海外事情

フォーカスライトJapanでは、PhocusWire Daily (phocuswire.com) 並びにTravel Weekly (travelweekly.com)を含む海外主要旅行業界誌から、面白そうな業界ニュースを選別し日本語に意訳して、トラベルジャーナル(TJ)の隔週コラム「FROM THE WORLD/海外事情」とTD 勉強会(e-rtb.com)に掲載しています。TDTravel Distribution)勉強会の「海外事情 アーカイブ」では、TJのコラムに掲載したニュース以外の記事を、TJコラム発行日の3日遅れで掲載しています。 

   

 ■2018年4月2日 お知らせ 

 

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2019916

海外事情 819日号 

 

84~16日の主要ニュース19本のうち、いつもはPhocusWire Dailyにはほとんど表れない法人旅行に関する記事が7本(目次の下線箇所)もあった。取扱高ベースで米国市場のおよそ3割が法人旅行市場にあたり、そしてそれに加えておよそ2割程度のunmanaged business 旅行市場が存在すると言われている。つまり米旅行市場のほぼ半分あるいはそれ以上が、法人旅行で構成されていることになる。それだけ大きな市場にもかかわらず、業界ニュースが少ないのに驚かされる。(尤もこれにはPhocuswrightの親会社であるNorthstar Travel Mediaが、法人旅行市場専門誌であるBTN=Business Travel Newsを編集していることも影響している。)

 

7本の記事を読むと、この市場のセルフ予約ツールの使い勝手が極めて劣悪で、法人旅行管理会社(TMC)のサービスに対しても出張者の不満が多く、その上企業の出張規定のかなり厳しい遵守の要求のために、出張者のモラルと生産性の低下が発生している可能性がある、という何やら暗い話が連続する。要するに観光旅行市場の方が法人旅行市場よりも、旅行の計画や手配のプロセスで、テックを含めてずーっと先進洗練先行しているというのだ。

 

しかし、最近になって、この遅れた法人旅行市場に目をつけた新規参入者たちが参入しつつある。そして彼らは、企業のコスト削減最優先に変えて出張者ファースト、出張者セントリックの戦略を敷いている・・・というようなことが、これらの記事に書かれている。観光旅行のベストプラクティスを法人旅行が真似ようとしている。これはFSCLCCを真似て、FSCLCCの境界線がぼやけ始めている話と似ている。出張先で仕事の前後に休暇旅行までしてしまうブレイジャーの拡大も、法人旅行のセルフインベンションの一つのきっかけとなっているのだろうか。 

 

11. OTA4つの神話」は、“高い手数料をふんだくっている悪者OTA”の評判(風評?)に対するOTA の恨み節が書いてあって面白い。(編集人) 

 

 

目次

 

1.    楽天、欧タビナカ企業に出資

 

2.    出張費節約にインセンティブ

 

3.    LCC最大のWNGDSと提携

 

以上は、トラベルジャーナル916日号 FROM THE WORLD海外事情をご覧下さい。

 

 

 

4.    NDCチェック Part 2(最終回)

 

5.    新興企業が法人旅行管理会社に挑戦

 

6.    T&A市場のOTAとテック結合は脅威か?

 

4.    エアビーと法人旅行

 

5.    法人旅行予約の現状

 

6.    トリアド第2四半期決算

 

7.    ブッキング、支払いシステム開発ブランド統合

 

8.    OTA4つの神話

 

9.    トラベルリーダー、ビアター採用

 

10. インスタ、likes非表示開始

 

11. デジタル新時代

 

12. スーパーソニック新興企業

 

13. グーグルのバケーションレンタル

 

14. 英国航空、VRヘッドセット導入

 

15. アメックスGBT CEOとの話

 

16. TUIT&A大幅増収

 

 

 

1. NDCチェック Part 2(最終回)

 

NDC@Scaleと一致して、NDCの大幅な採用を促進させるドライバーは、20183月に指摘したのと同様に、転換(Transformation)、証明された投資利益率(Proven ROI)、プッシュとプル(Push-and-Pull)の3つが鍵となる。

 

これらの3つは、相互に関連づけて同時に取り組まなければならない。 

 

 

(1). 転換(Transformation

 

IATA NDC@Scaleイニシャアティブは、NDC API接続による取扱量を増加させるための適正な組織作りに必要な標準を定義している。しかし、NDCレベル3認証取得に用いられているのと同様のチェックボックスによる“認証取得プロセスはあまりうまく行われていない。

 

ほとんどの航空会社は、チェックリストを用意し、最新導入ガイドを提供し、試験的ポータルを立ち上げ、新たな提携者(間接的販売業者=リセラー)を支援するために専属サポート体制を整えている。

 

しかし、真の転換プログラム(プロジェクトでは無い)の成功のためにはいくつかのレベルでより多くのことに取り組まなければならない。

 

・ ベースラインは、Cレベルが参加するプログラムの作成(全てのリーダーボード航空会社は今年中に達成する計画だ)と、NDC API上で全ての要求される情報を伝達するポータルの管理と、関連するプロセス(NDC@Scaleの焦点)によって構成される。このレベルにおける主要な難題は、全ての潜在的提携者の契約とオペレーションを支援するための十分なスタッフの確保にある。リーダーボードのたったの53%の航空会社が、彼らの提携者のプログラム採用に対して現在十分なスタッフを確保していると言っている。いくつかの航空会社は、この仕事には驚くほどえらく時間がかかると言い、現在NDCプログラムをセットアップしているリーダーボード航空会社の27%は、このようなことに対する投資は想像もしていなかったと言っている。

  

  転換は、さらに流通提携者を巻き込む。このために航空会社は、NDC API接続を支援するだけでなく、提携者のエンドツーエンドのプロセス上の関連する事業を支援することになる。そしてコスト削減、市場シェア拡大、顧客価値強化、増収機会創造などを含む特定事業領域におけるNDCの価値の協業を展開するROIの開発と成功を共有するために、多くの主要事業展開活動を行う必要がある。

 

  航空会社が、提携者と共に、真の効果的リテールをすることができるのは、キャリアが情報を獲得するためにリテーリングのプラクティスを微調整し、付加価値サービスとビジネスモデルを最適化するためのデータを利用できる時である。今日、これらの航空会社の少なくとも74%のための2020年ロードマップが決定されているけれども、これらの基準のプログラムの成熟度は極めて低い。航空会社が遅れを取っている主要な基準は何なのか?“完全なリテーリングのための関連するスキルの獲得”である。航空会社のたったの13%が、この基準をクリアしていると言っている。NDCリテーリングの恩恵を完全に紐解くために必要とされている主要なタレントは、長期的な大きな挑戦と大きな機会の両方となる。 

