状況はどのように変化したか?

 

中国本土と東南アジアがオンラインになると、それはこの地域に比較的新しく、従来のバックパッカーとは異なる方法で旅行する新しいかなりの数の人々が誕生させた。それに加えて、さまざまなタイプの宿泊施設ができた。お洒落なゲストハウスは次第に消え去り、それがOYOやホテルチェーンに引き継がれている。少なくとも自分の観点からすると、それは全体のエクスペリエンスを変えている。自分はホテルを見るのに多くの時間を費やす、そして今、都市に行くと、15または20OYOブランドのホテルがある。それは旅行のマクドナルドだ:それらはすべて似ており、記憶に残るものではなく、完全に忘れる事ができるが、彼らはちゃんと営業を継続している。 15ドルから20ドルの料金で、フラットスクリーンTV、白いリネン、Wi-Fiが手に入るが、その場所には個性というものが無い。あらゆる場所で同じようなエクスペリエンスしかできない。少し残念だが、これは、訪問者の大幅増加に対応するための目的地が実施する方法だ。

 

AirAsiaは、以前は行くのが困難だった目的地への多数の人々の到達を容易にした。それは少なくとも自分たちの観点からは地上での主な変化だが、自分の意見では良い方向ではない。自分は「昨日ここにいるべきだった」というような男になりたくないが、それは90年代とは非常に異なるエクスペリエンスだ。

 

Q: なぜこれらのバジェットブランドは繁栄することができ、OYOのようなモデルが持続可能だと思うのか?

 

OYOについて興味深いことを読んだ彼らは資産を所有していない傾向があり、施設を運営しブランド化する人とだけ取引をしているからだ。だから、彼らがすることは、客室を1ヶ月 80%満たすことを保証することであり、月の終わりに近づいてもその目標を達成しないなら、すぐに料金を引き下げる。 彼らはターゲットを達成するために本質的には損をしていることになる。

 

施設の所有者から、これは金だけでの話ではないと言う多くの反論があった。 それが問題だ。そんなことで、長期的に耐えられるのかどうか分からない。

 

自分はバリ島に住んでいて、先日ホテルにいたことをツイートしたが、自分の200メートル以内に、50~60室の9つまたは10のミニホテルがあった。それらのうちの23OYOだったが、5年前にはOYOは無かった。 全ては120ドル。彼らは、減債基金(sinking fund)とメンテナンスのための十分な金を請求していない。したがって、これらの施設が今後10年間でどのようになるか心配だ。実際には誰も宿泊したくないくだらないホテルがそこにあるので、目的地の観点からは問題だ。最終的にこのボックスホテルの場所の目的地になってしまう。全てが同じということなれば、何処に泊まっても違わない。だから家族経営などのローカルの風味があるホテルが存在しない目的地になってしまう。そして、ここでは、例としてOYOを使っているが、これらのようなチェーンは他にも沢山ある。目的地の観点からはかなり問題があると思う。

 

Q: 旅行者にとって、彼らが多く旅行するにつれ、最終的にOYOからより多くの興味深い施設に移動したいと思うかもしれない。

 

しかし、いったん地元の施設が居なくなると、それらは無くなってしまい戻って来ない。バリ島南部でよく見られるのは、30年くらいそこに存在していた元々家族経営だったホテルが、両親が他界し子供が財産を譲り受けたが、資金不足のためにホテルを売却するケースだ。財産自体、建物には価値は無いが、土地は莫大な価値がある。唯一の解決策は、そこに大きなホテルを設置しようとしている企業に土地を売却することだ。そのため、ますます地元のカラーは無くなり、同じ地域の他の50のホテルと同じ130ドルのホテルがまた1つ増えることなる。元に戻すことは不可能だ。

 

Q: Travelfishは、この地域の旅行者に何を提供しているか?

 

かなり厳しい時期を迎えている。とても良い年と悪い年があった。本質的には、Lonely PlanetRough Guidesのようなオンラインのガイドブックのようなものだ。人々の旅行方法の変化について前にも言ったように、自分たちは、90年代の旅行者のタイプには、素晴らしい旅行情報のリソースを作りあげている。自分たちの読者は、自分が予想していたよりもはるかに歳をとっている。私たちはさまざまな方法で金を稼いでいる。長い間の広告主導の収入と、アフィリエイトベースのホテル手数料収入だ。数年前、自分たちは、広告を無くして会員モデル(サブスク?)に移行した。それは本当に、本当に難しい苦しい道のりだ。すぐに前年比でトラフィックの約半分を失った。Googleが吸い上げているだけだ。現時点ではかなり難しい状況だ。

 

Q: Googleはどのように考え、どのように競争しようとしているのか?