 

 

(2). 証明された投資利益率(Proven ROI

 

しかしROIの観点から言えば、結果は大変に勇気付けられるものである。20183月では、メタサーチにおけるビジビリティーの獲得あるいは特定旅行会社チャネルへのリッチコンテンツの表示とかの小規模プロジェクト限定されて、NDCプロジェクトに対する取組には意欲的でなかったことを考えれば、現状は驚くべき進展だ。今日では三分の二のリーダーズボード航空会社がROIの目標に到達しているか、それを超えている。

 

 

これらのROI数値は、その他の航空会社を呼び込むほどに極めて前途有望である。より重要なことに、このNDCリテーリングへのシフトは、持続可能性のインデックスの一種としてアナリストによって分析されることが多くなっている。

 

  航空会社は、成長を維持し、A.I.採用のためのマーチャンダイジングスキル或いは革新的データイニシャティブの正しいセットを伴った収入発生協業プログラムにより意欲的になり始めているのだろうか?

 

  彼らは、バリューチェーンにおける各プレイヤーが動かす価値をベースにしたビジネスモデルの最適化を達成できているのだろうか?

 

この長期的視点は、NDCプログラムの価値を評価する際には確実に重要となる。LH航空の流通ソリューションのヘッドのArber Devaは、「LHグループは顧客を主役に据え、価値ベースの提携者を開拓することに努力している。NDCで流通を改善するという我々の命題は、タレント溢れる人々とプロセスでサポートされた最先進機能NDCAPIをベースとした包括的NDC Partner Programを開発している。NDC Smart Offers, 提携者のためのNDC Bonus, 完全サービス、テクノロジー支援を含む我々の意欲的プログラムは絶えず進化している」と語っている。

 

興味深いことには、2018年に航空会社は、ROIは、4つの収入ドライバーによって影響されると語っていた。

 

  パーソナルオファー/ダイナミックプライシング/バンドル(Personalized offers/dynamic pricing/bundles

 

  新たなチャネルのリーチ(New channel reach

 

  新たな付帯サービス(New ancillaries

 

  成約率の増加(Increased conversion

 

しかし今日では、そのツールのセットが収入とコストの間をより良く均衡させるようになっている。今日の航空会社にとって、第3番目の最も重要なビジネスセットのドライバーは、GDSフィーの節約とトランザクションフィーの再交渉のようなコストに関連する。しかしながら、航空会社は、パーソナルなオファー、ダイナミックバンドルの作成、よりきめ細かなオファーにおける継続したプライシングの活用によって、ほとんどの収入を得ることを依然として明らかに期待している。

 

リッチとパーソナルなコンテンツそして強化したエクスペリエンスとユーザビリティーのおかげで、成約と採用率(conversion/adoption rate)も増収をもたらすと期待されている。メタサーチやソーシャルメディアに対する接続などリーチを増加させる為の幾つかの容易に管理できるNDCの使用事例が、2018年には極めて重要と見られたが、それ以降は27%ポイントも下降した。NDCの成熟に伴って、トランザクションとGDSフィーの再交渉が行われるようになるだろう。そして、ROIの強化が付加的付帯サービスと同様の重要なレベルで、全てのチャネルを通じて促進されるだろう。

 

さらには、ビジネスモデルの全体的な簡素化が最終的に一つの主要ドライバーとなる。たとえば、今日、多くの従業員は、デリバリーチェーンにおける航空会社、GDSTMCOBT、企業を含むB2B2B2B2B2Eモデルを使用して出張を予約するので、単純なより一般的なモデルで多分十分である。 

 

 

(3). プッシュとプルのアプローチ

 

リーダーボード航空会社の97%は、流通バリューチェーンを通じて航空会社が協業的成功を確保することに強くコミットしているので、ROIが全ての流通提携者に貢献するはずだと語っている。

 

NDC@scale イニシャティブも、成長を育む使用事例によってこの方向を助長する。しかしながら、より広範囲な採用を確保するためには、単純な使用事例だけではなく、流通バリューチェーン全体にわたった目に見えるビジネスケースやペストプラクティスを示す必要がある。

 

最後に、プッシュとプルのアプローチでは、プルはエンドユーザーが興味を持つ真のリッチコンテンツによって動かさなければならない。したがって、NDCテクノロジー(そして関連するオファー)は、エンドユーザーに対して明らかなメリットを直接に示すことが不可欠となる。

 

法人旅行の世界では、このアプローチの成功は実証済みである。IATAAnswairBusiness Value to Agencies白書は、企業の92%が彼らに対する次回の入札にNDCビジネス要件を含めることを計画していると指摘している。

 

それでも、このエリアの評価は今日非常に低くなっている。リーダーボード航空会社の14%だけが、年末までに旅行者に対するNDCの影響を測定できると期待しているのだ。繰り返しになるが、これは航空会社が適切な小売スキルを獲得する上で直面する課題を思い起こさせる。 マーチャンダイジング文化への移行を管理できるのは、最初にキャリアと提携者が旅行者中心のKPIを測定および管理できる場合のみとなる。

 

旅行者を理解することは、旅行全体を通して彼らのニーズに対処することにより − 最初の予約を超えて − 新たな機会を生み出す。

 

地理的ローカリゼーション(geo localization)、プロファイリングされた採用レベル(profiled adoption levels)、および感情的な受容性(emotional receptiveness)に基づいて、会話型リテールは関連するサービスを作成し、空港のセキュリティチェック後のラウンジへのアクセス、または長時間のフライト前のWIFIと座席のアップグレードのバンドルなどの関連する収入を生み出す。Microsoft Travelのグローバルな従業員のためのエクスペリエンスリーダーであるJulia Fidler氏は次のように述べている。「NDCは刺激的なエンドユーザーエクスペリエンスを生み出す絶好の機会を提供する。その見返りに、より多くの旅行データを活用し、あらゆるレベルで好循環を引き起こす変化のための高度なインテリジェンスを引き起こす。例えばNDCが環境保護と持続可能性のガイドラインの提供にどのように役立つかを考慮することによって、旅行者のエクスペリエンを更に強化する時が到来している。」

 

この旅行者に焦点を当てた知識により、次のような質問に対処できる。

 

  NDC上に構築されたパーソナライズされたオファーは、より良く購入されるか?

 

  NDCを使用して需要をより正確に予測できるか?

 

  リッチコンテンツがリッチすぎるため、使いやすさに影響してしまうか?

 

  バンドルは常に関連づけされているか?

 

  継続的な価格設定は需要に合っているか?

 

  企業の漏洩(corporate leakage)は減少するか?

 

  TMCと旅行会社は、顧客に新しい付加価値サービスを導入できるか?

 

  まとめてデータの意味を理解し、より適切に差別化できるか? 

 

 

結論

 

リーダーボード航空会社は引き続き先駆者であり、NDCを前進させている。

 

今日、彼らは優れたROIの結果と、202020マイルストーンをはるかに超える持続可能なNDC主導の成長を構築するための強固な基盤の構築の両方で成功している。これは、NDC @ ScaleNDCマッチメーカー、Accelerate @IATAなどの継続的なイニシャティブ、新しい認証バージョン、技術アーキテクチャフレームワーク、インターライン、重要なONE Orderなどの進化により、この勢いを継続的にサポートするIATAによって支援されている。

 

リーダーボード航空会社の成功がますます確実になり、採用障壁に対処する方法に関するベストプラクティスを開発し続けるにつれて、多くの航空会社がそれに続き、現在よりもはるかに速くNDCチャネルに移行する可能性がある。 

 

ただし、1つの疑問が残る。NDCから派生した価値は、最終的にスタンドアローンで認識されるのだろうか。リッチでダイナミックかつ完全に差別化されたNDCを活用したコンテンツは、最終的にはNDCチャネルに移行し、スタンドアローンのビジネスケースを活性化する主要な採用ドライバーになるはずだ。

 

当然のことながら、現在、インセンティブや追加料金などの追加の戦術的方法が、NDCの需要と採用の促進に役立っている。

 

しかし、長期的には、このスタンドアローンのビジネスケースまたは収益率の分析は、航空会社による短期的な加速メカニズムに依存せず、「総合」契約の中に希釈されるべきでは無く、単一NDC派生価値に基づく自身のスタンドアローンのビジネスケースによって評価されるべきだ。 

 

NDCベースのROI2022年に自立すると信じているのは、アンケートした航空会社の40%のみであり、27%はそうではないと考えている。この分析は、調査対象の航空会社の性質、地域、確立されたビジネスモデルによって明らかに異なるが、この指標は依然としてNDCの重要な成功要因と考えることができる。

 

ある意味では、この白書で検討した3つの主要なドライバーを補完するものだ。これら4つの要素を合わせると、間違いなく航空会社がガートナーのハイプ曲線上のProductive Plateauに押し上げられ、大きな利益に向かっている。2022年末までに、リーダーボード航空会社の53%が、リセラーからの予約の40%以上がNDCAPIを介して供給されると期待している。

 

私はこの刺激的な進化を継続的に監視しており、このNDCの離陸が展開するにつれて、より多くのレポートを提供し続ける。乞うご期待!

 

(By Philippe Der Arslanian – Answair ) (PWD 7/31 https://bit.ly/31ESxum)

 

 

 

2. 新興企業が法人旅行管理会社に挑戦

 

TripActions6月に 40億ドルの企業評価によって2.5億ドル(約270億円)を調達した後に、法人旅行管理業界の古いプロダクトとサービスとエクスペリエンスを解決する計画を発表した。そしてその第一歩として、同社の一連のエンタープライズ・ソリューションの中で、大手法人顧客のために自動化能力テクノロジーと専属コンサルタントを結合したTripActions Consultingを立ち上げた。TripActionsの戦略は、価格優先の伝統的な法人旅行プログラムとは異なりより動的で、観光旅行とより合致した予約エクスペリエンスを提供するために、IATANDC標準ATPCONext Generation Storefrontを利用して出張者を中心に据えている。TripActionsは前年比5倍の成長を遂げ、WeWork, Lyft, SurveyMonkey, Complex Networksやその他の世界の2,000社に及ぶ法人顧客の11億ドル(約1,200億円)の年間出張予算を管理している。(PWD 8/4 https://bit.ly/2KF6rXL)

 

 

 

3. T&A市場のOTAとテック結合は脅威か?

 

先週、ベルリンベースのGetYourGuideが、T&Aオペレーターに対する予約システムを提供している2BookingkitRezdyとの優先提携契約を発表した。この提携は、2018年春のBooking HoldingsTripAdvisorによる予約システムプロバイダーFareHarbourBokunの買収に対する対抗措置であるとGYGは言っている。T&A市場におけるOTAとテックの結合は、そんなに脅威なのか?ArivalDouglas Quinbyは次の理由から、そんな脅威は存在しないと述べている。

 

T&A市場は極めて大きな市場だということだ。70以上のOTA、少なくとも150のテックプロバイダー、数十万のオペレーターとカウントできるだけでも多くのプレイヤーが存在する。投資家たちは、2017年以来16億ドル(約1,700億円)を40近くのスタータップに投資してきている。この投資額の三分の二はGYGKlookに対する投資だ。しかしこれらの多くのスタータップでエクジットできたのは極めて少ない。

 

T&Aは次の大ブームとなるのか、それともバブルなのかは未だ分からない。確かかなことは、一握りのOTAとテックの結合などは、この巨大な市場規模を考えると、GYGが言っているような脅威などでも何でもない。(Arival Douglas Quinby) (PWD 8/5 https://bit.ly/2HcfcGE)

 

 

 

5. エアビーと法人旅行

 

Airbnbが、家具付きサービスアパートメントのマーケット プレイスUrbandoor2015年創立)買収を発表した。Urbandoorは、60ヶ国1,500都市の法人旅行者用の長期滞在や転勤アパートを仲介する。この買収はAirbnb for Workの市場の立ち位置を強化することになるだろう。(PWD 8/5 https://bit.ly/30exQoW)

 

 

 

6. 法人旅行予約の現状

 

1,300社の企業の出張者とトラベルマネジャーを調査した結果、セルフ予約ツールと法人旅行会社経由予約の両方のオプションとも、出張者の適したものとなっていないことが判明した。