 

彼らのやっていることは許されるべきでは無い。Googleの株主にとっては良いことだと思うが、公平な競争の場で他の検索ユーザーと競争することに問題は無いが、Googleがトップでゲートキーパーとして待ち構え、すべて吸い上げて彼らの収益にしてしまう。それは非常に問題だ。

 

最近のレポートによると、Googleのクリックの70%が別のGoogleのサイトに移動している。YouTubeGoogleマップ、またはそれらの旅行ポータルなどだ。かつて、Googleは「できる限り迅速に回答の場に送る」ということだった。今では「できるだけ、ここで[Google]で、回答する」に変化している。

 

自分たちの例として、自分たちは一般的な天気の質問で非常によくランク付けされている。それは常に自分たちにとって良いトラフィックの源泉だ。現在、Googleはそれらすべてを独自のサイトに配置している。

 

また、メンバーシップを促進するためにサイトの多くでペイウォールを設けたが、それを行うと、Googleがペナルティを科し、検索のリスティング順位を下げられてしまう。かつてはTripAdvisorLonely Planetやその他の目的地に特化したウェブサイトだけだったが、現在ではさらに多くのサイトが存在する。

 

Culture Tripは利益を出していない。これは、検索エンジンの結果全体にわたる、旅行用の新しいスパム(spam)だ。それが旅行者にとって常に良い結果であるかどうかは分からない。彼らのネタ(material)のいくつかは良いが、多くはそうでは無い。しかし、私たちは資金提供を受けていない、決して資金調達していない。やせ我慢みたいに聞こえるかもしれないが、少なくとも短期的には、金を稼ぐ必要のない企業と競争するのはイライラする。

 

優待や景品(freebies)を受け取らない数少ない出版社の1つ。自分は、記事を書いているあらゆるところに行くが、その点では非常に古い方法だ。

 

Q: コンテンツの面では、Culture TripLonely Planetとは対照的に、東南アジアに拠点を置いているため、東南アジアで優位に立つことができるか?

 

私は15年にわたってあちらこちらを巡回しているので、目的地がどのように変化したかを見て来た。ライターは、すべてのビーチを見ているので、ある権威を持って、これが最高のビーチだと言うことができまる。ガイドブックのように古いスタイルでやっているが、読者の観点からは、ユーザーが作成した記事に人々は満足しているように思う。TripAdvisor20,000件のレビューよりも権威があと考えているが、それは、読む人の個人的な選択だ。

 

以前は、Rough Guideか、東南アジアのlonely Planetかであったが、現在では人々は膨大な数の情報源から情報を得ている。時にはそれは素晴らしいことだが、もちろん、すべてを網羅できるわけではなく、何か面白いことをしているブロガーや雑誌が常に存在する。

 

Q: ソーシャルメディアは、人気のある場所を決定してしまう傾向もある。

 

Instagramはこの張本人だ。バリ島の沖にある島には、非常に壮観な崖とビーチがある。 10年前には15軒のホテルが存在した。現在150もある。その場所は、Instagramで継続的に公開されている。そこに行くと、自撮りするために100人の人が並んでいる。特にInstagramは、特定の目的地にオーバーツーリズムを導く上で極めて重要な役割を果たしている。GetYourGuideによる非常に優れた研究がある。それによると、世界で最も売れているツアーは、バリ島のInstagramツアーだ。全く頭にくる。それは一日のツアーであり、彼らは旅行者を6つまたは7つのトップ自撮りスポットに連れて行く。

 

人々はこのツアーに数百ドルを費やし、67つのスポットに写真を撮りに行く。

 

私にとって、バリとは正反対だ。それは地元の住民や交通などにとって大きな問題だ。金はこの外国企業が吸い上げてしまって、地元は潤わない。

 

ローカルオペレーターがそれを実施していたのだが、彼らはまだGetYourGuideのパートナーとなって存在する。GetYourGuideはローカルオペレータの盗賊のようだと思う。特にInstagramの問題は大きい。その写真は美しいが、でたらめだ。ビーチの美しい写真は見えるが、背後にあるゴミの山は見えない。そして、インフルエンサーは完璧な写真を撮るのに多くの時間を費やしている。