 

セルフ予約ツールは最近かなり進歩して、ほとんどの出張者もこれに使い慣れており一見問題がないように見える。ところが、直前の旅程変更、最適価格かどうかの確認方法、航空便とホテル予約に費やす時間を精査すると、問題があることが分かる。平均的出張者は、出張に関連する仕事である調査・予約・調整・取消・精算で108時間も消費している。

 

だったら法人旅行管理会社(TMCや法人旅行会社)を使えば良いと考えがちだが、この有料のオプションにも問題がある。60%ほどの出張者は、TMCに満足せず、自分たちで手配した方がより効果的であると考えている。つまりはセルフ予約もTMC予約のどちらも満足していない。

 

Kayakなどは、容易で迅速な消費者の旅行予約ツールを運営しているが、この話は法人旅行予約には当てはまらない。10年前だったらこれでも構わなかったかもしれないが、現代の出張者たちは時間がかかるこれらのプロセスに我慢できないでいる。今日の出張頻度が多い出張者は、より容易な、よりスムースな出張管理ツールを望んでいる。(By Mike Baker – Lola) (PWD 8/5 https://bit.ly/2YvRGiA)

 

 

 

9. トリアド第2四半期決算

 

TripAdvisorの第2四半期決算が、採算性向上の戦略強化により、減収(-3%)となるも増益(+10%)となった。

 

 

(tripadvisor.com 8/7 https://bit.ly/2Zaj3y5) 

 

 

10. ブッキング、支払いシステム開発ブランド統合

 

Booking Holdings CEO Glenn Fogelが第2四半期決算発表で、「旅行者にすべてを提供し、実行し、彼らの生活をより容易にし、価値を与えるシームレスで全体的なシステムを作成するというビジョンを前進させている」と語った。彼は、何回も「接続された旅行(connected trip)」に言及した。そして「摩擦のない世界市場を推進する」ためのこの取り組みの一例として、支払いシステムの開発に対する同社の取り組みを挙げた。「接続された旅行」のコンセプトのもう一つの例として、Rentalcar.comBooking.comへの統合と、OpenTableポイントのKayakホテル予約への利用と、Booking.comにおけるワンクリックによるアトラクション予約を取り上げた。

 

Booking Holdingsの第2四半期決算は、総取扱高が250億ドル(約2.7兆円)(前年同期比+10%為替一定)、収入が390億ドル(+14%)、純利益9.79億ドル(前年同期並)となった。調整EBITDA利益は14億ドル(+10%)。(PWD 8/7 https://bit.ly/2Pgyph9) 

 

 

11. OTA4つの神話

 

OTA1990年代初めから中ごろにかけて発達し、テック時代における大きなインターネットの成功物語の一つとなった。OTAは、旅行手配を目覚ましく改善し、旅行者にこの上ない便利なツールとなった。旅行者だけでなくホテルの流通にも大きく貢献した。それなのに、不幸にも多くのホテル経営者の間では、誤解と誤った情報のためにOTAの幾つかの悪いイメージが広まっている。OTAについて繰り返し繰り返しよく話されている4つの神話を探ってみよう。 

 

 

(1). OTA2社寡占

 

これは間違っている。世界ではメタサーチや多数のOTAが、大手OTAとの取引を嫌うホテルのチョイスを提供している。それに加えGoogleが、すでに旅行の大きなプレイヤーになっている。そしてAirbnbAmazonが旅行流通にまで手を広げるのではないかとここ久しく噂されている。(Airbnbは、過去18ヶ月間にわたってすでに旅行領域に参入している。)

 

旅行予約がオンラインに転移し続けているものの、オフライン市場は継続して極めて巨大な規模を維持している。仮に大手OTA2社寡占が事実とすれば、彼らは市場支配力を利用して市場に大きな悪影響を与えていただろう。過去10年間でOTAコミッションは大幅に低下し、OTA契約はより柔軟になり、ホテルは、自身の在庫とプライシングの両方のコントロール権を獲得した。

 

ホテル流通業者間の境界線がぼやけている現実の中で、OTAは流通の重要なパートに残っているものの、流通エコシステム全体を牛耳っているわけではない。

 

事実、OTAのビジネスモデルの進化に合わせて、大手ホテルチェーンは、バケーションレンタルや、航空パッケージ旅行や付加的旅行サービスや、マルチブランドのショッピング・エクスペリエンスを提供するために新たなブランドの獲得すら行って、OTAもどきのマーケットプレースに変形している。 

 

 

(2). OTAは制限的

 

これは間違っている。OTAは成果報酬型チャネルであり、ホテルは収入を得て顧客が滞在して時にのみコミッションを支払えば良い。レートパリティーは過去のものとなり、ホテルは、今や彼らの潜在的収入に対してコントロールが完全にできるようになっている。OTAはより洗練化されて、ホテルが増収とオキュパンシー向上のために使うことができる手段を提供している。ホテルチェーンは、おそらくメンバーのホテルの利益のために仕事をしているようだが、しばしば自己の事業の最適化のためにメンバーに対して流通チャネルを制限し、自身の最大利益のために行動している。“コントロールされた流通(全ての販売をチェーンCRS経由とする)はチェーンにとっては良いが、これはしばしばフランチャイジーの収入あるいは費用に影響を与えている。

 

そして、OTAが柔軟性に富んだ契約を提供しているにも関わらず、ホテルチェーンが10~20年の契約期間と高額の契約解除条項を強いているにもかかわらず、OTAが制限的(restrictive)であるという評判で苦しんでいるのは、いかにも皮肉的である。 

 

 

(3). OTAは、低い収入に貢献

 

これは、ほとんど間違っている。収入管理が洗練化されるにつれ、ホテル業界は、各種の流通チャネルを最適化するために、費用についで収入についても重要視し始めた。ホテルチェーンが、自分の費用で金がかかる直販キャンペーンを実施しているので、多分、OTAがホテルの安い直販よりもホテルの利益に貢献する収入を生み出しているのは何も驚くことではない。それに加えてOTAは、新たな追加的なそして高支出需要を作り出すことを助けている。OTAは、ホテルの不良在庫の整理に使われているが、そうされるべきではないし、それは彼らの主要な目的でもない。 

 

 

(4). OTAは高いコストがかかり価値をもたらさない

 

これは完全に間違いである。ホテルチェーンは、OTAの平均16%と同様に、ブランドとマーケティングとロイヤルティーフィーの如何に従って15~30%の流通費用を課している。流通には投資と販売努力が必要なのだから額自体は問題ではなく、収入をどのようにして生み出すのかが問題となる。

 

大きな問題は、ホテルチェーンが、どこの流通チャネルから実際に収入を得ているかに関係なく、全ての予約に満額のテイクレートのフィーとコミッションを課していることである。この二重課税のプラクティスは、業界から数十億ドル(数千万円)を掻き集め、営業利益を蝕みホテルのオーナーの資産価値を低下させている。現実に第三者販売チャネルが、より多くの収入とマーケティング努力をしている際に、何故ホテルがこのような総客室収入(gross room revenue)に対する課金に寛容なのか全く理解に苦しむ。ホテルチェーンは彼らのフランチャイジーにADRプレミアムを維持しているものの、現実はコストに見合うのはほとんど存在しない。反対に、OTAは予約の成約時だけにコミッションを徴収し、その上マーチャンダイジング、マーケティング、収入管理、決済プラットフォームに加え顧客サービスとロイヤルティー・プログラムまで提供している。これら全てに課金したら合計いくらになるのか試算したら良い。 

 

 

プラットフォームが自由への鍵となる

 

今日でさえ識者たちは、OTAの成長とプラットフォームの脅威から学ぶべきだと言い続けている。

 

ホテルの営業を支配し、フィーを請求し、少ない見返りと少ない価値しか提供しないホテルチェーンからの束縛を解いてくれるのが、Google, Amazon, Airbnbのごとくの旅行への新規参入者を含むプラットフォームたちだ。従って何故業界が、レガシーのホテルチェーンの自己利益のための永続的なフランチャイジーを利用したキャッシングマシンの成長のために、チェーン税を支払い続けるのかが疑問である。バランスの取れた競争力のあるプラットフォームの未来は、ホテルが最終的に独自のブランドの構築に集中できることを意味している。自己資本にいくつかの資本を戻す時が来た。 

(PWD 8/8 https://bit.ly/33kCcg5) 

 

 

12. トラベルリーダー、ビアター採用

 

TMCTravel Leader Corporateが、新たなコンセルジュサービスを立上げ、そこにタビナカのマーケット プレイスViatorを採用し、最近成長が激しいブレイジャーの旅行者需要に対応する。同社の法人顧客は、TripAdvisorの子会社Viator20万の即予約可能のアクティビティーのアクセスが可能になる。Travel Leaders Corporateの調査によれは、75%の法人顧客がしばしば出張を休暇旅行と組み合わせていることを突き止めた。このコンセルジュサービスは、出張旅程に則して、ユーザーが書いたレビューや仕事の前後のアクティビティーのためのキュレートされたオプションを自動的に提供する。(PWD 8/9 https://bit.ly/2Ml9gj3) 

 

 

13. インスタ、likes非表示開始

 

インスタグラムが「likes」の数を非表示にするテストを7カ国で開始した。7ヶ国には、日本・カナダ・豪州・NZ・ブラジル・アイルランド・イタリアが含まれる。likesの数が非表示されるのは、他人の投稿した写真や動画。自分が投稿したものは今まで通り表示される。このテストが米国を含む全ての市場にも適用されて恒久化されるのかは不明。Virtuosoの幹部は、likesの数は虚しい測定基準であり、今回のインスタの措置を歓迎している。インスタは、24時間で投稿した画像や録画が消去されるInstagram Storiesに対するユーザーの高い人気が、likes非表示のきっかけになったと言っている。より多くのlikesを獲得するために過剰な競争が問題視されていたことへの対応と見られている。(PWD 8/12 https://bit.ly/2KEZoyf) 

 

 

14. デジタル新時代

 

デジタル転換の時代は終わった。これからは、デジタルのテクノロジーを駆使して新たなマーケティング戦略を構築し、他者との差別化を実現しなければならない時代に突入する。マーケターが留意しなければならない点を以下の5つに整理した。

 

(1). レスポンシブル・マーケティング

 

以前よりも増して消費者中心のマーケティグ、すなわち消費者がモーメントモーメントで求める個人的(パーソナルな)ニーズにオンデマンドで瞬時に対応しなければならない。

 

(2). ユニークな顧客に対するユニークな機会

 

現在、当然と考えているテクノロジー主導のやり取りは、すべての消費者にテクノロジーアイデンティティを拡大させている。 これは、次世代の消費者を正確に理解するための知識の生きた基盤と見なされるべきだ。 これにより、旅行マーケティング担当者にとっては、現代社会に要求されているスピードで消費者のニーズを満たすため、リッチでパーソナリズドされたエクスペリメントベースの関係構築に向けたマーケティングが重要になる。

 

(3). マイクロモーメントの価値

 

消費者とのタッチポイントは、絶え間なく変化しているデータ駆動型の新しい種類の消費者に合わせてシームレスに進化する。 彼らの購入への道は、いくつかの大きな、よく調整された瞬間によってもはや特徴付けられない。代わりに、成功を決定づけるのは、多数の小さな相互作用の併合となる。 これらのマイクロモーメントは、精巧なマーケティング計画の累積効果よりも重要になりつつある。

 

(4). ハイパー・コネクション(超連結社会)

 

ハイパーコネクテッドの社会の到来が、以下の5つの経験的ファクターを引き起こしている。

 

(a). 調和

 

顧客があらゆるタッチポイントを使用して学習し、発見し、調査し、最終的に旅行を購入するため、ますます混合チャネル(blended channel)が唯一のチャネルになる。 オンラインやブリックアンドモルタルではなく、「1つのブランド、多くのチャネル」戦略にうまく統合される。

 

(b). パーソナライズド

 

個々の顧客ごとに独自に作成された旅行プロダクトとエクスペリエンスは、ますます効果の低いマス戦略の対抗手段になっている。

 

(c). ローカライズド

 

コンテクストが王様になりつつある。 地理位置情報テクノロジーを使用して、CRMの至高の目標である、つまり適切な顧客に適切なタイミングで適切なオファーを提供することができる。 しかし、それはそこに止まらない。 消費者の行動は、モバイルにより根本的に変化している。 消費者がスマートデバイスを使用する方法は、前述のマイクロモーメントを作成し、旅行マーケティング担当者が適切なメッセージを継続的に送信する絶好の機会を提供する。