 

インフルエンサーはインフルエンザのようなものだ。解決策は分からない。

 

非常に由緒ある寺院が、旅行者の故意や過失ではないが、その場にふさわしい服を着ていないか、適切に振る舞っていない人々で完全に溢れかえっている。それは本当に問題だと思う。ここには依然として祈りの家があり、地元の人々が行く場所である。そこは今、24時間365日の写真撮影が可能だ。(PWD 10/31 https://bit.ly/34zko0N)

 

 

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海外事情

海外事情12月9日号 

 

 

2つのIATA NDC標準に関する記事「3.(TJ) NDC進展も課題山積み」、「16. 航空会社の3つのテクノロジートレンド」が有った。3.(TJ) の記事は、NDCは安定的に進展しているものの、乗り越えなければならないハードルがまだまだ存在すると述べている。その反対に16.の記事は、開発進展状況は計画通り順調だと述べている。後者は、IATAが主催した航空会社リテーリングシンポジウムに関する記事のため、多分にIATA寄りになっていると思われる。4.がより正確に実態を表しているのだろう。「技術的な問題よりも“人と金と政治”(people, money, politics)の問題が進展を阻んでいる」と言っている。NDC APIで接続して流通経費をできるだけ削減したい航空会社と、反対していたNDC に今では積極的に対応して、新たに登場したアグレゲータとの競争に勝利するためと、航空会社に“中抜き”させないための両方で頑張っているGDSとの、これからのせめぎわいが激しくなるだろう。

 

 

 

グロバールOTAの第3四半期決算で、EXPE22%大幅減益となった「9. エクスペディア 3Q 減益」。その反対にBKNG10%増益した「15. ブッキング3Q、増収増益達成」。どちらもnet incomeベースだ。EXPEの減益は、GoogleSEOに関するアルゴリズム変更が影響しているという。BKNGは、このチャネル規模がそんなに大きくなく影響が軽微であったという。TRIP3Qも減収減益となった「12. トリアド、トリップ・コムと中国合弁設立」。TripAdvisorブランドホテル収入が、Google自身のホテルプロダクト検索増加が原因で14%減少したのだ。Googleの旅行領域参入がますます本格化しているようだ。

 

117日、3社の株価は、EXPE27%BKNG8%TRIP22%、と値を下げた。市場は、オンライン旅行市場におけるOTAの今後の競争力維持を懸念しているのだろうか。OTAは、サプライヤー直販拡大はもとより、Airbnbなどの新たな販売モデルの台頭やGoogleなどのグローバルプラットフォーマーとの競争激化に直面している。(編集人)

 

 

 

今週号では、「7. アゴダの多角化戦略」、「8. ブッキング、民泊の新戦略」、「13.ブッキング、法人旅行テックプロバイダー買収」、「15. ブッキング、配車アプリのグラブと提携促進」と、BKNGの関連ニュースが4つもあった。BKNGの「Connected Travel」戦略の遂行が進んでいる。BKNGの場合は、Internet of Things (IoT)が、Internet of Travel (IoT)と読み替えているように感じられる? 

 

それよりも、3つの記事が印象深い。「10. 本当のディスラプション」、「22. ソーシャルメディアと旅行」、「24. 東南アジア市場の2つの問題、OYOとインスタ」の3つだ。

 

10. 本当のディスラプション」では、ディスラプティブのプロダクトは、必ずしも既存企業よりも良いわけではなく、今まで既存企業が不経済なために手を出さなかったサービスのニーズに取り組んだか、以前は特定できなかったニーズのいずれかであると説いている。そして、ディスラプティブを起こしているのは、テクノロジーでなくて、創造性を発揮したクリエイティブなモデルであることを再確認させてくれた。

 

22. ソーシャルメディアと旅行」は、旅行とソーシャルメディアの相性が抜群に良く、旅行業界がソーシャルメディアを誰よりもうまく使っていると言っている。ソーシャルメディは、人と人の繋がりをインターネットで補完するコミュニーケーションサービスなのだから、顧客とのエンゲージメントに優れているのは当たり前だ。これを上手に使っていないとすれば問題だ。

24. 東南アジアの2つの問題、OYOとインスタ」は、この地区における観光公害の実態を報告している。オンライン旅行ガイドTravelfishStuart McDonaldが、過去15年間で悪化している観光公害の実態を、歯に衣着せずのタッチで断罪している。(編集人)