 

(d). ソーシャライズド

 

我々は接続経済にあり、消費者はインスピレーション、情報、検証のためにネットワークに目を向けているので、インフルエンサーの力について考える必要がある。

 

(e). 増幅(Amplified

 

豊富な選択肢とマーケティングメッセージを使用して、競争相手を撃破する唯一の方法は、より高いレベルの関連性とインパクトを高めることだ。 十分に良いだけでは、もう十分ではない。 同一性から抜け出た価値の提案をしなければならない。我々は、要求されている物語を提供しなければならない。

 

(5). 錯覚の現実化

 

テクノロジーは、個人的であってもカスタマイズされていても、ほとんどの消費者のニーズを満たすことができるという幻想を助長した。 今、組織はこれらの期待に応える必要がある。 旅行マーケターはその幻想を現実に変えなければならない。 それは、全体的なレベルで人々を理解し、彼らの見通しとニーズが一瞬のうちに変わる可能性があることを認識することを意味する。

 

ポストデジタルの世界では、あらゆる瞬間が潜在的な新しい市場を作り出す。 これは、要求が即座に伝えられ、すぐにそれが満足させられることが期待される場所だ。 さらに、どちらも絶えず変化しており、無限の果てしない要求に対する満足の出会いの機会を生み出す。

 

結論として

 

現実的に言って、現在の世界は、全てが瞬間的にはなっていない。しかしデジタル化後の旅行ブランドは、すでに異なるゲームをプレイしている。

 

デジタルの成熟に達していない組織は、イノベーションであれパーソナライズの増加であれ依然としてそのような競争力を求めているが、一方、ポストデジタルトラベルブランドは、それ以上にさらに多くを求めている。彼らは、市場自体の仕組みを変えることで競争に打ち勝つ態勢を整えている。ある市場から多くのカスタム市場へ、瞬時にオンデマンドで対応する。

 

旅行マーケティング担当者は、現実のキュレーターとして自分自身を再配置しているように感じているかもしれないが、この移行により、ターゲットとする機会を責任持って選択するという新しい要件を背負わされている。 特定の絶えず変化する瞬間に対応することは、多くの市場の1つに慣れている組織にとって困難な問題を追加する。

 

デジタルを超えるには独自の変革戦略が必要であり、これらの戦略は瞬間的な市場に焦点を当てる必要がある。旅行マーケティング担当者が、新しいエクスペリメンタルの旅に挑戦する時が来た!(By Joel Davis – Mighty Social)(PWD 8/13 https://bit.ly/30dZ6Ur) 

 

 

15. スーパーソニック新興企業

 

Exosonicが、ソニックブーム形成テクノロジー(sonic boom shaping technology)を利用して衝撃波を吸収させ、陸上と洋上をマッハ1.8で飛行できる超音速機を開発し2029年の販売開始を目指している。現在の飛行時間を半減できるこの超音速機(航続距離4,500海里=8,300km2クラス60席)は、FSALCC対抗にきっと役立つだろう。同社によれば、超音速機市場は、2030~2050年にかけて1,000機の需要が存在し、およそ2,000億ドル(約22兆円)販売が見込まれる。(PWD 8/14 https://bit.ly/2Hg5Zxg) 

 

 

16. グーグルのバケーションレンタル

 

過去数カ月間、バケーションレンタルのシームレス検索と予約エクスペリエンスのために数社のソフトウエアプロバイダーと連携を開始している。この市場は極めて分散化されている(大手プロパティー・マネジャー4社は、たったの物件在庫の1%しか取り扱っていない)ことと、バケーションレンタルはホテル客室販売とは異なり容易なカテゴリーでは無いこともあり、Googleの代替宿泊市場への取り組みは比較的ゆっくりしている。バケーションレンタル市場は、Googleの参入を首を長くして待っていた。この業界は、伝統的に大手5社であるBooking.com, Expedia, Airbnb, HomeAway, TripAdvisorによって支配されている。そこにGoogleが、同社のHotel Search機能にバケーションレンタルを統合した。Google MapSearchのホテルの検索結果にレンタルを並ばせた。

 

現在、プロパティー・マネージャー(世界中で推定115,000人)は、Google検索やGoogleマップを介して直接ゲストにアクセスすることはできないが、Rentals Unitedなどの優先Googleソフトウェアパートナーのいずれかと連携することによってのみアクセスできる。

 

しかし、Googleと短期レンタルの次に起こるのは何だろうか? 直販、ゲストエクスペリエンス、顧客所有権、現在のエコシステムに影響を与える可能性がある将来の開発は何か?

 

検索巨人には理由がある

 

Googleは旅行検索をほぼ独占していることについて議論があり、Google幹部は最近、米国下院司法委員会から自身の立場を説明するよう求められている。

 

MDG Advertisingが引用したExpediaの調査によると、旅行者の69%が旅行を計画し始める際に検索エンジンを利用する。 これは、家族、友人、オンライン旅行代理店、旅行ブランドのWebサイトなど、他のすべてのソースよりもランクが高くなっている。 ここでグーグルが大きな勝者になるとは思わないのは難しい。

 

現在の仕組みは、検索オプションにレンタルが表示され優先リンクをクリックすると、GoogleからOTAもしくはプロパティー・マネジャーのどちらかにサイト遷移して予約することになる。

 

しかし、ゲストがGoogleで直接予約できるとした場合はどうなるのだろうか? プロパティー・マネジャー(またはOTA)は依然としてマーチャントオブレコードですが、このGoogleにおける予約は間違いなく進行中であると思う。

 

Googleは常にサービスを改善しているので、GoogleHotel Adsをレンタル用にGoogle on Bookに追加できると想像するのは空想ではない。顧客が検索エンジン内でインスピレーション、検索、比較、購入のすべての旅をシームレスに行えるのに、なぜ予約をするためにGoogleを離れる必要があるのだろうか?

 

このオプションは確かにカスタマーエクスペリエンスを向上させ(探している情報はすべて1か所に集められる)、Googleによると、このオプションは予約のコンバージョン率も向上させる。

 

Google on Bookモデルを使用すると、情報を提供するための単なる通用門(gatepost)ではなく、実際にGoogleが予約を促進するための仲介者となる。 確かにマーチャントオブレコードにならないのでOTAでも無い。 ただし、予約プロセスでの煩わしさは避けられ、顧客が別の宿泊施設または予約プラットフォームに漏れる可能性も無くなるだろう。

 

ただし、重要なことは、支払いは引き続きプロパティー・マネジャーまたはOTAを介して行われるため、プロパティー・マネジャーまたはOTAもマーチャントオブレコードになる。 バケーションレンタルは業績豊富で定評のあるOTAにも多くの信頼を寄せているため、Googleでブランドを目にすることは宿泊施設を再確認することができ、購入決断は当然の帰結となる。 Googleで予約が行われると、すべての顧客データの詳細がサプライヤーに渡され、事実上Googleはそのデータを消去する。 販売が完了し、仕事が完了した。

 

Googleの高度なパーソナルな属性知識のおかげで、シームレスな予約体験が保証された顧客は、Googleに忠実であり続け、旅行のニーズを完全に満たすためにこの検索エンジンのリピーターとなるだろう。

 

その他のプレイヤーはどのように対抗するのか?

 

ExpediaBooking.comなどの大規模なOTA1年に数十億ドルをGoogle広告に費やすことを考えると、GoogleBook on Googleモデルに本腰を入れて、それらの大手OTAを怖がらせる可能性はほとんど無い(実際、今日、Book on  Googleで予約できるホテルを探すのにはえらい時間がかかる)。

 

Googleは検索に焦点を合わせているため、メタサーチのビジネスを食い物にすることは驚くには当たらないが、リソースを大量に消費する顧客サービスモデルタイプのOTAを突然構築することはありえない。 ExpediaBooking.com、およびCtrip2桁の数字で成長しているが、それでも推定1.5兆ドル(160兆円)の旅行業界のほんの一部に過ぎない。 Googleは、消費者に大きな利益をもたらす最上位の検索レイヤーで、大手OTAの業界への浸透を引き続き支援していくと考えられる。そして、それは顧客にとっても大きなメリットになる。

 

しかし、ブランドを構築し、潜在的なリードを獲得し、アップセルする能力を求めているプロパティー・マネジャーは、これでどこに残るのだろうか? 顧客の旅全体を促進するためにGoogleに依存することには注意する必要がある。

 

いくつかの点で理にかなっているかもしれ無いが(特にブランドを構築したりWebサイトに投資したりするつもりがない場合)、それは、プロパティー・マネジャーが独自のオンラインプレゼンス、ブランド認知、自身のウェブサイトにトラフィックを引き付け、見込み客を獲得する能力を開発する機会を制限する可能性がある。

 

すべてのビジネスと同様に、リスクの分散と可視性の最大化をアプローチの一部にする必要がある。 プロパティー・マネジャーが、カスタマーエクスペリエンス全体をカバーして育成する完全に最適化されたWebサイトを持っている場合、Google on Book機能を選択するインセンティブを最小限に抑えることができるだろう。 

 

ホテル検索機能の仕組みをさらに検討すると、ブランドを選択するオプションがあります。バケーションレンタルがホテルの軌跡をたどり、これが起こった場合、プロパティー・マネジャーがブランドの認知度を高め、広告入札プロセスを理解して最適化することで収益戦略を最大化することが不可欠になる。

 

皆が知っているように、予約の所有権は非常に大きな問題で、Googleにとっては、誰が顧客の所有者であるのかは興味深い質問になる。答えは、Googleとサプライヤー(予約の処理場所に応じてOTAかプロパティー・マネジャーか)の両方がゲストを所有していると思われる。

 

Googleには、すべての設定情報と予約情報があり、サプライヤーに対して電子メールやその他の連絡先の詳細を含むすべての予約の詳細を引き渡す。これによりサプライヤーは、顧客ロイヤルティプロセスと優れたゲストエクスペリエンスの開発が可能になる。 Google、プロパティー・マネジャー、ゲスト(検索機能が強化されている)の三方にメリットがある。

 

我々が知っていることは、旅行者がBooking.comExpediaAirbnbなどの大きなブランドを信頼していること。これらは旅行ドメインでの地位を証明している。それらは、消費者が購買習慣を変えることを思いとどまらせる可能性のある、非常に幅広い選択肢と使いやすさを提供する。 Googleがこの新しい実験で成功するかどうかという疑問の解は未解決のままだ。(James Burrows – Rentals United) (PWD 8/16 https://bit.ly/2YU9yDY) 

 

 

17. 英国航空、VRヘッドセット導入

 

BAが、LON=NYC線の一部フライトのFクラスに機内エンタメにVR(仮想現実)ヘッドセットを導入した。搭乗旅客は、2D, 3D, 360°フォーマットの画像を楽しむことができる。このVRは、IAGの新興企業アクセラレーターであるHanger 51に参加したSkyLights社の設計。BAは、今後5年間に65 億ポンドの客室改善投資を計画する。2015年初頭に、QFが機内エンタメ用にVRのテストを実施、ちょうど1年前には、LHが飛行中の航空機客室から眼下に見える土地のバーチャル小旅行を可能にするVR Moving Mapのトライアルを行なっている。(PWD 8/16 https://bit.ly/2P4FXTT) 

 

 

18. アメックスGBT CEOとの話

 

ほとんどのスタータップに関するニュースは、彼らがB2C モバイル予約インタフェースを提供していると報道している。近年、法人旅行市場をターゲットにしたスタートアップの数は興味深い。法人旅行は、ビジネス旅行者や、支出と安全性を一貫した方法で管理しようとする人々にとって、痛みと欲求不満に満ちたセクターだ。新規参入者にはLola.comTravelBankTravelPerkTripActionsなど、多くが存在するが、その大部分は、ロードウォリアー(出張者)のエクスペリエンスをターゲットにすることで、いくつかの問題を解決できると見ている。このセクターは投資業界の関心を呼び起こし、これらのビジネスのいくつかに大規模な投資が行われた。

 

AMEX CEO Doug Andersonは、法人旅行管理のプロセスがどれほど複雑であるか、マージンがどれだけ薄いか、統合システムの欠如、および注意義務(duty of care)の意味を知っている。おそらく、彼の言葉は、スタートアップ自身だけでなく、より広いビジネス旅行コミュニティに対する警告でもある。

 

早く動くことができるこれらの新規参入者について、少し嫉妬しているかもしれないが、彼は、新しい革新的なものがあるとは思っていない。

 

ここでは本当に正しいかとか、間違っているかといったことも無い。投資コミュニティは大規模な法人市場における破壊(disruption)の余地があると考えており、新興企業はそこで或る程度の牽引力を発揮している。そして彼らは、巨大であるがとらえどころのない中小規模の企業が主体の管理されていない旅行市場(unmanaged travel market=出張規定が存在しないか、存在していてもその厳しい遵守が要求されない市場)を追い求めている。

 

新規参入者たちは、この市場や、多くの場合ミレニアル世代で構成されていることが多い新しいメディア/デジタル企業で、勢いを増しているように思われる。

 

どれだけ早く彼らがより大きく、より伝統的な企業からビジネスを引き付ける可能性があるのかは未だ分からない。

 

とは言うもののパイは大きいので、大きなもののわずかな割合でさえ儲けることができるだろう。既存企業と新興企業にとっての課題は、旅行中、特にスケジュール混乱中に旅行者に必要なサポートを提供する革新的なデジタル方法を見つけることにより、人件費を抑えることだ。(PWD 8/16 https://bit.ly/30etXQZ) 

 

 

19. TUIT&A大幅増収

 

TUIは、ホリデーエクスペリエンス部門のさらなる成長を目指しているため、T&Aスペースでのさらなる買収を計画している。2019年第3四半期の決算発表で、グループ最高経営責任者のFritz Joussenは、同社が「適切な機会を見つければもっと投資する用意がある」と述べている。

 

TUIはほぼ1年前にMusementを買収した。イタリアを拠点とするこのスタートアップは、当時のDestination Experiences部門の一部になった。

 

Joussenはまた、3月に調印したCtripとのT&A流通提携は、現在、他の戦略的提携と共に稼働していると述べている。

 

これらの動きは、TUIの顧客だけでなく第三者の顧客にも、自社と第三者の両方のエクスペリエンスを流通させる新しいデジタルプラットフォームで、T&Aの規模を拡大するTUIの戦略の一部だ。

 

3四半期の目的地エクスペリエンスの売上高は、14,380万ユーロから39,970万ユーロ(約600億円)に増加したことにより前年比92%も増加した。

 

同社はまた、ホテルおよびフライト向けのグローバル流通ネットワークプラットフォームであるGDN-OTAGlobal Distribution Network-OTA)の構築を続けている。

 

Joussenは、時間の経過とともにますます多くのホテル経営者が当社の流通能力を活用できるように、フランチャイジーに対応するように設計された技術スタックについて語った。デジタルプラットフォームの開発は、同社が従来のツアー運営から脱却し、中国や米国などの新しい市場に対応できるようにする動きの一部である。

 

同社はまた、プロセスにおいてよりアセットライトになりつつあり、シナジー効果をもたらさないと感じているビジネスの要素を処分している。

 

先週、スペシャリストツアーオペレーターのBergeMeerBoomerangの、プライベートエクイティ投資家Genuiへの約1億ユーロの売却を発表した。

 

3四半期に、グループ全体で47億ユーロ(約5,650億円、前年比ほぼ4%増)の売上高を計上した。グループEBITA利益は、前年同期の18,700万ユーロから1億ユーロをわずかに上回った額にほぼ半減した。損失の大部分は、航空会社とツアー運営事業で構成されるMarketsAirlines部門に起因している。

 

この部門は、MAX Jet航空機の運航停止やBrexitの不確実性など、いくつかの要因に見舞われた。(PWD 8/16 https://bit.ly/2MpuRXo) 

 

 

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海外事情

 

84~16日の主要ニュース19本のうち、いつもはPhocusWire Dailyにはほとんど表れない法人旅行に関する記事が7本(目次の下線箇所)もあった。取扱高ベースで米国市場のおよそ3割が法人旅行市場にあたり、そしてそれに加えておよそ2割程度のunmanaged business 旅行市場が存在すると言われている。つまり米旅行市場のほぼ半分あるいはそれ以上が、法人旅行で構成されていることになる。それだけ大きな市場にもかかわらず、業界ニュースが少ないのに驚かされる。(尤もこれにはPhocuswrightの親会社であるNorthstar Travel Mediaが、法人旅行市場専門誌であるBTN=Business Travel Newsを編集していることも影響している。)

 

7本の記事を読むと、この市場のセルフ予約ツールの使い勝手が極めて劣悪で、法人旅行管理会社(TMC)のサービスに対しても出張者の不満が多く、その上企業の出張規定のかなり厳しい遵守の要求のために、出張者のモラルと生産性の低下が発生している可能性がある、という何やら暗い話が連続する。要するに観光旅行市場の方が法人旅行市場よりも、旅行の計画や手配のプロセスで、テックを含めてずーっと先進洗練先行しているというのだ。

 

しかし、最近になって、この遅れた法人旅行市場に目をつけた新規参入者たちが参入しつつある。そして彼らは、企業のコスト削減最優先に変えて出張者ファースト、出張者セントリックの戦略を敷いている・・・というようなことが、これらの記事に書かれている。観光旅行のベストプラクティスを法人旅行が真似ようとしている。これはFSCLCCを真似て、FSCLCCの境界線がぼやけ始めている話と似ている。出張先で仕事の前後に休暇旅行までしてしまうブレイジャーの拡大も、法人旅行のセルフインベンションの一つのきっかけとなっているのだろうか。

 

11. OTA4つの神話」は、“高い手数料をふんだくっている悪者OTA”の評判(風評?)に対するOTA の恨み節が書いてあって面白い。(編集人)

 

 

海外事情 916日号B 

 

81923日のニュースに加え、法人旅行に関する特集シリーズ3部作の第1部を掲載する。(お盆休みのために、1週間のニュース配信となります。)

 

前々号の楽天キャピタルの都市エクスペリエンスプラットフォームFever(ロンドンとマドリッドベース)出資に引き続き、「3. 楽天、東南アジアのバジェットホテルに投資」した。

 

2. 電子IDと旅行」は、プライバシーの問題について何も触れていない。生体情報は、整形手術をしない限り究極的個人情報なのでプライバシー保護には細心の、最善の、最大限の注意が必要だ。

 

6. 米司法省、セーバーのフェアロジックス買収を否認」は、この買収が実現しない場合は、SabreNDC開発に遅れが生じる可能性がある。これは、FarelogixGDS代替システムの能力に、DOJが“お墨付き”を与えたということか。(編集人)